ままんし さま

ままんしさまの口コミ

3 / 5良い

文字の多い展示で研究者向けだと思った。自分が絵から感じることを記録できるようにメモをとりながら見たらよかった。あとで図録を読んで歴史的な経過を読み直したら始めの方の展示もわかるのだが最初の方がいつものクレーの絵のムードではないのでじっくり見るのはしんどかった。途中から色彩が豊かで形が見えるようになってきてスパイスの匂いや画布のざらつきや木のテカリなどが味わえるようになってきた。絵の具の粒が点描に使われた砂漠のモスクの絵が美しいと思った。蛾の絵は痛々しかった。イチジクの絵の皮肉なモチーフと体の痛みもよく考えると知恵の帰結がナチスによるレッテル貼りに続いていたことになる。楽園を追放されて怒りに歯噛みしている画家の見せたいものが感じられて画家として生き切ろうとがんばった姿に感動した。

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