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サンディエゴ美術館の傑作を見るだけでなく、西洋美術館所蔵の傑作を別の視点から観る機会を与えてくれた。 確かに、これも「どこから見るか」の一つだろう。 まず、アンドレア•デル•サルト。 全く初めて出会う画家なのだが、何故か懐かしい。それは「アンドレア•デル•サルト」という名前だった。 「アンドレア•デル•サルト」。。。 それは漱石『吾輩は猫である』で、美学者の迷亭が持ち出し、漱石がモデルとなっている苦沙味先生が、さも知っているかのように「そうかね。アンドレア•デル•サルトが、そんなことを言っているのかね」というやり取りをぼんやりと覚えていたからだ。 それを苦沙味先生の知ったかぶりの対応と受け止めて大笑いしたものだ。 だが、実際にアンドレア•デル•サルトの作品を目の当たりにして、きっと漱石はロンドン留学中に、彼の作品を見ていたに違いないと思い至った。 観たあとにほとんど悪夢のように付き纏ってきたのが、ボスの「キリストの捕縛」だ。これはデフォルメされた現代絵画と呼んでも良い。 ボス本人の作品とは思えないが、後世に与えた影響は大きいものがあったと想像させてくれる。 スルバランの「神の仔羊」は、本展の人気作に違いない。そのモフモフ感に惹きつけられることは間違いない。 その神聖な絵画を見た後に、根津のブラッセリーに行ったのだが、何とメニューに「仔羊」があるではないか。 素晴らしい仔羊の絵画を見た後に、仔羊に舌鼓を打つ。 何と罰当たりなことか。