沖縄県立博物館・美術館を徹底取材!那覇新都心の穴場スポットを紹介

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沖縄県立博物館・美術館は、那覇市おもろまちの「那覇新都心」にあります。何度も沖縄に訪れている沖縄リピーターや家族連れにもおすすめしたい、沖縄についてより深く知り、学べる施設です。ほとんどが屋内のため、せっかく沖縄に来たけど雨が降ってしまった、という時の行き先としてもぴったりです。

外観は、琉球石灰岩や海砂を使用して沖縄のグスク(城)とその外壁の石垣をイメージした造り。「博物館」では沖縄の歴史や文化についての資料を、「美術館」では沖縄にゆかりのある芸術作品を中心に展示し、同じ建物内でふたつの施設が楽しめます。

週末の土日は、地元の観客で混雑する日もありますが、平日は比較的ゆったりと見学できる穴場の観光地です。今回は、沖縄県立博物館・美術館の魅力を取材をもとにご紹介します。

沖縄の歴史や文化を伝える「博物館」

沖縄県立博物館の展示は、通年開催している「常設展」と、不定期で開催する「特別展」や「企画展」があります。さらに常設展は、「総合展示」と「部門展示」の2つに分かれています。

「常設展の総合展示」は、沖縄の自然・歴史・文化についての展示品や資料が見学でき、プロローグを含めた10部構成となっています。

約2万年前の港川人の時代から始まり、首里城が築かれた琉球王国時代、戦時中から激動の戦後、そして現在に至るまで、それぞれの時代ごとにブースをわけて、模型や出土品などを展示しながらわかりやすく紹介しています。

また、かつて首里城に掲げられていた「万国津梁の鐘」の現物が収蔵されているのはこの博物館だけ。首里城など他施設に展示されているものはレプリカなので、とても貴重です。

 「常設展の部門展示」では、総合展示のスペースを四方から取り囲むように小部屋が続き、沖縄の自然史、考古学、美術工芸、歴史、民俗について深く学べます。

「特別展」は年に2回、「企画展」は年に4回、不定期にて開催されています。

沖縄にゆかりの深いアートを展示する「美術館」

次に見学したのは、沖縄県立美術館です。こちらは「コレクションギャラリー」と「企画ギャラリー」の2カ所にわかれています。「コレクションギャラリー」では、沖縄の作家はもちろん、国内外の沖縄にゆかりのある作家の美術作品が観賞でき、作品保護の観点から年に3~4回の展示替えを行っています。

「企画ギャラリー」のテーマは、著名な展覧会から沖縄の文化に根ざした芸術展までと多岐に渡ります。過去には「ディズニー 夢と魔法の90年展―ミッキーマウスからピクサーまで―」や「篠山紀信展 写真力」、沖縄に関連した「琉球絵画 展」や「沖縄の美術シリーズ展」などが開催されました。

この日の「コレクションギャラリー」は、現在の首里儀保にかつてあった美術村で活動した画家たちをテーマにした「戦後70年特別企画 ニシムイ展―太陽のキャンバス―」でした。画家ごとに設けられた展示スペースは、画家の個性を反映させたアートで洗練されたディスプレイ。当時の美術村のイメージを作り上げていました。

そして「企画ギャラリー」で開催中だったのが、「大哺乳類展 ぼくらのなかまたち」。世界中の動物たちのはく製や骨格を間近で見学できます。今にも動き出しそうな動物たち。このエリアは自由に写真撮影が可能でした。

子どもと一緒に楽しもう!ふれあい体験教室

1階で「ふれあい体験教室」の入口を発見したので、スタッフさんに話を伺ってみました。
「小さな子どもたちが体験を通して沖縄の文化や歴史を学べる場所です。大人が遊んでも楽しいと思いますし、入場料は無料です」と笑顔で迎えてくれました。

そこで実際に何が体験できるのか気になり、中に入ってみました。

まず体験したのは、沖縄の法事などで見かける重箱料理の「ウサンミ」の具材をきれいに重箱に詰めていくというものです。真剣な眼差しの子どもたちに混ざりながら、周囲の目を気にしなければ大人でも体験できます。

リアルな形と艶やかな光沢がある具材はまるで本物そっくりで、とても美味しそうです。写真を撮ると本当に食べているみたいに見えます!

