作品と松本零士先生の因果関係をさらに知れる良い機会でした。
松本零士先生の経験が作品に活かされて、進化していく軌跡を感じる事ができました。
来場者の半分は外国人の方々で嬉しい気持ちになりました。サブカルチャーの世界に多大な貢献をした先生の作品もっと多くの方に知っていただけたらなと思いました。

中でも良いと感じたのは原画の展示です。
細かい機械や宇宙船と宇宙などの自然を1枚の絵にする苦労を工夫をして描ききっていることが伝わります。
例えば機械の部分の絵を独立した紙に描き、原稿に貼り付けていました。
デジタルの絵では簡単にできる手法ですが、それをアナログで実施することは絵を描くことにおいての技術的な先進性を感じます。

これまで松本零士先生の作品にあまり触れなかった人にも胸を打つ言葉や絵の数々があるので自信を持って多くの人にオススメできます。

展示物だけでなく空間の演出なども美しく、非現実感があって良いお仕事をされているなと感銘を受けました。
展示物の内容によっては同じ事を繰り返すマンネリ化になり、満足感を得る前に終わることもありますが、空間の演出のおかげでより楽しむことに没頭できました。
こちらについてはもっと予算をかければ、松本零士作品をあまり知らない人やお子様にも喜ばれると思いますので今後も素晴らしい仕事を続けて欲しいです。

残念な点はあまりありませんが、松本零士展という名前なので作品以外の松本零士先生にまつわる展示物があれば良いと思います。
また、先生の作品にまつわるグッズは高価で希少なものも多いのでそういった展示物もほしいところ。
このような展示物があれば次回も開催される際に多くの人の心を打つことができると思います。
また、イベントでの物販についてはもう少し、先生の世界観のユーモアを出せば販売促進につながると思いました。
端的に言うともっとチャレンジ精神や自由な発想のあるグッズに力を入れて欲しいです。
高単価な樽のコップや香水や安易にアクスタやトランプに逃げて欲しくないです。
アクスタやトランプのグッズは作りやすいのはわかりますが他のエンタメ作品で同様のグッズがあまりにもあるので競合が多すぎます。
松本零士展の企画に落ち度はないですが業界全体で同じような商品の展開に飽き飽きしていますし、中高年の方々がそのようなグッズを若者と同じ感覚で喜ぶのか懐疑的です。

無難な物よりも作品の良さとアイディアを絞って作られたグッズが欲しいんです。
おいどんのラーメンの器などが良い例です。
サルマタやサルマタ柄のトートバックなど監修と連携して、松本零士作品の良さを形にした商品を作る事に意識すればもっと良くなります。
松本零士先生は素晴らしい文章を書くので先生やキャラクターの金言集などあれば良いと思いました。
これについては空間演出の方はこの魅力に気づき演出されていたのでファンなら共通する先生の魅力です。

そしてスタッフの方々が皆、上品で丁寧で優しく素晴らしい人ばかりで展示物などをより楽しむ事ができると感じました。
質問や相談など丁寧に答えていただいたり案内や人を楽しませようとする姿勢がディズニーランドのスタッフレベルに高かったです。
プロ意識と穏和な雰囲気でスタッフ間が楽しそうに気楽に仕事をしているようで良いバランスでした。
これ以上はない最高のもてなしだと思いました。
この言葉がスタッフの方々に伝わる事を祈ってます。

素晴らしい1日をありがとうございます。
また後日、アンドロメダ行きのパスを持ってもう一度足を運びます。