生憎の天気でしたが、そのおかげで然程混雑せずにゆったり鑑賞する事ができました。
大河ドラマ「べらぼう」を視聴しての鑑賞でしたのでドラマに出てきた「吉原細見」や「エレキテル」の実物を肉眼で拝見する事ができ感激しました。
浮世絵の摺り工程も図案化で解説してくれていたので、あの精緻な色合いと工程の細密さに納得し、ため息が出るくらい何百年も前の彫師と摺り師の方々へ頭が下がるほど素晴らしい作品ばかりでした。
今の時代はワンストップ印刷やダウンロードが当たり前の世の中ですが、ひとつひとつの工程の連係作業で庶民への情報発信がされていた事はわかってはいても各職人技に敬意を評したいです。

私の祖父は和綴じ製本の職人でしたので、当時は当たり前だった和綴じ本は多少馴染みがありましたが、すべての本が和綴じの時代だったら
どれだけ需要があったんだろうと下世話な感想とともに手仕事の素晴らしさと懐かしさを感じながら拝見しました。

蔦重が吉原からスタートさせたメディア王へのステップアップがわかりやすい順路で展示された展覧会でした。
会期中は再訪して更に理解を深めたいなと思います。

同時開催している「浮世絵現代」も連動して鑑賞でき、現代のアーティストの方々を多色摺りの版画で表現されていて、時代は変わっても版画の手法工程は変わらず改めて感動させていただきました。
タイムリーでお得な展覧会です！