ガラス細工の妙に酔いしれる!箱根ガラスの森美術館を紹介

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箱根は日本でも有数の温泉地として知られています。しかし、多くの美術館が存在していることはあまり知られていないのではないでしょうか。特に、箱根ガラスの森美術館はヴェネチアン・グラスを中心としたガラス細工を収蔵し展示している、日本でも珍しい美術館のひとつです。この記事では、箱根ガラスの森美術館へ出かけようと思っている人を対象に、美術館の見どころを紹介するとともに、開館時間や料金といった基本情報について説明します。

箱根ガラスの森美術館とは

温泉街として有名な箱根に位置する箱根ガラスの森美術館は、ヴェネチアン・グラスをはじめとしたガラス細工を中心に展示している、一風変わった美術館です。館内にはさらにガラス細工の種類によって分けられた2つの美術館を有しており、繊細かつ優美な細工に彩られた美術品や工芸品の数々が来場者を楽しませます。いつでもガラス細工に出会える箱根ガラスの森美術館では、季節ごとに開催されるさまざまな企画展も特徴のひとつ。来場する度にガラス細工における新たな発見を呼び起こしてくれるはずです。装飾されたヨーロッパ建築を模した美術館は、どことなくファンタジーな世界を思わせる庭園とともに、まるで異世界に迷い込んだかのような印象を受けることでしょう。庭園では季節の花々とともにガラスのオブジェが並んでおり、ヨーロッパの雰囲気を感じながら四季の移り変わりを楽しむこともできます。

ヴェネチアン・グラス美術館で美麗なガラス細工を堪能

箱根ガラスの森美術館の目玉のひとつは、なんといってもヴェネチアン・グラス美術館です。ヴェネチアン・グラスとは、イタリアのヴェネチアで作られているガラス工芸品の地域ブランドのことを指します。ガラスを用いて自在にその形を作り出す可変性と、色合いの妙、そして繊細な文様やモチーフをグラス上に表現する高い装飾性が特徴です。ヴェネチアン・グラスはルネサンス期を経て18世紀頃に流行し、美術品としての評価を不動のものにしています。ヴェネチアン・グラス美術館では、こうしたヴェネチアン・グラスのなかでもきわめて装飾性に優れた貴重な作品を多数収蔵、展示しているのです。ヴェネチアン・グラスに特化した美術館は国内でもあまり例がないので、ガラス細工に興味のある人はもちろん、そうでない人にとっても珍しいものを鑑賞できるといえるでしょう。

ヴェネチアン・グラス美術館では主に15世紀以降の作品が展示されています。そのなかでも特に有名なのが、1500年頃に作られたといわれる「点彩花文蓋付ゴブレット」でしょう。特徴は、透明なガラス素地の上に彩られたコバルトブルーを基調とするエナメル顔料と、ゴブレットを覆う金泥とのコントラスト。聖餐杯を模したデザインの隅々にまで行き渡った色合いのコントラストは絢爛さと気品を兼ね備えており、数あるゴブレットのなかでも一際目を惹くはずです。

一方、同じく展示されている「レース・グラス蓋付ゴブレット」を見ると、ヴェネチアン・グラスにおける装飾技術の高さをより一層理解できるでしょう。優美な色合いを誇る「彩花文蓋付ゴブレット」に対して、「レース・グラス蓋付ゴブレット」では余分な色合いを廃しているのがわかります。ガラス職人による門外不出の技術でもって表出されたレースの繊細な文様を伴って、色合いを加味しないことがガラス素地の美しさをより一層強調しているのがわかるはずです。これらを主とした作品の数々を通じて、ヴェネチアン・グラスに広がる美の世界を体験できることでしょう。

これもガラス細工?現代ガラス美術館は不思議がいっぱい

箱根ガラスの森美術館のもうひとつの目玉は、現代ヴェネチアン・グラスを多数収蔵した現代ガラス美術館です。長い歴史と伝統を持つヴェネチアン・グラスと、既存のデザインや形式に縛られない表現方法の融合。それはヴェネチアン・グラスの新たな可能性を切り開いたといえるでしょう。現代ガラス美術館で注目を集めるのは、「風にそよぐグラス」と呼ばれる作品群です。針金のように細く伸びたステムで器を支えている構造を持つグラスは、全てガラスでできているにもかかわらず、風が吹くだけでそっと揺れ動くという特徴を持っています。

