ひなちゃん さま

ひなちゃんさまの口コミ

5 / 5素晴らしい!

ひとり旅で予約しました。
食も温泉も観光も楽しみたいが足はない、という私にピッタリの楽しいツアーでした。

二ツ井駅集合でしたが、事前に車がなく付近のホテルに宿泊している旨を伝えたところ、朝フロントまで迎えに来てくれることになりました。
ガイドの方は斎藤栄作美さん。
マタギのお祖父様と木こりのお父様のもとに生まれたそうで、私は存じ上げなかったのですが有名ガイドの方みたいでした。
(そうとは知らず、めちゃ博識で写真撮るのもうまいおじさんだな〜と思ってはしゃでいた私…)
ふたりきりでガイドしてもらえてラッキーでした。

まず白神山地の峨瓏の滝、銚子の滝を案内してもらいました。
どちらもひとりでは見られない冬の山奥の秘境の滝で、特に銚子の滝は関東のショボい滝に慣れていた私には、
デカ過ぎんだろ…
という感想しか浮かばないほどスケールが大きく、圧倒されました。
また、ツアーには記載のなかったスノーシューを履かせてもらい、雪景色をバックにした写真をたくさん撮ってもらいました。

昼食はラムジンギスカン。
白神山地で羊を育てているのは知りませんでしたが、新鮮で臭みのないラムでした。
ガイドの斎藤さんに、これまで山のガイドをしていていちばんの危機は!?熊は!?などと色々な質問しつつ、美味しくいただきました。

昼食のあとは温泉…の予定だったのですが、ここでまさかの温泉は宿泊先のホテルだったことが判明。
どうやらガイドの方には前日に行程表が送られてくるようで、私が泊まっていたホテルのお風呂がプランに組み込まれていることは知らなかったようです。
写真だけ見て雪見露天かな〜と楽しみにしていたので、事前のやり取りで運営の方には気付いて言ってほしかった!

でも急遽、恋文で有名な「きみまち阪県立自然公園」に連れていってもらえることになりました。
高校生の頃、戦争で旦那さんを失ったおばあさんの恋文を読んで号泣したことがあり、ずっと行ってみたかった場所だったので、思いがけず訪れることになりワクワクしました。
少し高台にあって、風光明媚な場所でした。

ガイドの斎藤さんは本当に「The ガイド中のガイド」という感じで(私の語彙力がガイド力についていけてないのですが)、なんでも知っていて素晴らしかったです。

例えば公園でパーンという音が聞こえたとき、「どっかで車のタイヤパンクしてる」と呟いたら、「あれはタイヤじゃないよ。田んぼの鳥を追い払うために、一定時間経つと自動的に鳴る鳥避けの音」と指摘してくれたり、公園内の通り道を「両サイドすごい断崖ですね〜!」と言った際には、「明治天皇が来るということで、わざわざ岩を切り裂いてこの道を作ったんだ」とエピソードを披露してくれたり。
私が1人で観光していたら通り過ぎていたであろう事象を逐一丁寧に拾いあげて教えてくれて、感心しきりでした。

そんな充実した時間を過ごしながら、公園で写真を撮ったり散策したりしているうちに雪が降ってきました。
風情があるな〜と見ていたのですが、山歩きを生業とされている斎藤さんは「吹雪になる」と教えてくれて、1本早い電車に乗ることになりました。
私は「え、まだそんな降ってないし、道の駅で買い物とかしたい」などと考えていたのですが、電車に乗ってからめちゃくちゃ悪天候になり、私が東京に帰ったあとは徐行運転や運休が相次いでました。

さすが木こりーーー!!!
ありがとうーーー!!!!!!

と家でニュースを見ながら感謝していました。

余談ですが、旅行から帰ってきてしばらくした頃、実家の母が「あなたがこのまえ旅行してた藤里町ってすごいのね。引きこもりの人を2000人からひとりもいなくした町、ってテレビで特集してたわよ」と電話があり、録画した番組を見せてもらいました。

ホテルの従業員の方やガイドの斎藤さん、ごはん屋さんの方、そこにいたお客さん、そして舞茸キッシュのお土産をくれた、こちらのツアー主催の方。

皆、顔見知りのようで声をかけあっていて、なにやら気さくでフレンドリーな町だなと思っていましたが、あの横と横のつながりは町内の皆さんの努力や心配りの積み重ねによるものなのだとわかり、感動しました。

数年前、旅好きが高じて旅行業務の国家試験を受けた際、私がはじめに覚えた世界自然遺産が白神山地でした。
こんな森があるんだ〜と勉強しつつ、もし受かったらいつか行ってみたいと思っていたので、夢を叶えることができて幸せでした。

太古からの贈り物のような森と、観光客を繋いでくれるツアーです。
人生を彩る思い出をありがとうございました。

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