和歌山を旅すると、海・山・信仰といった土地の個性が、さまざまな形で今も息づいていることに気づきます。その背景をより深く知る手がかりになるのが、県内に点在する博物館・文化施設です。自然史や海の文化、地域産業の歩み、文学や歴史、そして世界遺産にまつわる信仰の世界まで、テーマは実に幅広くそろっています。観光名所を巡るだけでは見えてこない「和歌山の成り立ち」や「人々の暮らし」を知れるのも、こうした施設ならではの魅力。本記事では、定番スポットから少し意外性のある穴場まで、和歌山の博物館・文化施設をまとめてご紹介します。
目次
太地町立くじらの博物館

和歌山県東牟婁郡太地町にある「太地町立くじらの博物館」は、クジラとイルカの生態や人間との関わりを楽しく学べる体験型ミュージアムです。館内は多層構成で、鯨類の骨格標本や生態を紹介する展示、捕鯨文化の歴史を伝える資料、熊野灘の海の生き物を観察できる水族展示まで幅広く楽しめます。臨場感あふれるパフォーマンスや餌やり体験など、動物とのふれあいイベントも人気で、海と生き物への興味を深める一日観光スポットです。
| 住所 | 和歌山県東牟婁郡太地町太地2934-2 |
|---|---|
| 営業時間 | 8:30~17:00 |
| 定休日 | 年中無休 |
| 料金 | 大人(高校生以上)1,800円、小中学生900円、幼児無料(同伴の場合) |
| みどころ | 鯨類の全身骨格標本や生態展示をはじめ、捕鯨の歴史や道具を紹介する文化展示、熊野灘に生息する魚類を観察できる水族展示「マリナリウム」などが見どころです。 |
| アクセス | 「くじら館前バス停」下車すぐ |
| 駐車場 | 無料駐車場あり |
| 公式サイト | 太地町立くじらの博物館公式サイト |
和歌山市立こども科学館
「和歌山市立こども科学館」は、和歌山市中心部にあるこども向けの体験型科学館で、楽しみながら科学の原理を学べるスポットです。物理や自然現象をテーマにした展示に加え、季節ごとの実験イベントや工作教室も開催されるほか、プラネタリウム(別料金)も設置され、宇宙や星空の学びも体験できます。子どもたちの「なんで?」という好奇心を引き出す展示・体験が充実しており、親子のおでかけや自由研究にもぴったりです。※2月末まで臨時休館中です。
| 住所 | 和歌山県和歌山市寄合町19 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:30〜16:30 |
| 定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日〜1月3日 |
| 料金 | 大人(高校生以上)300円、小中学生150円、幼児無料 |
| みどころ | 「みよう・ためそう・みんなの夢」をテーマに、身近な科学の仕組みを体験展示で直感的に学べます。触れて動かせる展示のほか、定期的な実験教室や工作イベントもあり、五感で科学への関心を広げられる構成です。 |
| アクセス | 南海電鉄「和歌山市駅」から徒歩約5分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり |
| 公式サイト | 和歌山市立こども科学館公式サイト |
和歌山県立自然博物館

和歌山県海南市にある「和歌山県立自然博物館」は、和歌山の豊かな自然を丸ごと学べる大型博物館です。海・川・山に広がる多彩な生きものを、標本や水族展示を通して直感的に学べる構成になっており、親子での見学や自然好きの旅の目的地として人気です。第1展示室では黒潮流域の魚たちが泳ぐ大水槽を中心に水辺の生きものを観察でき、第2展示室では動物・植物・昆虫・貝・化石・鉱物など多岐にわたる標本を通じて和歌山の自然史を紹介しています。
| 住所 | 和歌山県海南市船尾370-1 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:30〜17:00(最終入館16:30) |
| 定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日〜1月3日 |
| 料金 | 大人480円、高校生以下無料 |
| みどころ | 第1展示室の水族展示は「黒潮の海」を再現した大水槽や約450種の水辺の生きものが見どころで、まるで海中を歩くような臨場感があります。 |
| アクセス | 「琴の浦バス停」下車すぐ、阪和自動車道「海南IC」から車で約10分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり |
| 公式サイト | 和歌山県立自然博物館公式サイト |
有田市みかん資料館
