サクラメントさまの口コミ
5
/
5素晴らしい!
投稿日
サクラメントさまの口コミ
5
/
5素晴らしい!
投稿日
「ホライゾン・オブ・クフ」は、いわゆるVRゲームというより、仮想世界に迷い込む体験だった。 ナビゲーターのモナさんに導かれて、ピラミッドの中を進むとバステトが現れ、気がつけば古代エジプトに立っている。 説明を聞いているという感覚ではなく、一緒に旅をしている仲間がいて、その世界に「入ってしまった」感じが強い。 クフ王が黄泉の国へ旅立つために造られたとされる太陽の船に乗るがそこから見る幻想的な風景。 突然だが「人間は死んだ時に見える世界がお花畑だったり川が見える」とか人によって見え方が違うという話を聞くが、私が死んだ時に見える景色がこれだったらいいなぁ…(と言うことは私が見たい三途の川は「ナイル川」になるわけだが)と急に思ってしまうほど、いつまでも見ていたい幻想的で美しい風景にみとれてしまう。 クフ王の葬儀に参列する場面は、歴史を見るというより、儀式の一部として立ち会っている感覚だった。 ピラミッドの内部の石室では声が反響するがその音響もめちゃくちゃリアル。 因みに石の棺は、本当のピラミッドで入ろうとしたら多分めちゃくちゃ怒られるけどVRだから入れちゃう。 話を戻して、空間そのものが生きているようで、「ここは日常じゃない」と身体が先に理解してしまう。 さらに、足元の石版が浮かび、それに乗って空を飛ぶ。 本来なら立てないはずのピラミッドの上に立てる。高所恐怖症の私には、VRだと分かっていてもあまりにリアルで、理屈では(ここは安全だから)とわかっているのに脳が危険と判断するほどリアルで、普通に足がすくんだ。 視界だけでなく、 高さ、距離、音、圧迫感まで含めて再現されていて、これは「見るVR」ではなく、体験するVRだと強く感じた。 よくVRMMOをテーマにしたアニメがあるけれど、まさにあの感覚に近い。 世界に入り、案内役や仲間がいて、安全に導かれながら進んでいく旅。 没入感は強いのに、操作で焦らされることはなく、酔いや恐怖だけを煽ることもない。 だからこそ、純粋に「仮想世界にいた」という感覚だけが残る。 ホライゾン・オブ・クフは、 VRの中でもかなり特別な体験だったと思う。 あれを基準にすると、 普通のVRゲームが別物に感じてしまうほど。 終わったあとも、 「面白かった」のと、「古代エジプトに時間旅行してきた」という感覚が残っている。