六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで開催中の「CREVIA マチュピチュ展」は、世界遺産マチュピチュと古代アンデス文明を“没入型の知的冒険旅”として体感できる展覧会です。

今回展示されている文化財は、すべてペルー政府公認の本物!ペルーにある有名な考古学博物館「ラルコ博物館」から借り受けた約130点の貴重な文化財です。こうした展覧会ではレプリカが混ざることも少なくありませんが、ここでは歴史を刻んできた本物の遺物が、手の届きそうな距離に並んでいます。

さらに、マチュピチュ展は全エリア撮影OK。マチュピチュ展を見終わった後でも、写真を見ながら展覧会の思い出を振り返れます。
この記事では、そんなマチュピチュ展で古代アンデスの物語をたどる約2時間の体験をレポートします!
目次
【動物と共創する文化】古代アンデスを彩る生命の輝き
© ペルー・リマ ラルコ博物館
会場に入ってまず目を奪われるのが、古代アンデスの人々が動物たちに寄せた深い敬意と愛着です。古代アンデスの人々にとって、動物は単なる生き物ではなく、共に生き、神へと通じる特別な存在でした。
© ペルー・リマ ラルコ博物館
© ペルー・リマ ラルコ博物館
自然へのリスペクトを形にした品々が、数千年の時を超えて私たちの感性を揺さぶっている、そんな神秘的な気持ちになります。
動物たちのたたずまいはどこか愛らしく、お気に入りの土器を見つけて共有し合うのも楽しい時間でした。
英雄神アイ・アパエックの旅を追体験する
© ペルー・リマ ラルコ博物館
次に待っていた展示はモチェ文化の英雄神「アイ・アパエック」に関する様々な土器。アパエックが3つの世界で旅をしながら戦い、様々な姿になる物語を追体験できます。
© ペルー・リマ ラルコ博物館
最初に出会った迫力のある表情の土器は、モチェ文化の神話的英雄であるアイ・アパエックの顔を表した仮面です。アパエックは、沈んでしまった太陽を取り戻し、エネルギーと暖かさを回復する旅に出ます。

歴史に詳しくなくてもアパエックの冒険をわかりやすく理解できるのは、会場のいたるところにある壁画のおかげ。絵本のようなポップなイラストとともに物語を楽しめ、大人も子どもも親しみが湧く展示形式になっています。

アパエックが海の入り口でカニと戦う場面を表した展示には、海のきらめきのような光がふりそそぎ、冒険心をくすぐります。

旅が進むにつれて彼の姿は変化し、カニの力を手に入れてカニの姿に変身したと思ったら、ある時はトウモロコシの姿に、そして戦いの果てにシワだらけになり、死を迎え、骸骨のような姿になる場面も登場します。

ガラスケースの前で「次はどんな姿で現れると思う?」と予想し合いながら、ダンジョンを進んでいるような感覚になりました。
視界を埋め尽くす黄金のレガリア。職人魂に震える

展覧会のクライマックス、展示の後半で待っていたのは、息を呑むような黄金の世界です。死後の世界で神となるべき者に与えられた、首飾りや頭飾りなどのレガリア(装具)の数々。

装飾に近づいて見てみると、どれも驚くほど精巧な細工が施されているのが分かります。小さなターコイズをつなぎ合わせた首飾りは、どれほどの時間と畏敬の念が注ぎこまれていたのでしょうか。
© ペルー・リマ ラルコ博物館
© ペルー・リマ ラルコ博物館
特に頭飾りは、神々のいる空に最も近い身体の部位を飾る、特別な装具。その大きさや輝きは君主がもつ威厳の象徴だったと言われています。
信仰や儀礼を重んじる古代ペルー人の精神性を、作品を通して感じられた瞬間でした。
© ペルー・リマ ラルコ博物館
また、信仰の中には犠牲も生じていたということも大切な事実です。古代ペルーでは、負けた戦士たちは神々の怒りと予測不能な自然の力を鎮めるための生贄となりました。
そんな厳しい儀礼の様子が刻まれた土器も展示されています。これらは文字をもたない当時の文化を伝える貴重な資料でもあります。ぜひ細部まで観察して、当時の様子を想像してみてください。
目の前にマチュピチュが!文明を感じられる大型シアター