少し力を入れると砕け散ってしまいそうなグラスの様子に、単なる工芸品ではないガラス細工の美術的なこだわりを感じられるはずです。ジュゼッペ・バロヴィエールによって作られたこのグラスは第1回ヴェネチア・ビエンナーレにも出品され、当時の人々を驚かせたといいます。もちろん、ガラスのグラスとは思えないそのアンバランスなたたずまいは、今もなお見る人の目を楽しませてくれるはずです。

こうした作品から、現代ガラス美術館ではガラス細工の歴史や技巧を紐解いて楽しむことが可能であるといえます。一方、現代美術と聞くと、美術そのものへの楽しみを煙に巻くような、哲学的な作品が多いのではないかと心配する声もあるでしょう。しかし、現代ガラス美術館では現代美術が苦手な人でも、また美術にあまり興味がない人でも問題はなく、誰でも楽しめる内容になっています。

展示されている作品はいずれもユニークな造形をしているので、本当にガラスでできているのかと不思議に思うことでしょう。たとえば、「ヴェジタツィオーネ95」と呼ばれるパイプ上の作品は、風にたなびく樹木のような形をしています。ガラスそのものが持つ硬質さをみじんも感じさせることはなく、むしろ触れば曲がってしまいそうな柔らかい質感を持っていると錯覚してしまうはずです。もちろん、モダンで洗練されたデザインに象られたガラス工芸の数々も、身の回りにあるガラス用品とは明らかに一線を画しており、現代美術のひとつとして楽しめます。こうしたガラスに対する常識と、その常識を覆すような表現の間にあるズレは、美術への興味とは関係なく、見る人に面白みを感じさせることでしょう。

幻想的な庭園の雰囲気に酔いしれよう

美術品を飾る場所は、何も美術館の内側だけではありません。美術館を取り巻く庭園もまた、展示空間のひとつとして使われているのです。箱根ガラスの森美術館の庭園では、野外に展示された美術品の数々と、四季折々の花が来場者を迎え入れます。

特に目をひくのは、ヴェネチアン・グラス美術館へと続く橋にかけられた、「光の回廊」と呼ばれる作品です。高さ約9m、長さ約10mの大きさを誇るオブジェは、約16万粒ものクリスタル・ガラスが太陽の光を浴びることできらきらと輝き、庭に虹がかかったような彩りを与えます。また、庭園内の池の上に展示された「パラッツォ・ドゥカーレ・シャンデリア」は、一見して何をデザインしたのか判別し難い形状をしているのが特徴です。シャンデリアという名前とは裏腹に、不可解な気持ちを呼び起こされることでしょう。時期によってはガラスでできたススキやアジサイ、ツリーも展示されていることがあり、庭園内の自然との対比も相まって、不思議な空間が浮かび上がります。

箱根の大涌谷から湧き上がる温泉の煙を眺めつつ、手入れされた庭でユニークなガラス工芸に触れていると、まるでフィクションの庭に迷い込んだような印象を受けるかもしれません。そんな庭園の様子は、ヨーロッパ風の伝統的な建物を模して建てられた美術館の様子とよくマッチしており、幻想的な風景を生み出しているのです。非現実的な庭園の様子はテレビ番組でも取り上げられることが多く、ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズでは実際にこの庭園がロケ地として使用されたこともあります。

ガラスの体験工房で思い出作り!

ガラス工芸をただ見るだけではなく、実際に作ってみることができる点も箱根ガラスの森美術館の大きな特徴といえるでしょう。美術館内に併設されているガラスの体験工房では、来館者を対象にガラス工芸を作るためのワークショップが開催されているのです。ガラスの体験工房には、ふたつのワークショップがあります。そのひとつであるサンドブラスト体験工房では、グラスに好みの文様をプリントすることで、世界にひとつのマイグラスを作成できるのです。サンドブラストとはガラスの表面に砂を吹き付け、磨りガラス状に仕上げる手法のこと。文様は工房で準備されており、なかには季節ごとのモチーフを取り上げた文様もあるので、手軽にサンドブラストの手法を楽しみながらマイグラスを作成できます。

