東京23区で唯一の渓谷!水と緑に癒される等々力渓谷の見どころを散策しながら紹介

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世田谷区等々力にある「等々力渓谷」は、豊かな緑とせせらぎが流れる都内随一の癒しスポット。都心から電車で約20分とアクセスも良く、休日の散歩やデートにおすすめの渓谷です。約1km続く遊歩道には、豊富な自然風景やパワースポットが点在。遊歩道先の階段から行ける等々力不動尊には、富士山を望める展望台もあります。今回は等々力渓谷の魅力や見どころの数々を、実際に歩きながらレポートします。

 

等々力渓谷とは?

等々力渓谷は、多摩川に流れ込む谷沢川(やざわがわ)沿いに広がる、東京23区で唯一の渓谷です。最寄り駅である東急大井町線「等々力」駅からは、徒歩約3分ほどで到着。“都会のオアシス”といわれるだけあり、都心にいながら気軽に森林浴を楽しめます。

渓谷内には横穴墓群などの都指定史跡や、100万年ほど前の地層、野鳥観測スポットなど、子どもの興味や好奇心を刺激するスポットが多くあります。等々力渓谷から繋がる等々力不動尊の境内には、学業成就のご利益がある「稚児大師堂(ちごだいしどう)」が祀られているので、子どもを連れてお参りするにもぴったりです。

等々力渓谷の見どころを紹介

それではさっそく、自然あふれる等々力渓谷を散策してみましょう。渓谷内にある散策ルートの距離はおよそ1km。帰りに等々力不動尊へのお参りをしても、1時間から1時間半ほどで散策できます。

 

・等々力渓谷のフォトスポット「ゴルフ橋」

最寄り駅である東急大井町線「等々力駅」で下車したら、案内板に沿って5分ほど歩きましょう。途中、等々力渓谷へと下りていく石段が現れます。渓谷に下りる手前から「ここは本当に23区内?」と思うくらい自然豊かで、入口は無数の木々に覆われています。

石段を下りてから空を見上げると、先ほどまでいた場所は真っ赤な橋だったことが分かります。こちらが「ゴルフ橋」。等々力渓谷を代表するフォトスポットのひとつです。

名前の由来は、昭和初期、旧下野毛にあった約8haの広大なゴルフ場へ行くために架けられた橋だからだそう。ゴルフ場は空襲で焼失してしまいましたが、ゴルフ橋は今も残っています。以前は木橋で、現在の赤い鋼橋は1961(昭和36)年に架けられたものです。

 

・都心とは思えないヒーリングスポット「遊歩道」

谷沢川沿いの遊歩道は約1kmほどで、散策にちょうど良い距離。等々力渓谷では、早春の梅、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉と、四季折々の魅力を楽しめます。

道中には休憩用のベンチもあるので、体力に自信がない人でもゆっくりと自分のペースで散策を楽しめます。足元にはドングリなどの木の実がたくさん転がっており、自然が大好きな子どもと一緒に探検気分を楽しめるでしょう。

遊歩道横に流れる川では、気持ちよさそうに泳ぐ鴨の姿が見られます。人慣れしているのか、結構近くに寄っても逃げません。のんびりと泳ぐ姿を見れば、疲れた心もほっこり癒されそうですね。

野鳥も多く生息しているらしく、渓谷内で見られる野鳥を紹介した看板もありました。暖かい日に双眼鏡を持参して出かければ、バードウォッチングも楽しめます。

なお、遊歩道は整備されているので比較的歩きやすいですが、湧き水や雨で濡れていると滑りやすくなっているので、スニーカーなどの運動靴で出かけましょう。
 

東京の名湧水57選に選ばれた「湧き水」

等々力渓谷には30ヶ所以上の湧き水が点在し、東京の名湧水57選にも指定されています。残念ながら現在はこんこんと水が湧き出ている様子を見られませんが、湧き水が窪地に集まり湿地帯となっているところは、渓谷内で4ヶ所観察できます。

湿地帯エリアから少し進んだ先にある「稚児大師御影堂前」には、湧き水を使用した御手水場がありました。訪れた時期は紅葉が浮かんでいて、とってもフォトジェニック!

稚児大師とは、弘法大師がまだ幼い頃に呼ばれていた名前のこと。弘法大師は日本の歴史上で最高の頭脳を持っていたことから、学業成就のご利益があるといわれています。稚児大師御影堂前は遊歩道の途中にある小道から行けるので、ぜひ忘れずに参拝してくださいね。

歴史を感じさせる地層も見どころのひとつ。等々力渓谷は武蔵野台地の南端を矢沢川が侵食してできた渓谷のため、なんと100万年以上前の地層を観察できるのです。

地層は関東平野の基盤となっている「上総層群(かずさそうぐん)」。下から高津互層、渋谷粘土層、武蔵野礫層、武蔵野粘土層、東京軽石層、ローム層の順に堆積しています。

湧き水は渋谷粘土層と武蔵野礫層の間から見られるそうですが、この日は落ち葉で地層が隠れていました。地層観察・湧き水観察が目的のときは、春や夏に訪れるのがベストですよ!

