東京国立博物館の見どころは?日本屈指のコレクションや各館の魅力、人気のお土産をレポート

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1872(明治5)年に開館した歴史ある博物館「東京国立博物館」。150年の歴史の中で受け継がれてきた収蔵品は約12万件といわれ、国宝89件、重要文化財649件(2023年4月時点)が保存されています。敷地内にいくつもある建物には、教科書に載っているような有名な品が多数展示されています。年間約300回もの展示替えを実施しているため、何度見に行っても新しい発見があるのも魅力。今回は東京国立博物館を実際に回りながら、見どころの数々をレポートしてきました。(訪問日:2023年8月1日)

 

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東京国立博物館とは

日本を代表する博物館「東京国立博物館」。その広大な敷地内には、本館、平成館、東洋館、法隆寺宝物館、表慶館、資料館、正門プラザのほか、隣接する黒田記念館などがあり、質・量ともに日本を代表するコレクションを誇ります。

日本と東洋の美術や考古などを中心に、さまざまな文化財の収集・保存・展示・修理・調査研究・教育普及事業などを実施。この場所を訪れれば新しい知見が得られる、親しみ深いアートスポットです。

ちなみに本館は、コンクリート建築に瓦屋根をのせた帝冠様式の建物。2001(平成13)年に重要文化財に指定されているので、外観も要チェックです。

チケットは自動券売機と受付タイプの2種類。正門横にあるチケット売り場で総合文化展料金(一般1,000円、大学生500円)を支払い、入館しましょう。

東京国立博物館「本館」の見どころは?

本館に入ると、吹き抜けのエントランスには大理石でできた大階段が現れます。圧巻の迫力で、壁時計や細部の装飾も見事です。こちらはCMやドラマの撮影にも使われているので、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

本館は主に日本の美術品を楽しめる展示館です。ここからは、館内でもとくに人気の展示スペースをピックアップして紹介します。

・日本古来の土器の歴史に迫る「日本美術のあけぼの―縄文・弥生・古墳」

2階の「日本美術の流れ」には本館1室「日本美術のあけぼの―縄文・弥生・古墳」があり、仏教文化が根付く以前の縄文・弥生・古墳時代の作品が展示されています。

縄文時代の土器、弥生時代に豊作を願う祭りに使用されていた銅鐸(どうたく)、古墳時代に支配者の墓(古墳)に並べられていた埴輪(はにわ)など、各時代の代表的な作品が見られます。

中でも気になったのが、縦長の土器「深鉢形土器(ふかばちがたどき) 」(写真右側)です。長野県伊那市宮ノ前で出土した縄文土器で、縁の頂部に2個1組の凸飾があるのが特徴的。縄文土器は煮炊きの道具として使われていたようですが、この深い土器はどのように使用されていたのかを想像するとワクワクしてきます。

 

・仏教文化の影響を垣間見られる「仏教の興隆―飛鳥・奈良」

飛鳥時代に朝鮮半島から伝わってきた仏教信仰や文化。この頃から寺院が建てられ、仏像や仏具づくりなどが行われるようになりました。仏像が伝わってきた当初は金属製の仏像、奈良時代には漆を使った「乾漆像」が作られるようになったそうです。本館1室「仏教の興隆―飛鳥・奈良」では、そんな飛鳥・奈良時代の仏道や仏具、経典などが紹介されています。

 

・数々の国宝が並ぶ「国宝室」

「仏教の興隆―飛鳥・奈良」エリアをさらに進むと、展示物保護のため照明が極力落とされた本館2室「国宝室」があります。こちらは絵画・書跡の国宝をじっくりと鑑賞できる空間。選りすぐりの作品一件だけを扱っています。フロアにはベンチが用意されているので、ゆっくり鑑賞できるのが魅力です。

 

・数々の美術品が展示される大広間「仏教の美術-平安~室町」

本館3室「仏教の美術 平安〜室町」では、仏教文化の影響を受けた絵画、書、彫刻、工芸などが紹介されています。

 

・個性豊かな墨蹟を感じる「禅と水墨画―鎌倉~室町」

鎌倉時代、中国から禅宗が入ってくるとともに、水墨画や禅僧の書「墨蹟」がもたらされ、日本でも制作されるようになりました。本館3室「禅と水墨画 鎌倉〜室町」では、個性豊かな墨蹟や水墨画が楽しめます。

 

・趣ある茶文化の世界「茶の美術」

平安時代末期に禅宗とともに中国から伝わった、抹茶を飲む風習。その後「茶の湯」として、日本独自の芸術文化に進化しました。本館4室「茶の美術」では、そんな茶の芸術に関わる品々を展示しています。美しい質感の釜や水指などを鑑賞しながら、昔の茶の湯の風景を思い浮かべるのも楽しそうですね。

 

・鎧や刀剣好きにはたまらない「武士の装い―平安~江戸」

本館5・6室「武士の装い―平安〜江戸」では、平安時代から江戸時代の武士が使用していた甲冑、刀剣などが展示されています。

 

