最初は「実物がない」と聞いて、少しがっかりしていたんです。でも、いざ入ってみると本当に驚きました。大きなスクリーンに映し出される宝物が、まるで目の前にあるように鮮やかで、螺鈿の琵琶の輝きや、瑠璃の色合いが、とても美しく再現されていました。本物よりも、むしろ色が生き生きと見えるような気がしましたね。

特に印象的だったのが、蘭奢待の香りです。天然香料で再現された香りを嗅がせてもらえるなんて、初めての体験でした。スパイシーで少し甘みのある、シナモンのような温かい香り。どこか懐かしくて、1300年前の空気を少しだけ感じられたようで、胸がじんとしました。

レプリカのクオリティも素晴らしかったです。人間国宝の方々が作られたものだそうで、本物と見紛うほど精巧。昔の職人さんの技術と、現代の技術が融合しているんだなと、しみじみ感じ入りました。

全体を通してとても楽しかったです。実物ではないけれど、妻と一緒に「すごいね」「きれいだね」と話しながら回れたのが、何よりの思い出になりました。次は奈良の正倉院も行ってみようと思います。

同じ年代の方にも、ぜひおすすめしたいですね。新しい形で歴史に触れられる、貴重な機会だと思います。