和歌山県有田市にある「有田市みかん資料館」は、有田みかんの歴史と文化を体系的に紹介する資料館です。400年以上の歴史を誇る有田みかん産業の発展プロセスや栽培技術の変遷、出荷・流通の歴史などを、立体模型・パネル・映像などでわかりやすく展示しています。みかん産地としての有田ならではの文化や人々の暮らしに触れられるスポットで、農業や食文化に興味がある人にもおすすめです。
| 住所 | 和歌山県有田市箕島27 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:30〜17:00(最終入館16:30) |
| 定休日 | 水曜日、年末年始、ほか臨時休館あり |
| 料金 | 無料 |
| みどころ | 有田みかんの栽培・収穫・出荷までの歴史を、立体模型・映像・パネル展示で紹介。江戸時代の出荷の様子や世界の柑橘類比較、日本一の産地となった背景など、地域の食文化を多角的に学べる内容です。 |
| アクセス | JR紀勢本線「箕島駅」から徒歩約5分、阪和自動車道「海南IC」から車で約25分、「有田IC」から車で約20分 |
| 駐車場 | 有料駐車場あり |
| 公式サイト | 有田市みかん資料館公式サイト |
フュージョンミュージアム
「フュージョンミュージアム」は、和歌山市の中心部・フォルテワジマ3階にあるニットとスポーツをテーマにした体験型ミュージアムです。世界最初のニット編機から最新の高速横編機まで、島精機製作所の技術と歴史を展示し、機械の仕組みやものづくりの楽しさを直感的に学べる構成になっています。展示を見て回るだけでなく、自転車のペダルをこいで動かす体験コーナーで、自分だけの手袋やマフラー、コースター、クッションカバーを編むことができる体験が人気です。初心者でも楽しめる工作感覚の体験がSNSでも話題になっています。
| 住所 | 和歌山県和歌山市本町2-1 フォルテワジマ3階 |
|---|---|
| 営業時間 | 10:00~19:00 (最終入館18:30) |
| 定休日 | 1月1日~1月3日 |
| 料金 | 無料 |
| みどころ | 世界最初のニット編機や高速横編機など歴史的な編み機の展示を見られるほか、自転車の動力で編む体験コーナーで手袋やマフラー、クッションカバーを自分の手で作ることができます。 |
| アクセス | 「本町2丁目バス停」下車すぐ、阪和自動車道「和歌山IC」から車で約15分 |
| 駐車場 | 有料駐車場あり |
| 公式サイト | フュージョンミュージアム公式サイト |
和歌山市立博物館
和歌山市中心部にある「和歌山市立博物館」は、郷土和歌山の歴史と文化を体系的に学べる歴史系博物館です。1985年、和歌山城築城400年を記念して開館し、古代から近現代までの資料や考古・民俗資料を通じて、この地域の歩みを感じられる展示が充実。常設展示では「資料が語る和歌山の歴史」をテーマに、出土品や文書、生活用具などが時代ごとに紹介されており、特別展・企画展も定期的に開催されています。
| 住所 | 和歌山県和歌山市湊本町3-2 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00〜17:00(最終入館16:30) |
| 定休日 | 月曜(祝日の場合開館)、祝日の翌日、12月29日~1月3日 |
| 料金 | 一般100円、高校生以下無料 |
| みどころ | 「資料が語る和歌山の歴史」をテーマに、和歌山城下町の成立から近代までの歴史を多角的に紹介しています。 |
| アクセス | 南海電鉄和歌山市駅から徒歩5分 阪和自動車道和歌山ICから約20分 |
| 駐車場 | 有料駐車場あり |
| 公式サイト | 和歌山市立博物館公式サイト |
和歌山県立博物館
和歌山県和歌山市にある「和歌山県立博物館」は、原始・古代から近現代までの和歌山の歴史や文化を体系的に学べる総合歴史博物館です。常設展示では「きのくにの歩み‑人々の生活と文化‑」をテーマに、原始時代から現代までの暮らしや信仰、社会の変容を模型・資料・映像を使ってわかりやすく紹介しています。熊野信仰や地域の宗教文化を深掘りしたテーマ展示コーナーにも注目で、歴史好きはもちろん初めての人にも親しみやすい内容。1994年に和歌山城近くの現在地に移転し、隣接する和歌山県立近代美術館との周遊も楽しめる文化ゾーンの中心的施設です。※2026年7月まで臨時休館中です。
| 住所 | 和歌山県和歌山市吹上1-4-14 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:30〜17:00(最終入館16:30) |
| 定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、ほか臨時休館あり |
| 料金 | 一般310円、大学生190円 |
