浜松の美術館は、「有名作品を見に行く場所」というより、作家や表現と静かに向き合うための場所です。街の喧騒から少し離れたところに、時代やジャンルの異なる表現が点在し、それぞれが異なるリズムで鑑賞体験を用意しています。
本記事では、地域に根ざした企画展を行う 浜松市美術館、日本画家の歩みを丁寧に伝える 浜松市秋野不矩美術館、そして私設ならではの視点が光る 平野美術館 を取り上げ、浜松で味わえるアートの幅を紹介します。
目次
浜松市美術館

浜松市美術館は、静岡県浜松市にある市立美術館で、1971年に浜松城内の一角を整備して開館しました。二階建てのこじんまりとした施設ながら、内容の充実したコレクションで知られ、特にガラス絵のコレクションが豊富なことで高い評価を受けています。繊細な線描と透明感のある色彩が生み出すガラス絵の世界は、訪れる人の目を引きつけ、光の表現の美しさを見事に表現。館内では、會宮一念、北川民次、秋野不矩といった浜松ゆかりの作家の作品をはじめ、国内外の多様な美術作品を展示しています。さらに、中国や朝鮮の陶磁器、金銅仏や石仏なども収蔵されており、美術だけでなく歴史や文化の広がりも感じられる構成です。浜松城公園に隣接しているため、美術館鑑賞の後に城や庭園を散策するのもおすすめ。浜松城観光の一環として、アートと歴史、自然をあわせて楽しめるスポットとして親しまれています。
| 住所 | 静岡県浜松市中区松城町100-1 |
|---|---|
| 営業時間 | 2026年12月〜3月は、外装改修工事のため休館。 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
| 料金 | 展覧会ごとに異なる。 |
| みどころ | 国内有数のガラス絵コレクション/郷土ゆかりの作家作品/浜松城公園に隣接 |
| アクセス | JR浜松駅北口(遠鉄バス)バスターミナル1番乗り場、乗車約8分「美術館」下車 浜松IC、浜松西ICから車で約30分 三方原スマートICから車で約15分 |
| 駐車場有無 | 有料駐車場あり(浜松城公園駐車場) |
| 公式サイト | 浜松市美術館公式サイト |
浜松市秋野不矩美術館
浜松市秋野不矩美術館は、自然豊かな天竜の地に佇む、建築そのものがアート作品のような美術館です。日本画家・秋野不矩の故郷である天竜二俣を望む丘の上に位置し、周囲の里山風景と調和した静かな環境の中で、芸術と向き合うことができます。建物は、日本を代表する建築家・藤森照信氏の設計によるもので、秋野不矩の作品との調和をコンセプトに、土壁や漆喰、木材、天竜杉、藤ござ、大理石といった自然素材をふんだんに使用。自然光がやさしく差し込む館内は、季節の移ろいとともに表情を変え、窓から望む景色も含めて一つの作品のように感じられる空間です。1階展示室では履物を脱いで鑑賞するという珍しいスタイルを採用しており、より身近に作品を味わうことができます。館内には、秋野不矩による日本画作品を中心に約330点を所蔵し、常設展に加えて企画展も随時開催。また、一部の展示室は市民ギャラリーとして一般に貸し出され、地域に開かれた美術館としての役割も。静かで落ち着いた環境の中で、建築・自然・日本画が響き合う特別な時間を過ごし、心身をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
| 住所 | 静岡県浜松市天竜区二俣町二俣130 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
| 料金 | 一般(大学生・専門学生を含む)310円、高校生150円、中学生以下無料(特別展は別料金) |
| みどころ | 建築家・藤森照信氏設計のユニークな建築/日本画家・秋野不矩の力強い作品群/自然との一体感が織りなす独特の鑑賞体験 |
| アクセス | JR東海「掛川駅」または「新所原駅」乗り換え ▶ 天竜浜名湖鉄道「天竜二俣駅」下車 ▶ 徒歩15分 JR東海「浜松駅」乗り換え ▶ 遠州鉄道「西鹿島駅」下車 ▶ 遠鉄バス「二俣・山東行」で「秋野不矩美術館入口」(7分)下車 ▶徒歩10分 または遠州鉄道「西鹿島駅」よりタクシー7分 新東名「浜松浜北IC」から約10分 新東名「浜松SAスマートIC」から約20分 東名「袋井IC」から約30分 東名「浜松IC」から約35分 |
| 駐車場有無 | 無料駐車場あり |
| 公式サイト | 浜松市秋野不矩美術館公式サイト |
平野美術館 【資料整理のため2026年4月3日まで休館】
平野美術館は、浜松の地に根ざした芸術文化を大切に育み、発信している美術館です。静岡県浜松市出身の実業家・平野素芸と憲の親子が収集した作品を収蔵しており、そのコレクションは中世の仏画から近代日本画、洋画、現代アートまで幅広く、多彩な内容を誇ります。歌川広重や横山大観、梅村龍三郎、草間彌生、アンディ・ウォーホールなど、時代やジャンルを超えた作家の作品に出会えるのも大きな魅力です。小規模ながら温かみのある館内では、展覧会ごとに全作品を入れ替えるスタイルを採用しており、常設展示は行っていません。そのため、訪れるたびに新鮮な視点で作品と向き合うことができます。企画展では、浜松の歴史や文化をテーマにした展示や、地元ゆかりの作家、若手アーティストを紹介する展覧会も開催され、地域に密着した独自の視点から芸術の魅力を紹介。JR浜松駅からもほど近く、アクセスの良さも嬉しいポイント。地元の人々はもちろん、観光で訪れた方にとっても、浜松の芸術文化の息吹を感じられる、親しみやすく奥深い美術館です。
| 住所 | 静岡県浜松市中央区元浜町166番地 |
|---|---|
| 営業時間 | 2025年12月22日(月)~2026年4月3日(金)の間は休館 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
| 料金 | 一般500円、中高生300円、小学生200円 |
| みどころ | 浜松ゆかりの作家作品/郷土の歴史や文化をテーマにした企画展/地域に根ざしたコレクション |
| アクセス | JR東海道線・浜松駅よりJR浜松駅北口を出て、遠州鉄道バス乗り場(12番乗り場)から 《内野台行》乗車、《元浜町》下車すぐ(乗車時間約8分) 東名浜松IC、または浜松西ICから車で約30分 |
| 駐車場有無 | 駐車場なし(近隣の有料駐車場を利用) |
| 公式サイト | 平野美術館公式サイト |
まとめ
浜松の美術館は、派手さよりも作品と向き合う時間を大切にした空間が多く、鑑賞そのものをじっくり味わえるのが特徴です。地域の歴史や風土を映し出す展示、ひとりの作家の歩みを深く掘り下げたコレクション、私設ならではの温度感ある展示構成など、訪れる場所によって体験の質も変わります。
街歩きや観光の流れの中に、美術館で過ごす静かな時間を組み込むことで、浜松の旅はより立体的なものになるはずです。気負わず立ち寄り、自分のペースでアートを味わってみてはいかがでしょうか。
※掲載情報は変更となる場合があります。お出かけの際は、公式サイトなどで最新情報をご確認ください。
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