展示の最初と最後に見られるのが、マチュピチュの世界観に浸れる没入型の空間です。最初の映像では、モチェ文明からチムー文明、インカ文明までの古代ペルーの信仰や、実際にこの場で見ることができる宝物について予習ができます。

展示を見た後に見る空撮動画は、まるで自分がマチュピチュに降り立ったかのような映像と音響に包まれ、思わず足が止まります。石積みのディテールや地形の起伏がよくわかり、「いつか行ってみたい」という気持ちにさせてくれました。
マチュピチュ展の余韻に浸れるショップにも注目

マチュピチュ展の最後を飾るショップでは、展示で実際に見た黄金の頭飾りをモチーフとしたクッキー缶やペルーの民芸品などが並び、自分への「旅のお土産」探しにぴったりです。
取材後記:なぜ「二人」で行くべきなのか

会場を出たあと、私たちは併設のショップでグッズを買い込み、近くのカフェに入りました。
「一人で来てたら、たぶん『すごいな』で終わってた」、「二人で喋りながら見たから、アイ・アパエックが身近に思えてきたよね」と感動を共有しながら過ごしました。
この展示は、展示点数も情報量も多く、神話から王墓、マチュピチュの世界観まで一気に駆け抜けます。だからこそ、感動や疑問をその場で言語化して共有できる相手がいることで、体験の解像度が何倍にも上がると感じました。
今度の週末は、大切な友人を誘って、天空都市と古代アンデス世界に浸る冒険に出かけてみませんか。
2/2から2/20までの期間限定キャンペーン!
通常15:00以降に利用できるペア・グループチケットで平日は終日入場可能になります。
コラボランチや夜景を楽しみながら余韻に浸るのもおすすめ!
マチュピチュ展が開催されているのは六本木ヒルズ森タワー52階。エレベーターを降りると、そこには地上250mから見渡す東京の絶景が広がります。
同じ階には、レストラン「THE SUN & THE MOON」があり、ペルー料理をベースにしたコラボランチを楽しめます。

夜に向かう場合は、展望台からのパノラマ夜景を楽しむのもおすすめです。展示の感想をシェアしながら古代アンデスに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
1月24日(土)からはマチュピチュVR体験も!

マチュピチュ展と同じフロアにある東京シティビューには、古代インカ帝国の「謎の天空都市マチュピチュ」を最新のVR技術で疑似体験できるアトラクションが登場。映像に合わせて座席が稼働する没入感が特徴で、マチュピチュでの人々の暮らしや壮大な遺跡の探求、天空都市を巡る体験を、上空から眺めるような感覚が楽しめます。
【基本情報】
展覧会名:CREVIA マチュピチュ展
開催期間:2025年11月22日(土)~2026念3月1日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー(東京・六本木ヒルズ森タワー 52階)
アクセス:
東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口より徒歩3分/都営地下鉄大江戸線「六本木駅」3出口より徒歩6分
開館時間:
日曜日~木曜日:10:00~19:00(最終入館 18:00)/金曜日・土曜日・祝前日:10:00~20:00(最終入館 19:00)
展示内容:ペルー政府公認。ラルコ博物館をはじめとするペルーの主要博物館から借り受けた、古代アンデス文明の貴重な文化財約130点を展示。
推奨所要時間:およそ120分(2時間)
チケット:
完全日時指定制のため、公式サイト、チケット販売サイト、窓口で事前予約が必要です。混雑回避のコツ:
ゆっくり見たいなら金曜日の夜や土日の朝一番の枠が狙い目です。服装:会場内は作品保護のため空調がしっかり効いています。長時間の鑑賞でも快適に過ごせるよう、羽織るものを一枚持って調整できるようにすると安心です。
チケット料金
【前売券】
平日:大人(18歳以上)¥2,700/中高生 ¥1,800/小学生 ¥1,200
土日祝:大人(18歳以上)¥2,800/中高生 ¥1,900/小学生 ¥1,300【当日券】
平日:大人(18歳以上)¥2,800/中高生 ¥1,900/小学生 ¥1,300
土日祝:大人(18歳以上)¥2,900/中高生 ¥2,000/小学生 ¥1,400
<文=中野あさ 写真=中里慎一郎 モデル=尾台彩香、川口桃乃>
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