鳥獣戯画は以前から知っていたし、今回は全部の公開なので楽しみにしていた。作品そのものは勿論良かったし、筆遣いなどがやはり実物はよく分かります。感動した。今までは一部のみの公開だったから、全部というのは本当に良かった。残念だが作品保護で仕方が無いのは承知だが暗くて見にくい。ともかく良かった。
　しかし、何のための予約なんだろうか。混んでいた。まず入り口から並んだ。そして、甲の巻のところでは設置されていた動く歩道のため、そのペースでしか見る事ができない。そしてその動く歩道に乗るために延々何十分も待たなければならない。暗いので待つ間、本を読むこともできない。いくつかの壁に映像が出るが、鳥獣戯画の中の動物や場面等がたまに現れては消える、と言う映像ばかりで飽きた。不要である。疲れた。予約させたなら主催者は、きちんとあまり並ばずにすむ方法を考えるべきである。密を避けると言っても長い間ほぼ同じ空間に、ずっとずれながらも立っている。密では無かったのだろうか疑問である。このような有名な展覧会によくあることなのだが、多分普通ならもっと超満員になり、もっと大変なのかもしれないからまだ良かったのかもしれないが、そういう問題では無いだろう。予約人数がいったい何名だったのか知らないが、予約とは名ばかりで、規制はかけながらも儲けようという魂胆が見えて不愉快であった。第一に金額も普通より高額である（まあ、これは日本の文化政策の悪さで仕方が無いとはおもうが）。当日は完売となっていたから本当は、予約で無ければもっと人が来たのだろうか。
　それから、乙のところでは、係の者がひっきりなしに、あっちから見ろだのと見方を告げていた。うるさい。美術展は静かに見るものである。係の者はよほどのことが無ければ話さなくて良い。美術展は見る事のできる人間が来ていると思うので、見方についてはどこかに注意書きとして書いておけば良い。動く歩道の様なところでは無いので、どう見るかは見る人の自由であるはずである。