京都・宇治の市街地から車で40分ほどの、木々に囲まれた山あいに佇む「正寿院」が、いま全国から熱い視線を受けています。お寺とは思えないかわいいハート型の窓や、美しい天井絵、夏に楽しめる風鈴まつりなど、フォトジェニックなお寺の魅力をたっぷりとご紹介します!
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宇治の山中に佇む小さなお寺、正寿院
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緑茶の発祥の地ともいわれる宇治田原町の山あいにある正寿院。正寿院の創建はおよそ800年前と伝わっています。空海が開祖となった高野山真言宗に属しているお寺で、慶長年間(戦国~江戸時代)に祐胤(ゆういん)大徳が中興したと記録に残っています。
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本尊の十一面観音は50年に1回しか開扉されない秘仏。前回の開扉は平成2(1990)年で、「一生に2度見られれば幸運」ともいわれているそうです。
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まずは本堂にお参り。正寿院のパンフレットと、「散華(さんげ)」、「叶紐(かのうひも)」を授与されます。散華とは、お寺の法要などでまかれる花びらをかたどった紙。飾ったり、財布や本、朱印帳に挟むなどして大事に使ってください、との注意書きがあります。叶紐は表の結び目が四角で結ばれ、漢字の「口」を、裏の結び目が十字で結ばれ「十」を表しています。「口」と「十」で「叶」。叶紐は、昔から縁起が良いお守りとされてきました。これは大事に持ち帰るか、境内にある地蔵堂に願いをこめて結びます。
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合わせて緑茶とお菓子のおもてなしも。丁寧なおもてなしに心がほっこりします。
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お参りをする際は、伸びている糸を両手ではさみ、手を合わせます。こちらはよく見ると、閉ざされた逗子の中から伸びています。この糸は十一面觀音さまの指につながっているとのこと。扉は閉まっていても、私達のことをみていてくださる、という意味があるのだそうです。
美しい御朱印も
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御朱印にはさまざまな種類があります。十一面観音や、快慶作の不動明王、季節限定の御朱印など。どれにしようか迷ってしまう美しさです。
ハートの窓の前でゆっくりとくつろぐ
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お参りが済んだら一度境内をでて、道をはさんだ客殿「則天の間」へ。こちらは休憩所という意味合いがあるそうです。
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入って目に入るのがこちらの光景!ハート型の窓のかわいさに目を奪われます。
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このハート型、実は「ハート」ではありません。日本の神社などの建築に古くから使われてきた「猪目(いのめ)」、つまり猪の目の形とされています。猪目には魔除けや招福の意味もあるといわれています。
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ここの客殿には、神仏が祀られていません。これは「自然の中でゴロンと寝転んでほしい、目だけでなく音、耳、匂い、五感で素晴らしい雰囲気を感じてもらいたい」という副住職の思いからだそう。しかし実際に客殿をつくる際に、神仏を祀っていないと、例えば火事が起こったときなどに「仏様をおまつりしておかなかったから…」と後悔することになるのでは、と考え、大工さんに相談したところ、魔除けの意味で「猪目窓を作ってはどうか」と提案されたのだそうです。
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このハート型の窓は、建物を守る魔除けの意味があったんですね。
全部で160枚!美しい天井絵
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「寝転んでほしい」という思いでつくられたものは、猪目窓だけではありません。色とりどり、160枚の天井絵は圧巻!こちらは2017年1月に完成したばかりです。
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日本画家の先生や大阪芸術大学の学生など、約100名が参加したこちらの作品。「花」もしくは「日本を感じる風景」というテーマで自由に描いてもらったそうです。完成までは約5年の歳月をかけたとのこと。すべてバラバラの絵なのに、不思議と統一感を感じられます。
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ゴロンと寝転んで自然の風を感じながら、天井の絵をじっくり見る…贅沢な時間です。
夏には風鈴まつりを開催
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毎年7月1日から9月18日までは、風鈴まつりが開催されます。境内には約2,000個の風鈴が吊られ、涼を演出してくれます。
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よく見ると、いろいろな形の風鈴があります。
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造花が入っているもの、カラフルなもの、オーソドックスに金魚が描かれているもの、リンゴ型のもの…など、模様はさまざま。風が吹くといっせいに音を奏でます。
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風鈴の通路は夏らしく、とてもフォトジェニック。自分のお気に入りの風鈴を見つけてみてください。
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本堂の中には47都道府県の風鈴も飾られています。今までに見たことのないようなものもあり、興味深く楽しめます。
風鈴絵付け体験で自分だけのオリジナルをつくろう
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風鈴まつりの期間中は、風鈴絵付けの体験を行っています。1回1,000円でガラスの風鈴に自由に絵を描けます。
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絵の具を使うのも大人になるとなかなかないもの。悪戦苦闘しつつ絵を描くのもまた楽しい時間です。絵の具はアクリルなのですぐに乾いて、持ち帰りOK。持ち帰る際は箱に入れてもらえます。
少し足を伸ばしてでも行く価値があるお寺、正寿院。次の京都旅では、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
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