| みどころ | 「きのくにの歩み‑人々の生活と文化‑」を7つのテーマに分け、土器・古文書・民具など実物資料を通して和歌山の3万年の歴史を紹介。熊野信仰や地域ごとの文化風習を掘り下げた展示も魅力的です。 |
| アクセス | 「県庁前バス停」から徒歩2分、阪和自動車道「和歌山IC」から車で約20分 |
| 駐車場 | 駐車場あり |
| 公式サイト | 和歌山県立博物館公式サイト |
高野山霊宝館
和歌山県伊都郡高野町の高野山にある文化財博物館で、真言宗総本山・金剛峯寺など高野山の寺院が所蔵する有形文化財を保護・展示する施設です。大正10年に開館し、歴史的価値の高い仏教美術を中心に、国宝・重要文化財を含む膨大な収蔵品を公開。落ち着いた空間で日本仏教の美術と信仰の深さに触れられる、歴史好き・文化芸術好きにおすすめのスポットです。
| 住所 | 和歌山県伊都郡高野町高野山306 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00~17:00(最終入館16:30) |
| 定休日 | 臨時休館あり |
| 料金 | 一般1,300円、高大学生800円、小中学生600円 |
| みどころ | 高野山内の寺院が伝えてきた仏像、曼荼羅(まんだら)や経巻、絵画、工芸品などの貴重な文化財を体系的に展示。国宝や重要文化財の名品が随時入れ替わる常設・企画展示で、日本仏教美術の奥深さを感じられます。 |
| アクセス | 「千手院橋バス停」から徒歩10分 |
| 駐車場 | 駐車場あり |
| 公式サイト | 高野山霊宝館公式サイト |
わかやま歴史館 歴史展示室
和歌山市の和歌山城公園内にある「わかやま歴史館」は、城と地域の成り立ちをわかりやすく紹介する歴史展示施設です。2015年に開館し、城下町として発展してきた和歌山の歩みや紀州徳川家の歴史、和歌山市にゆかりのある人物・文化を展示で学べます。1階は観光案内や土産センター、2階が歴史展示室となっており、展示室では時代ごとの資料や絵図、古文書、VR映像シアターなど、多彩な展示で和歌山の歴史を体感できるのがポイント。歴史好きはもちろん、和歌山城観光と合わせて立ち寄りやすいスポットです。
| 住所 | 和歌山県和歌山市一番丁3 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00〜17:30(最終入館17:00) |
| 定休日 | 12月29日〜12月31日 |
| 料金 | 高校生以上100円、中学生以下無料 |
| みどころ | 城と城下町の発展を示す資料展示や、紀州徳川家にまつわる歴史資料を通じて地域の歩みを学べます。 |
| アクセス | 「市役所前バス停」から徒歩約3分 |
| 駐車場 | 駐車場なし |
| 公式サイト | わかやま歴史館 歴史展示室公式サイト |
和歌山県世界遺産センター
和歌山県田辺市本宮町にある「和歌山県世界遺産センター」は、ユネスコ世界遺産に登録されている「紀伊山地の霊場と参詣道」の価値や魅力を学び、理解を深めるための展示・交流施設です。熊野本宮大社のすぐそばに位置し、地域の歴史・信仰・自然が育んできた世界遺産の全体像を、映像や資料、スケール感ある展示でわかりやすく紹介しています。展示空間では、紀伊山地の豊かな自然や霊場の文化的景観に触れることができ、「Kii Spirit」と名付けられた交流スペースでは大型画面などで情報発信も行われているので要チェックです。
| 住所 | 和歌山県田辺市本宮町本宮100-1 世界遺産熊野本宮館内 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00〜17:00 |
| 定休日 | 年中無休 |
| 料金 | 無料 |
| みどころ | 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の成り立ちを、映像・パネル・大型模型で立体的に学べる展示が中心です。 |
| アクセス | 阪和自動車道「南紀田辺IC」から車で約90分 |
| 駐車場 | 駐車場あり |
| 公式サイト | 和歌山県世界遺産センター公式サイト |
御坊寺内町(じないまち)会館
御坊寺内町会館は、御坊の歴史や文化、御坊祭に関する資料を展示している施設です。特に、1964年の東京五輪誘致に尽力した名誉市民第1号和田勇氏の資料も展示されており、地域の魅力を多角的に紹介。御坊の文化や歴史を深く理解することができ、地域の人々の思いを感じることができるでしょう。展示は分かりやすく構成されており、誰でも楽しめる内容となっています。
| 住所 | 和歌山県御坊市御坊206 |
|---|---|
| 営業時間 | 11:00〜16:00 |
| 定休日 | 月・水・木曜日 |
| 料金 | 無料 |
