みげそめさまの口コミ
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「モネに戸外制作を勧めた師匠」「印象派の先駆者」「コローをして“空の王者”と言わしめた風景画の名手」として知られる画家の生誕二百年回顧展。 冒頭の「ごあいさつ」で、その3点盛り「だけじゃない魅力」をお伝えしたいと意気込んでいる通り、ブーダンを「ブーダンという画家」としてちゃんと認識を深めることができる展覧会だった。 古い港町オンフルールで生まれたブーダンは港湾関係の仕事をしていたが、オンフルールは大型船が入港できないことで、河口を挟んだ向かいの新興の港町ル・アーヴルに後れを取ってしまう。 家業を離れル・アーヴルに移り住んだブーダンは、そこでバルビゾン派の画家たちと交流し、若きモネとも知り合う。 近代絵画が「印象派編」へ突入するプロローグのようなこの出会いはブーダンという画家を象徴している。ウジェーヌ・ブーダンは時代の「あわい」の画家だった。 鳴かず飛ばずだった駆け出しのブーダンがなんとか軌道に乗ったのはオランダ人画家ヨンキントのブレークで海景画の需要が増えたことだった。後年も「牛の画家」トロワイヨンのブームで動物画が流行った時に牛の絵を描いたり、「職業画家」をきっちりやった人だ。 展覧会後半に並ぶ秀作やエスキースは印象派の秀作と言ってもよいのだが、そこにサインは入っていない。ブーダンの中でそれらをもとにして「アトリエで完成させる」ことが重要だった。 モネの誘いで第1回の印象派展には出したが、以降は参加していないという。しかし光や空気をつかむ感覚は印象派と共鳴している。 そんなブーダンだからこそ、コローが「空の王者」と称賛し、モネは「師匠」と公言して憚らない、「印象派の先駆者」だったのだと、納得した。ブーダンという画家を、字面や響きではなく「人間」として実感できた。良い時間を過ごせた。
みげそめさまの体験したプラン
【事前購入券】ウジェーヌ・ブーダン展
- 美術館
1,800円〜