【完全ガイド】台北故宮博物院|「翠玉白菜」など必見の至宝と最新チェックリスト

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台北市内の北部、山沿いに宮殿のような壮麗な建築美を誇る国立故宮博物院(National Palace Museum)は、中国文明5000年の歴史を凝縮した宝庫であり、ルーヴル美術館やメトロポリタン美術館などと並び称される世界四大博物館の一つに数えられ、台湾旅行において決して外せない最重要観光スポットです。

目次

歴史的背景

1949年、中国共産党が政権を握った後、国民党政府は故宮の文化財を台湾へ移転させ、台湾での文化保存を目指しました。これにより、台湾の故宮博物館が誕生しました。現在、博物館には約70万点以上のコレクションがあり、青銅器、陶磁器、書画、玉器など、幅広いジャンルの作品が展示されており、展示品は定期的に入れ替えられますが、特に人気の高い「必見の至宝」は常設に近い形で展示されています。

 

必見の「定番の至宝」ベスト2

故宮博物院を訪れる大半の人が目指すのが、その精巧な技術と背景の物語が人々を惹きつけてやまない、以下の2作品です。これらは通常、3階に集中して展示されています。

1.清朝の名作「翠玉白菜」

「翠玉白菜(すいぎょくはくさい)」は、故宮博物館のシンボル的存在であり、その名は知らない人はいないほどです。翡翠(ヒスイ)の持つ天然のひび割れや斑点さえも、白菜の新鮮でみずみずしい芯に見立てるという卓越した技巧が光ります。

この白菜の彫刻は、単に美しい翡翠の彫刻というだけではありません。清の第11代皇帝・光緒帝の側妃である瑾妃(きんひ)の「婚礼の道具(嫁入り道具)」として紫禁城に持ち込まれたと伝えられています。

・白菜(清白)の象徴:白菜(はくさい)の発音が「清白(純潔)」と同じであることから、嫁ぐ妃自身の純潔さを表し、后妃としての清らかな門出を象徴していました。
・子孫繁栄の願い:白菜の葉先にひっそりと彫り込まれたキリギリスとイナゴは、多産系の虫として「子孫繁栄」を意味する吉祥の象徴です。

 

2.豚の角煮を思い出す「肉形石」

天然石が持つ三層の色合いを、肉の皮、脂身、赤身に見立てて彩色と加工を施すことで、驚くほど「東坡煮(豚の角煮)」のリアルさを実現しています。特に皮の部分には、毛穴までもが確認できるほどの緻密な造形が施されており、玉信仰の強い中国文化において珍しい天然石の収蔵物として貴重です。

 

隠れた名作

台北故宮博物館は、世界中の観光客や学者にとって、必見の文化財の宝庫です。その魅力は、多岐にわたるコレクションの中に息づく中国の歴史と文化にあります。ここでは特に注目すべきいくつかの芸術作品や展示を紹介します。

  • 鏤雕象牙雲龍文套球:
    清晩期の作品で、驚異的な技術の結晶です。一本の象牙から彫り上げられており、継ぎ目がないにもかかわらず、23に分かれ、それぞれが独立して回転する仕組みを持っています。この精緻な彫刻は息をのむほどの迫力で、その制作方法は今では謎とされており、実際に彫ることのできる技術者はいないとされています。

  • 毛公鼎:
    西周晩期の銅器で、国権を象徴する礼器として重要です。特に内側に刻まれた500文字の銘文は、古代史を知る上で極めて貴重な一次文献となっています。

  • 明永樂青花穿蓮龍紋天球瓶:
    明の永楽帝の時代に景徳鎮の官窯で焼かれた磁器で、「青花」と呼ばれる染付が特徴です。おおらかで美しい立ち姿と、蓮と龍の文様が描かれた優美な作品で、長らく製法が謎とされていました。

  • 雞橄欖核舟:
    オリーブの種を彫って作られた船の模型で、牙匠・陳祖章による作品です。精巧な造りは肉眼では確認しきれないほどで、備え付けのルーペで見る必要があります。

  • 太平有象磁尊
    清の18世紀頃の作品で、天下泰平の願いを込めた吉祥の象徴です。四肢で直立し、顔を後ろに振り向かせた象の背には、長寿や招福を象徴する吉祥文様が描かれた鞍と、その上に宝瓶が載せられています。この宝瓶の組み合わせは「太平有象」(天下泰平)を意味しています。細部まで緻密に描き込まれた文様と優美な色彩は、卓越した技術を示す格調高い美術品です。

  • 白磁嬰児枕
    北宋時代につくられた陶磁器製の枕で、「子孫繁栄の願い」を込めた吉祥の作品です。幼い男の子がうつ伏せに横たわり、その背中を枕面とした愛らしいデザインが特徴です。象牙色を帯びたきめ細かな白磁の釉薬と、卓越した成形技術により、子どもの生き生きとした表情と富貴な雰囲気が表現されています。この形式の嬰児枕は非常に稀少であり、定窯の技術と当時の文化を伝える貴重な国宝級の逸品です。

  • 書道作品
    書道は中国文化の重要な一部であり、台北故宮博物館には多くの有名な書道作品が展示されています。王羲之や楊凝式などの名家による作品は、その技術と表現力の高さから、書道ファンにとって必見です。

 

見学テクニック

  • 推奨ルート:
    効率的な見学のためには、人気の至宝が集まる3階からスタートし、2階の陶磁器常設展、最後に1階の玩具類や仏教関連の展示物を鑑賞するのがおすすめです。
  • 所要時間:
    主要な作品だけを見るなら60分あればOKです。
    じっくり鑑賞したり、複数の展示室を回りたい場合は2〜3時間を確保しましょう。
  • 日本語ガイド:
    1階のカウンターで日本語の音声ガイドをレンタルできます(有料:NT$150、デポジットNT$3,000または身分証明書が必要)。
  • 手荷物:
    大きな荷物や飲食物は、チケット売り場隣の手荷物預り所、または無料ロッカー(コイン返却式で10元が必要)を利用しましょう。
  • 撮影:
    館内での写真撮影は原則可能となりましたが、一部撮影禁止の作品もあります。
    また、自撮り棒や三脚の使用、フラッシュ撮影は厳しく禁止されています。
  • 再入場:
    本館を一度出る場合は、出入口で手の甲にスタンプを押してもらえば、同日中に再入場できます。

 

無料入場できる日がある⁉︎

国立故宮博物院(北部院区および南部院区)では、毎年決まった日に無料入場が実施されます。

・元旦(1月1日)
・元宵節(旧暦1月15日)
・国際博物館の日(5月18日)
・世界観光の日(9月27日)
・国慶節(10月10日)

これらの記念日に台湾を訪れる方は、ぜひ故宮博物院を無料で堪能しましょう。
最新情報は公式HPにてご確認ください。

 

周辺情報

士林夜市

士林夜市は台北の有名な夜市の一つで、地元のグルメやショッピングを楽しむことができます。博物館を訪れた後、夜市で台湾のストリートフードを堪能するのも良いでしょう。

陽明山国立公園

陽明山国立公園は、自然豊かな環境でハイキングや温泉を楽しむことができるスポットです。故宮博物館の訪問後に、自然の中でリフレッシュすることができます。

チケット予約はこちら

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