浅草をもっと好きになる、「江戸とんぼ玉」づくり

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世界にひとつのとんぼ玉を作りに行ってきました。


 月に一回は‟大人のお稽古事”と称して、はじめてのことに挑戦するように心掛けています。今月は、友人と一緒に浅草に行くことに。もちろん何度か行ったことはあるけれど、いつも何となく歩いているだけで実は知っているようであまり知らない場所。なので今回は、「ちゃんと、江戸の文化を感じよう!」をテーマにおでかけしてみることにしました。

 浅草で江戸を感じられそうな体験はいろいろありましたが、私たちは浅草駅から徒歩1分のところにある「江戸とんぼ玉みはる」で、とんぼ玉作りをしてみることに。決め手は、〝あそレポ″の評判でした。体験した人たちの話では、こちらは教え方が丁寧でわかりやすく観光で来た外国人が気軽に日本文化を体験できるスポットとしても人気らしいです。

 

 

  さて、当日。電車に乗って浅草駅に向かいます。
 

 
おいしいメロンパンのお店、
「浅草さくら」が併設されています。

 

 外国人観光客も増えて、駅周辺は大賑わい。レンタル着物を着て写真を撮る女の子たち、お土産が詰まった袋を片手に観光する外国人グループ、修学旅行で東京に来た学生たち。活気に満ちた駅前商店街を歩きます。

  「そろそろ着くころかな?」

 やっぱりはじめてのお店、はじめての体験は、普段は感じられないようなワクワクとドキドキを味わえます。心地よい緊張を感じながら、お目当ての「江戸とんぼ玉みはる」に到着しました。

 

とんぼ玉作り、スタート!

左から無地、マーブル、フリット、水玉、泡玉の5種類。
江戸時代に大流行したとんぼ玉は、
独特の表情をもつトンボの「複眼」を
連想させることから、その名がついたといわれています。


 1回の体験でつくるのは全部で3つですが、そのうち1つは、練習も兼ねて無地を選ぶという決まり。ほかの2つは自由に選べます。

 私は「泡玉」と「マーブル」を選びました。泡玉は、光に当たった泡がとてもきれいに見えたから。難しそうなマーブルに挑戦することに決めたのは、絶妙なラインをどうやって入れているのかを体感してみたかったからです。この選択が吉とでるか凶とでるか……。結果は後半をお楽しみに!
 

左:この棒状のガラスがとんぼ玉へ変身します。
右上:実物を見て選ぶとイメージが沸きます。
右下:マーブル用の、模様付けガラス。色が豊富!

 

  「柄が決まったら、次は色を決めます。こんなにたくさんの色の中から選べるところはあまりないと思いますよ」と、先生。

 好きな青はもちろん作りますが、3つすべて青ってのも……。たまには違う色にしてみようかな?でも何色にしたらいいだろう……と悩んでいると、 「誰かにプレゼントするという人も多いですよ」とさり気ないアドバイス。なるほど。双子の妹は赤が好きだから、1つは彼女用に作ろう!赤はマーブル模様にして、差し色に私のと同じ青を使えば双子っぽくていいかも!!

 我ながらいい選択!と、作る前からかなりの満足感。もちろん、先生の丁寧なアドバイスのおかげですが。

 材料が決まると、まず先生がお手本を見せてくれます。ガラス棒を右手に持ち、左手には巻き付けるための耐熱棒を。まずはバーナーでゆっくりガラス棒を溶かします。この時、すぐに火の吹き出し口付近にガラス棒を入れるのではなく、温度が低い上部分でゆっくり溶かすのがポイント。

 「とんぼ玉用のガラスは細くて割れやすいので、徐々に温める必要があります」

 

ガラスがオレンジになったら、柔らかくなった合図です。

 説明しながらも、テキパキと作業を進めていく先生。溶けたガラスをクルクルと、きれいなとんぼ玉に仕上げます。

 私にもできるかな?と不安になる気持ちよりも、早くやってみたい!というウズウズの方が、だんだん大きくなってきました。 
 
 

職人さんの気持ちになって。

ガラスが溶けていく様子は、とても神秘的。

 
いよいよ、私の番。真剣にガラスと向き合います。

 実際にやってみると、溶けたガラスの柔らかさは予想以上。「失敗しても大丈夫、形は後からでも整えられますから」と、先生はやさしく声をかけてくれますが、緊張感たっぷり!だんだん腕がプルプルしてきます。

 クルクルと棒を回して形を整えながら、模様を付けたり、溶け具合を確認したり。腕も使いますが、かなり頭も使います。大人になってから、これほど無心になって没頭することあったかな?と、集中する心地よさを思い出します。

 

難易度の高い泡玉もつくります。

 