・足を止めてじっくり楽しみたい「屛風と襖絵―安土桃山~江戸」

本館7室「屛風と襖絵―安土桃山~江戸」では、安土桃山時代から江戸時代の屛風、襖絵が展示されています。現代では、屛風は「展示物」としてしか見る機会はないかもしれませんが、昔は場を厳かな雰囲気にするだけではなく、生活に欠かせない家具・調度品としての役割もあったそうです。

 

・身近な物に出会える「暮らしの調度―安土桃山・江戸」

本館8室「暮らしの調度―安土桃山・江戸」では、安土桃山・江戸時代の調度を展示。漆塗りで仕上げた器類や、金粉で文様を描く蒔絵と同じ技法を用いた器などもありました。眺めているだけでうっとりするほど美しい調度品が数多く展示されています。

 

・表情豊かな作品が多数存在する「書画の展開―安土桃山~江戸」

本館8室「書画の展開―安土桃山~江戸」では、安土桃山から江戸時代の作品を展示。鎖国していた頃の江戸時代は、中国・西洋文化への興味を持ち、影響を受けた作品が多数作られたそうです。

 

・伝統文化の世界に浸れる「能と歌舞伎」

本館9室「能と歌舞伎」では、能や歌舞伎といった伝統芸能に使用されている衣装や面などが展示されています。

 

・当時の人々の生活風景を読み取れる「浮世絵と衣装―江戸」

本館10室「浮世絵と衣装―江戸」では、江戸時代の人たちが着用していた袖口の開きが狭い「小袖」の着物が紹介されています。この小袖、以前は下着として着用されていましたが、室町時代に表着として使用されたそうです。

 

・仏像・神像が展示される「彫刻」

「日本美術の流れ」を見た後は、1階の「ジャンル別展示」にも足を運んでみましょう。本館11室「彫刻」では、平安時代から鎌倉時代に作られた仏像が展示されていました。江戸時代以前の日本の彫刻は、仏像や神像、肖像などが多く作られたそうです。

 

・中国や朝鮮半島を手本に発展した「金工」

金工とは、金属を使って加工して作られた工芸品のことです。最初は中国や朝鮮半島の技術や品を見習って製作されたとのことです。

 

・日本伝統の焼き物が並ぶ「陶磁」

日本には中国や朝鮮、東南アジアからさまざまな物が渡ってきました。焼き物類もそのひとつです。本館13室「陶磁」のコーナーでは、魅力的な日本の焼き物を時代ごとに紹介しています。野焼きの土器が主だった時代から考えると、釜で焼く陶磁はかなり洗練された印象。ここでは京焼のほか、伊万里なども紹介されていました。

 

・貴重な資料が多数展示される「歴史の記録」

東京国立博物館では、美術品や考古資料のほかにも、歴史や民族に関する資料も所蔵しています。本館15室「歴史の記録」では貴重な歴史資料が展示されていました。

 

・南北の暮らし文化を体感できる「アイヌと琉球」

さらに進んだ先には、本館16室「アイヌと琉球」があります。北のアイヌ文化と南の琉球文化が紹介されており、展示には雪国で暮らすアイヌの人たちの日常を想起させるカンジキや手袋などが紹介されていました。

釣具のほか弓などもあり、狩猟や漁獲、植物採集、交易などをしていたアイヌの人々の暮らしが感じられます。中央にはアイヌの代表的な衣服を展示。多くの人が足を留めて眺めていました。

 

・文化財の歴史を未来へと繋ぐ「保存と修理」

東京国立博物館では、文化財の保存と公開を両立させるため、保存修復事業を継続的におこなっています。本館17室「保存と修理」のコーナーでは、文化財が修理保存されている様子や、修復に使用される材料・道具などが展示されています。博物館スタッフの日々の努力によって、大切な文化財が次の時代にも残っていけるのですね。

 

・美術作家の名作が並ぶ「近代の美術」

本館18室「近代の美術」では、明治・大正・昭和時代の美術作家の絵画や彫刻、工芸が並んでいます。立派な重要文化財「鷲置物」(鈴木長吉作 1892(明治25)年シカゴ・コロンブス世界博覧会事務局)からは、今にも動き出しそうな迫力と臨場感を感じられました。

これらの作品が生まれた明治時代の日本は、美術学校を設立して制度を整えるなど、あらゆる面から近代国家として世界に存在感を示す動きをしていた時代でした。

美術文化の成長期から昭和までの芸術が楽しめる「近代の美術」。彫刻のほかにも日本画、洋画などが展示されていて、とても見応えがありました。

 

・気軽に美術の世界を体験!「みどりのライオン体験コーナー」

本館19室「みどりのライオン体験コーナー(教育普及スペース)」は、博物館をより楽しめるようになる体験型スペース。「トーハクをさわろう」「トーハクでデザイン」「トーハクをまわそう」「トーハクで国宝をさぐろう」「トーハクで○○のできるまで」の5つのコーナーがあり、好きな体験に参加できます。

中でも「トーハクでデザイン」のコーナーでは、ハガキにハンコを押して自分だけのオリジナルハガキを作れます。体験型のコーナーなので、子どもたちも興味津々で楽しんでいましたよ。

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