広島平和記念公園の展覧会を訪れて、あらためて日常の「静けさ」や「安心」がどれほど尊いものなのかを深く考えさせられました。展示室に足を踏み入れた瞬間から、当時を生きた人々の息づかいが時間を越えて伝わってくるようで、胸が締めつけられる場面も多くありました。

焼け跡の写真や遺品の数々は、ただ過去の出来事を示す資料ではなく、一つひとつに誰かの生活や願い、家族との時間が宿っていて、その重みが静かに心に降り積もっていきます。また、証言映像や復元模型の前で立ち止まるたびに、「平和」という言葉の裏側にある無数の犠牲と祈りを実感せずにはいられませんでした。

展覧会を見終えた後、公園内の穏やかな空気に触れた瞬間、ふと「今の平穏が当たり前ではない」という思いが込み上げてきました。普通に朝を迎えて、誰かと笑い合って、安心して眠れること。その何気ない日々のすべてが、どれほど貴重で、守られるべきものなのかを強く感じています。

この展覧会は、過去を知る場所というだけでなく、今を生きる私たちが立ち止まり、感謝と責任を胸に刻むための場でもあると感じました。
訪れることができて良かったと、心から思います。