 ガラスを溶かす方法がバーナーに変わったこと以外は、江戸時代からずっと変わらないとんぼ玉のつくり方。

 「江戸のとんぼ玉職人はこんな気分で作っていたのかな?」

 浅草という土地のおかげか、そんなことに思いを馳せます。

 気が付いたら、1時間経過。あっという間に3つともつくり終えていました。最後の泡玉を作るころには、アドバイスなしでできるように。最初から最後まで一人でやると、達成感が違います。

 

 とんぼ玉は冷ますのに時間がかかるので、受け取りは約1時間後。「作っている合間の色と、冷えた後のガラスは全く印象が変わるので、その違いを見るのも楽しいですよ」と、先生の言葉に今からワクワクします。

 

待ち時間を有効活用。

上:1階のお店ではとんぼ玉グッズを購入できます。
左下:プロが作った作品も。桜柄は外国人観光客に人気。
右下:着物に合わせたいかんざしもバリエーション豊か。

 

 工房に併設されたお土産ショップでは、職人さんがの作品がズラリと並びます。苦労してとんぼ玉を作った後に見る本物は、来た時に見たものよりも、より一層素敵に見えました。

 この細かい模様はどうやって作っているの⁉、次は私もこの柄でチャレンジしたい!、と驚きと発見の連続。今回のとんぼ玉作りを通して、見る目も養われたのかもしれません。

 

 さて、せっかくなのでそろそろ浅草観光にでかけます。

浅草寺でお参りを。

 江戸とんぼ玉みはるは浅草寺の近くにあるため、完成までの1時間を有効活用できます。ただただ待つのは好きじゃないけれど、浅草ならむしろ大歓迎です。

 

左上:おみくじで恋愛運をチェック!
右上:浅草寺までは、徒歩3分。
左下・右下:浅草寺も仲見世通りも人だかり。

 
 まずは、何はともあれ浅草寺へ。浅草のシンボル「雷門」を通り、仲見世通りへ。長さ約250mにわたって、参道の両側にいろいろなお店が並びます。

 本堂に着き、仏さまにご挨拶をした後は、やっぱりおみくじ。結果は「末吉」で、待ち人=遅くなって現れる、結婚=良いでしょう。うむむ、例の妹は結婚して幸せな家庭を築いているというのに、私は相変わらずの独り身。「遅くって、いつやねん!?」と、心の中でツッコミを入れながら、ちょっと遅めのランチタイムへ。こんな風に悪態をつくから、待ち人はなかなか来てくれないんだろうなあ……。

 

斜め向かいにある、お蕎麦屋さん「十和田」でランチを。

 

  ランチは「江戸とんぼ玉みはる」の目の前にあるお蕎麦屋さん「十和田(とわだ)」にて。先生イチオシのお蕎麦屋さんです。十和田湖周辺の山岳地方で契約栽培した蕎麦粉を使用した麺は、細くてツルツルしたのど越し。ミニ天丼もあっという間に平らげてしまいました。頭を使うと、おなかが減りますね。

  「このお蕎麦屋さんも江戸時代からあるのかな?」

 とんぼ玉づくりで江戸に振れた後の浅草は、もっと知りたいと思う‟興味の街”になっていました。

 

 そうこうしているうちに、1時間経過。完成したとんぼ玉に会いに行きます。

 

世界に一つだけのアクセが完成!

左からお守り、ピアス、ヘアゴム。


  「あ!色が全然違う!」

  友人が驚くように、完成品はまったく印象が変わっていました。

 作った直後は薄いオレンジ色で、「本当に赤になるのかな?」と不安だったマーブルも、とてもきれいな赤色に。差し色の青と白も良いバランスで、結果は「吉」と出たみたい。

 「初めてなのに、きれいに3つとも完成しましたね」と先生に褒められ、うれしくなりました。

 

 また、とんぼ玉作るだけでなく、それを使って色々なアクセサリーにアレンジできるのも、こちらの魅力です。かんざしや帯留めなど、江戸時代から男女問わず小物のアクセントとして楽しまれてきたとんぼ玉。せっかくなので私も、オプションとして3つのアイテムにしてもらいました。特にピアスは、絶妙な色合いのとんぼ玉がアクセントになって、かなりのお気に入り。一からすべて自分で作ったとんぼ玉で出来ていると思うと、愛着もひとしおです。

  「例えば今回つくったヘアゴムに飽きたら、今度は同じとんぼ玉を使ってネックレスを作る、というのもアリですね」

  先生の言葉より前に、次はどのアクセサリーに付け替えようかな? と早くも考えはじめていました。

 どうやら、とんぼ玉にハマってしまったようです。

 

 

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