素晴らしいコレクションでした。イタリア、フランス、ドイツ、そしてネーデルラントと、ヨーロッパ各地の巨匠たちによる作品を、ルネサンスからバロックにかけての流れの中でじっくりと味わうことができました。
素描というものは、いわば絵画の設計図や試作のような役割を果たしていて、必ずしも完成作品として展示されることを前提に描かれたものではありません。しかし、線の一つひとつに作家の思考や試行錯誤が表れていて、そこにこそ芸術家の「手」が最も率直に感じられるように思います。そうした素描を鑑賞して楽しめるのは、本当に絵そのものを深く愛する人ならではの体験だと感じました。
落ち着いて一枚一枚を堪能できて、さらに常設展ではピカソの版画展も同時に開催されており、古典から近代まで幅広い芸術の魅力を一度に楽しむことができました。