初めての体験でしたが、なんでもっと早く体験してみなかったんだろうと思います。今や茶道は海外の方々から大人気ですが、日本人こそ一度は体験する価値があると、芯から実感しました。50分程度とは思えないほど、壮大な時間旅行になりました。

こちらでは、初心者でもより本格的な茶道体験を、ということで、笑顔の素敵なガイドさんにご案内いただきながら、お庭を通って茶室へ上がらせていただくのですが、常緑種の木々を愛でながら、お花に四季を感じ、大文字山から引かれた池を渡り、お迎えに一礼をし、お手水で清め・・・お茶をいただくまでの所作、いただいた後の所作には一つ一つに意味があり、その一つ一つに、日常で忘れたものを回復していくような、不思議な心地よさを感じることが出来ました。

それらは全く堅苦しいものなどではなく、むしろどこかユーモアであたたかな、"非言語のコミュニケーション"です。言葉をただ交わすより、はるかに奥深い交流をしている感覚になり、なんと言いますか、「なんでも言葉にして言わなければならない」現代の生活に慣れきった人間としては、染み入るように癒されるものがありました。

作法や所作を通して、その場を"感じる"また"感じあう"、とても豊かなコミュニケーションという印象でした。

そうした中でいただくお茶とお菓子は格別で、自分でお茶たてもさせていただけるのですが、先生からいただくものと自分で立てるものはなんだか味も異なり、そうした何気ない違いの中に、自分が日頃見落としているものを見つけられたような気持ちがします。

成熟された空間に身を置くことで、自然と気づくもの、教わるものも非常に多く、すでに私たちの日常では感じられにくくなったこの国独自のユーモラスや自然観、そして歴史を、たっぷり味わえる体験となりました。

またぜひ体験したいです。とてもおすすめです。