もうひとつのフュージング体験工房でできることは、ガラスのパーツを組み合わせたアクセサリの作成です。フュージングとはさまざまな形状や色をしたガラスを熱で溶かして接合する手法のこと。いくつかのモチーフを組み合わせたガラスはペンダントやキーホルダーだけではなく、スプーンやフォークのような食器を装飾することも可能です。サンドブラスト体験工房と同じく、こちらもあらかじめフュージングに使用するモチーフが準備されているので、誰でも簡単に作成できます。世界にひとつのアクセサリを作ることで、来館の思い出作りとするのもよいでしょう。なお、フュージング体験工房では実際にガラスを焼くなどの工程をスタッフが約70分ほどかけて行います。したがって、先に体験工房で好みのデザインを作っておき、焼き上がるまでに美術館内の展示を見て回るといった使い方もできるのです。

美術館のあとはカンツォーネの流れるレストランで舌鼓を

繊細かつ優美なガラス細工で目を楽しませたあとは、作品のイメージを反芻し感想を交わしながら、おいしい食事で舌鼓を打つのもよいでしょう。箱根ガラスの森美術館ではちょっと変わったカフェレストランが併設されています。ヴェネチアをテーマに据えた美術館なだけあって、ランチメニューではリゾットやイタリアンテイスト満載の前菜が目白押しです。また、パスタは通常のものかららせん状のパスタであるフリッジまで用意。富士鱒やズワイガニといった和食でも用いられる食材とともに、イタリアンと和の調和を演出します。なお、2017年8月にはメニューのリニューアルに伴いハンバーガーやカレーも提供しており、より使いやすいレストランへと生まれ変わりました。季節によっては限定メニューも用意されているので、何度でもリピートできます。

また、カフェレストランという名のとおり、ドルチェや焼きたてのクロワッサンを提供しているのも見逃せないポイントです。このレストランは、箱根一帯の宿泊施設やカフェを対象にした箱根スイーツコレクションと呼ばれるキャンペーンにスイーツをエントリーしていることでも知られています。コーヒーや紅茶とともに、こうしたスイーツを楽しむのもよいでしょう。

そして、このレストランがちょっと変わっている最大の理由は、レストラン内で生のカンツォーネ演奏が聴けるという点にあります。演奏するメンバーはいずれも本場イタリア出身の経験豊富なミュージシャンばかり。演奏回数は1日に6回、しかも1時間刻みで公演されるので、スケジュールをさほど気にすることなく生のライブ演奏を楽しめます。ガラス工芸によって目が、食事によって口が楽しめるだけではなく、イタリアに相応しいカンツォーネでもって耳も楽しめるのが、この美術館の大きな特徴といえるのです。

箱根ガラスの森美術館の料金

入館料金(一般)

  • 大人:1,500円
  • 大高生:1,100円
  • 小中生:600円
  • シニア割引(65歳以上):1,400円(他の割引との併用はできません)
  • 障害者割引(ご本人と同伴者1名):800円

入館料金(団体15名以上)

  • 大人:1,200円
  • 大高生:900円
  • 小中生:500円

箱根ガラスの森美術館の割引クーポン

インターネット特別割引チケット

箱根ガラスの森美術館のホームページにあるインターネット割引券のページをプリントアウトして持参するか、スマートフォンやタブレットで該当画面を提示することで割引を受けられます。1枚で5名まで有効です。

  • 大人:通常1,500円→1,400円
  • 大高生:通常1,100円→1,000円
  • ・小中生:通常600円→500円"

箱根ガラスの森美術館の営業時間

開館時間

  • 10:00~17:30(ただし、入館は17:00まで)

休館日

  • 毎年、成人の日の翌日から11日間

箱根ガラスの森美術館のアクセス

公共交通機関を利用する場合

  • JRおよび小田急電鉄「小田原」駅から箱根登山バスで約40分
  • 箱根登山鉄道「箱根湯本」駅から箱根登山バスで約25分
  • 箱根登山鉄道「強羅」駅から観光施設めぐりバスで約20分
  • JRおよび京王電鉄「新宿」駅に隣接する新宿高速バスターミナル(バスタ新宿)から小田急高速バスで約120分
  • JR「東京駅」八重洲南口からJR関東高速バスで約110分

車を利用する場合

  • 東名高速道路「東名御殿場IC」から国道138号線沿いに箱根方面へ約20分

箱根ガラスの森美術館の駐車場

箱根ガラスの森美術館の東側には、敷地に隣接する形で駐車場があります。東名高速道路からアクセスする場合は、国道138号沿いに走っていくと美術館と駐車場が右側に見えてきます。

駐車場詳細
名称:隣接有料駐車場
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
営業時間:10:00~17:30
駐車台数:150台
料金:普通車1日300円(割引はなし)

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