| みどころ | 御坊の歴史や文化に関する資料が豊富で、特に御坊祭に関する展示が見どころです。 |
| アクセス | JR紀勢本線「御坊駅」から徒歩約10分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり |
| 公式サイト | 御坊寺内町会館公式サイト |
和歌山市立有吉佐和子記念館
「和歌山市立有吉佐和子記念館」は、和歌山市出身の著名な作家・有吉佐和子の旧宅を復元した文化施設で、その創作の息遣いや人生を身近に感じられるミュージアムです。東京都杉並区にあった邸宅そのものが、氏の心象と深く結びつく紀ノ川のほとりに移設・再現されており、展示室・書斎・茶室・庭園などを通して、有吉佐和子の文学世界とその背景に触れられます。彼女の代表作『紀ノ川』『恍惚の人』『華岡青洲の妻』などにまつわる資料や自筆原稿、生活用品が展示され、文学ファンだけでなく地域文化に興味がある人にもおすすめのスポットです。
| 住所 | 和歌山県和歌山市伝法橋南ノ丁9 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00~17:00 |
| 定休日 | 水曜日(水曜日は翌日)、12月30日~1月3日 |
| 料金 | 無料 |
| みどころ | 作家の生活と創作環境を身近に感じられる構成です。また、芝桜や木瓜(もっこう)の花が咲く庭園は、小説タイトルにも登場する草花と結びついた展示となっています。 |
| アクセス | 南海「和歌山市駅」から徒歩5分 |
| 駐車場 | 駐車場あり |
| 公式サイト | 和歌山市立有吉佐和子記念館公式サイト |
藤白王子跡ミュージアム
和歌山県海南市にある「藤白王子跡ミュージアム」は、熊野参詣道の歴史的拠点・藤白王子跡(藤白神社)を博物館登録した文化施設です。熊野九十九王子の中でも格式が高い“五体王子”のひとつとして古くから知られる藤白王子の史跡を背景に、地域の信仰や文化の歩みを展示・紹介しています。平成27年に国史跡に指定され、日本遺産にも認定されたこの地は、古道の文化と歴史を体感するスポットとして注目必至です。
| 住所 | 和歌山県海南市藤白448 |
|---|---|
| 営業時間 | 10:00~17:00 |
| 定休日 | 月・火曜日(祝日の場合は開館)、12月31日~1月3日 |
| 料金 | 鈴木屋敷のみ300円 |
| みどころ | 藤白神社を中心に古道の歴史と熊野信仰の足跡を展示で紹介。藤白鈴木氏の系譜や地域に伝わる文化財、熊野三所権現本地仏坐像といった平安〜鎌倉時代の仏像、古文書や道具類など、史実を裏付ける貴重な資料が並びます |
| アクセス | JR紀勢本線「海南駅」から徒歩約20分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり |
| 公式サイト | 藤白王子跡ミュージアム公式サイト |
潮岬灯台資料展示室
和歌山県東牟婁郡串本町の潮岬灯台は、本州最南端・紀伊半島の岬に建つ歴史的な灯台で、江戸末期の条約灯台として建設されて以来、太平洋の海上交通を見守ってきた白亜の灯台です。灯台の足元には資料展示室(灯台資料展示室)が併設されており、灯台の歴史や仕組みをわかりやすく紹介する展示を楽しめます。灯台までは螺旋階段で上ることもでき、360°の海の眺めと合わせて、航海と海洋文化への理解を深められるスポットです。
| 住所 | 和歌山県東牟婁郡串本町潮岬2877 |
|---|---|
| 営業時間 | 【3月~9月】9:00~16:30(土日祝 8:30~17:00) 【10月~2月】9:00~16:30 |
| 定休日 | 年中無休 |
| 料金 | 中学生以上300円、小学生以下無料 |
| みどころ | 資料展示室では、潮岬灯台の歴史・建設背景・役割・航路標識としての機能などをパネルや模型で学べます。 |
| アクセス | JRきのくに線「串本駅」から車で約15分 |
| 駐車場 | 有料駐車場あり |
| 公式サイト | 潮岬灯台資料展示室公式サイト |
まとめ
和歌山の博物館・文化施設を巡る時間は、土地の奥行きに静かに触れる体験でもあります。雄大な自然と共に育まれてきた文化、信仰が根付く歴史、海や山とともに生きてきた人々の知恵…展示を通して、それぞれがつながっていることが見えてくるはずです。にぎやかな観光の合間に立ち寄るもよし、目的を決めてじっくり巡るもよし。和歌山という土地を少し違う角度から味わえる博物館・文化施設を、次の旅や休日のプランに取り入れてみてください。
※掲載情報は変更となる場合があります。お出かけの際は、公式サイトなどで最新情報をご確認ください。
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