 

・森林浴しながらひと休みできる「広場」

ゴルフ橋から遊歩道を半分以上進んだ先には、休憩するのにぴったりな広場があります。鬱蒼とした木々に囲まれながらも開放的な雰囲気なので、ゆったりと森林浴するには最適な場所。渓谷全体のマップのほか、きれいな水洗トイレもあります。

トイレ内におむつ替えシートやチャイルドシートはありませんが、2つある個室のうちひとつは、ベビーカーも一緒に入れるくらいの広いスペース。これなら子どもを外で待たせる心配もありませんね。

 

・歴史の勉強にもなる「横穴墓群3号横穴」

等々力渓谷では、古墳時代末期から奈良時代にかけて築造された横穴墓群が6基以上発見されており、そのうちの3基が今も残っています。

完全な形で残っているのが「横穴墓群3号横穴」。中には入れませんが、ガラス越しに覗いて様子を確認できます。3号墓の上の広場には1号墓と2号墓がありますが、今は標識だけが残されています。

近くには「御岳山古墳」「野毛大塚古墳」もあり、はるか昔から栄えていた歴史の深さを感じられます。当時の人々の生活様式や歴史文化に触れると、なんだか感慨深いですよね。
 

・滝行も行われる神秘の湧水「不動の瀧」

等々力の地名の由来にもなったのが「不動の瀧」。等々力不動尊のご本尊様である不動明王が見守る崖から龍の頭が突き出ていて、口から湧き水が流れ落ちています。

かつては水量があった滝で、流れ落ちる滝の音が渓谷に轟くことから、この辺りを“とどろき”と呼ぶようになったという説もあります。都内でも有数のパワースポットで、静けさと神聖さが入り混じる不思議な感覚を味わえるはず。特定の時期には、滝行をしに訪れる修行者もいるそうですよ。

不動の瀧の向かいには、お休み処「雪月花」があります。出かけた日はお休みでしたが、お菓子付きの抹茶をいただけます。

あんみつ・おやき・くずもちといった定番メニューをはじめ、冬はお汁粉、夏はかき氷やところてんなど、四季の甘味も大人気。以前真夏に出かけた時は、冷たいかき氷で身も心も生き返りました。

池には大きくて色鮮やかな鯉が優雅に泳いでいるので、その姿を眺めているだけでもほっこりと癒されますよ。

営業時間は、平日11:00から16:00、土日祝は10:30から16:00。いずれも15:30がラストオーダーです。土日祝限定でくず餅もあります。
 

・等々力渓谷のパワースポット「等々力不動尊」

不動の瀧の横にある階段を上ると、関東三十六不動尊霊場の第17番である「等々力不動尊」があります。不動明王を祀る不動尊霊場の中でも、特に人気が高いお寺のひとつです。

ご利益としては学業成就が有名であり、そのほか健康長寿、厄除け、無病息災、金運、商売繁盛などのご利益もあるといわれています。とてもかわいい厄除けのおみくじもありました。

また、最近では縁結びや恋愛成就の願いが叶うと、若い人たちの間で噂されているのだとか。等々力渓谷の遊歩道は都会とは思えないほど豊かな自然に囲まれているので、カップルのデートにもぴったり。遊歩道を歩いてから等々力不動尊にお参りすれば、2人の距離もぐっと縮まりそうですね。

お参りを済ませたら、ぜひ展望台に上ってみましょう。ここから見られる景色は格別。とくに紅葉シーズンは色鮮やかな木々に囲まれ、まるで山の上から眺めているような景色が広がります。

周囲に建物がない贅沢な展望台なので、富士山の姿もはっきりと見られました。

また、等々力不動尊は、都内で有名なお花見スポットでもあります。境内には100本の桜の木があり、春には多くの人が訪れます。展望台から見える桜も絶景だそうです。

境内にはもうひとつのお休み処「四季の花」があります。ここではコーヒーやミネラルウォーター、ゆず茶などのドリンク以外に、歩き疲れた体に嬉しいソフトクリームがあります。

バニラ・抹茶・チョコなど味の種類もいろいろなので、頑張って歩いてきた自分へのご褒美にもぴったり!歩いた分だけカロリーを消費しているので、ダイエット中もほっこりひと休みできそうですね。営業時間は雪月花と同じです。

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