仙台市にある「仙台うみの杜水族館」は、2015年にオープンした比較的新しい水族館で、東北の海や世界の海をテーマに多彩な展示が楽しめる施設です。家族連れやカップル、観光客に人気のスポットであり、アクセスもしやすく、仙台駅から車で約30分ほどの距離に位置しています。

まず、入場して最初に印象的なのが「いのちきらめく うみ」という大水槽です。東北の海を再現したこのエリアでは、イワシの群れやサメ、エイなどが悠々と泳いでおり、まるで海中にいるような感覚を味わえます。照明やBGMの演出も素晴らしく、水族館らしい癒しの空間が広がります。

そしてこの水族館で特筆すべきは、ペンギンの展示の充実度です。フンボルトペンギン、ジェンツーペンギン、キングペンギンなど複数種類のペンギンが飼育されており、国内の水族館でもこれほど多くの種類を一度に見られる施設は限られています。とくに「うみの杜ビーチ」と名付けられた屋外の展示エリアでは、ペンギンたちがのびのびと歩き回る姿を間近で観察でき、まるで自然の海辺にいるような雰囲気が楽しめます。ペンギン好きにはたまらない場所でしょう。

また、アシカやアザラシ、カワウソなどの展示も見応えがあります。ガラス越しに泳ぐ姿や、餌やりタイムの解説など、動物たちの生態を楽しく学ぶことができます。体験型のプログラムも充実しており、子ども連れにも喜ばれる構成です。

一方で、いくつかのデメリットも存在します。最大の点は、イルカショーがないことです。一般的な大型水族館ではイルカショーを目当てに訪れる来館者も多いため、「ショーを楽しみたい」という期待を持って訪れると、少し物足りなさを感じるかもしれません。代わりにアシカのパフォーマンスなどはありますが、規模としてはやや小さめです。

また、食事スペースの狭さと混雑もやや気になる点です。館内のレストランは席数が限られており、特に週末や連休などの繁忙期にはキャパオーバーとなってしまい、長時間の待ち時間が発生することもあります。屋外にフードトラックや売店が出ることもありますが、悪天候時や日差しの強い日には屋内で休憩したい人も多いため、今後はもう少し座席数の増加や休憩スペースの拡充が望まれます。

総じて、仙台うみの杜水族館は展示の質が高く、特にペンギンに関しては国内有数の見応えを誇る施設です。ショーを期待する人やゆったり食事を楽しみたい人にはやや不向きな面もありますが、生き物をじっくり観察したい方や、東北の自然を感じたい方には非常におすすめできます。展示構成もわかりやすく、清潔感もあるため、小さなお子様連れでも安心して楽しめる水族館です。