こちらは、木製パズルで城壁を作るコーナー。ひとつひとつ形が違う木のパーツを組み合わせて完成させます。これはパッと見、難易度が高いのでは!?と思っていると、スタッフさんが説明してくれました。

「こげ茶色の台に数字が書かれていて、各パーツにも番号が振ってあるんです。だから番号通りにパーツを置いていくだけで完成できるパズルなんですよ。」とのことです。

それならばきっと簡単にできる!実際に体験してみると、た、楽しい…。そして思わず夢中になってしまい、童心に返っている自分に気づきました。

こちらは、無料の琉装体験コーナー。スタッフさんが割と本気で着付けしてくれます。そしてカメラのシャッターまで切ってくれるいたれりつくせりのサービス精神。子ども用の衣装もあり、大人用は種類が豊富です。カメラさえ持参すれば、家族の琉装写真が無料で撮影できます。

館内唯一の食事場所!「museum cafe 茶花」

2階にあるミュージアムカフェ「museum cafe 茶花」は、施設内で唯一食事ができる場所。天井が高く開放感のある店内は、白を基調に籐のイステーブルが置かれ、南国のリゾート感が漂っています。

格子状の外壁の穴から壁一面の窓ガラスを通して明るい光が差し込み、気持ちのいい空間を作り出しています。無料でWi-fiが利用できるので、ビジネスの打合せにも適したカフェです。

メニュー表の中でひと際気になった名前、それは「美術館セット」です。どんな料理が出てくるのかと期待を膨らませてソワソワしていると、出てきたのはスパイシーグリーンカレー(辛口)。日替わりケーキとドリンクがついて1,300円です。

紅芋の紫やニンジンのオレンジなど鮮やかな色合いがうす緑のグリーンカレーに映え、美術館のアートを表現しているかのようです。

メニュー表をよく見ると、他に「博物館セット」なるメニューも!

「博物館セット」は、ハヤシライスに日替わりケーキとドリンク付で1,300円。「博物館」なので歴史や文化の渋さをハヤシライスの深い茶色で表現したのだろうかとの勝手に想像しながら、気になったので店長さんにメニューの名前の由来を伺ってみました。

「メニュー名と料理の関係性は、特にないんですよね。んーなんとなくでしょうか(笑)」とゆるいお答えでした。

メニュー名から勝手に想像したくなる、そんな茶花の看板メニュー「美術館セット」と「博物館セット」。静かで快適な空間なので、館内の見学がひと通り終わったあとにのんびり休憩するのにはぴったりです。

そして休憩といえば、屋外にはこんな場所があります。

屋外に展示された赤瓦の古民家でひと休み

博物館や美術館をひと通り巡ったら、ちょっと一息つきたい。そんな時は、屋外展示の赤瓦の古民家で休憩してはいかがでしょうか。縁側で靴を脱いだら、そのまま上がれます。畳間にはテーブルが置かれています。

屋根の上にはシーサーがいて、外をしっかりとにらみつけています。玄関がなく広い間口の建物は、沖縄の伝統的な古民家のつくり。展示品や障子に触れたりしなければ、のんびり自由に過ごせます。記念撮影もOKです。せっかくなので雑誌風に撮ってみても?

注意したい点としては、建物内は「飲食禁止」です。居心地がいいからといって、決して畳間のテーブルを利用して、お弁当を食べないようご注意ください。

「沖縄県立博物館・美術館」の周辺は、通称・那覇新都心と呼ばれる賑やかな地区。昼間はランチ、夜は居酒屋などの飲食店が立ち並び、隣接する沖縄のスーパーマーケット「サンエー那覇メインプレイス店」では、1階で沖縄土産を購入できます。

「沖縄県立博物館・美術館」は、沖縄を身近に感じられ、屋外の無料展示スペースや体験も楽しめる、季節や天候に左右されずに見学できる施設です。歴史や文化や芸術に馴染みのない人でも、一度は訪れてみる価値があります。次の沖縄旅行の際は、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

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