魚津水族館 100年の歴史を誇る水族館!基本情報から見どころまで

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日本には規模の大きい最新鋭の設備を備えた水族館や、都市型の洗練された水族館などいろいろありますが、今回紹介するのは富山県魚津市にある「魚津水族館」です。魚津水族館はレトロでこじんまりした水族館ですが、実は他の水族館にはない独自の魅力をたくさん持っている個性的な水族館だということはあまり知られていないかもしれません。そんな魚津水族館の魅力について紹介します。

魚津水族館とは?

魚津水族館は富山県魚津市にある水族館です。日本に現存する水族館の中でもっとも歴史が古く、平成25年9月21日には「創立100周年」を迎えています。初代の魚津水族館は北陸本線の全線開通を記念して大正2年に建設され、当時は日本海側で初の水族館として注目されました。昭和29年に二代目の魚津水族館がオープンし、人気を集めましたが老朽化により閉館。現在の建物は昭和56年に建てられた三代目の魚津水族館です。建物は何度か建て替えやリニューアルを行い、その際に場所も少し移動しているので、最初に建設した当時の建物がそのまま残っているわけではありません。しかし、1913年開業という日本一古い水族館として、歴史と伝統を感じさせるレトロな魅力を持っています。近くの富山湾で獲れた魚を数多く展示することで、地域の特色を見せるという方針を大切にし、本来の博物館的要素を前面に押し出している、地域密着型の水族館です。

館内に入ってまず目に留まるのが富山湾大水槽

富山湾大水槽で使用している水量は240トン、一番深いところで水深4mあります。富山湾大水槽はブリやアカエイ、マダイにクエなど富山湾に生息している大型の魚を展示している水槽です。巨大な富山湾大水槽でブリが群れを成して泳ぐ姿は迫力があり、たくさんのブリたちが猛スピードで目の前を横切っていく姿は一見の価値ありです。なお、この水槽のブリのエラ付近に赤い傷が見られるのは、病気などではなく水槽への衝突が原因とみられ、水族館側では衝突しやすい場所に魚網を設置して水槽への衝突の回避を促すといった対策を試みています。

富山湾大水槽で1日4回開催されるお食事タイムも必見!

お食事タイムはダイバーが水中に潜って魚たちに餌付けを行うというもので、餌を食べる魚たちの姿を間近で観察できるイベントです。また、富山湾大水槽には透明なトンネルがあり、水槽の中に自分も入ったかのような形で見学を楽しめます。このアクリル製水中トンネルは日本に設置された第一号の歴史の古い水中トンネルでもあります。それほど大きくないトンネルですが、支えの鉄骨が通っているレトロな構造になっているところも見どころです。

幻の魚・リュウグウノツカイを展示

生きているリュウグウノツカイではありませんが、標本とレプリカの展示があり、とても珍しい魚であるリュウグウノツカイを間近で見られます。またリュウグウノツカイの皮を実際にさわれるコーナーもあり、貴重な体験ができます。リュウグウノツカイは体長が3mから11mもあり、銀白色の体にたてがみのような真っ赤な長いヒレが付いているとても神秘的な姿をした魚。標本ではヒレの赤い色が抜けて白くなっていますが、異様さのある姿はインパクトが大きく、一度見たら忘れられないでしょう。

リュウグウノツカイは水深200m~1,000mに生息している深海魚のため、生きた状態で捕獲されてもその後長く生きることは難しく、現在の水族館での展示は標本展示が一般的です。標本展示と言えども日本でリュウグウノツカイを展示している水族館は数か所しかありません。魚津水族館で展示されているリュウグウノツカイは2009年に黒部川の左岸で発見されたもので、体長は4mもあります。珍しい魚ですが日本海ではたびたび目撃されており、富山湾でもいくつか目撃例があります。南方の深海に生息しているとされていますが、水面近くを泳いでいるのを発見されるなど、詳しい生態はわかっていない謎に包まれた不思議な魚です。赤い髪に白い肌で背が高いという点が共通していることから人魚のモデルであるという説もあります。

魚津水族館は世界で初めてマツカサウオの発光を発見したことでも有名

マツカサウオは下顎に発光器を持ち、発光バクテリアを共生させて発光する魚ですが、魚津水族館が発見するまで発光するということは知られていませんでした。発見に至る経緯には、1914年に魚津水族館が停電になった際に、マツカサウオが光っていることを職員が偶然発見したというユニークなエピソードがあります。マツカサウオは15cmほどの小さな魚で体は薄い黄色です。松ぼっくりやパイナップル、鎧にも似た独特の見た目が特徴的で、とても固い鱗で覆われています。固い体のために泳ぐスピードは遅く、フグのような可愛らしくユーモラスな動きが目を引き観賞魚として人気です。食用としても使われますが、鱗に鋭い棘があるため扱いには注意が必要となります。

魚津水族館ではもちろんマツカサウオを展示しています。発光を初めて発見したという魚津水族館でマツカサウオを見ることは、他ではできない価値ある体験です。3月下旬から5月末日の日曜・祝日の限定ですがマツカサウオやホタルイカ、ウミホタルの発光実験をするイベントもあり、発光生物の神秘的な美しい光を観察できます。

長い歴史を象徴する独自も!

階段側面の壁に沿って展示されている「魚津水族館年表」は、魚津水族館の長い歴史にふれられます。展示は3階から2階にかけて一段一段階段を降りながら魚津水族館の歴史を辿っていくという流れ。初代や2代目の水族館の写真などもたくさんあり、内容も充実していて、つい足を止めてじっくりと見てしまいたくなります。展示で見られるのは初代水族館の観覧券や館内図など滅多に見ることのできない貴重な写真ばかり。水族館を訪れて水族館の歴史を学ぶ、ということ自体珍しいですが、魚津水族館では日本初や世界初など初めてのことも多く、歴史を知ることを楽しめる珍しい水族館です。 

世界的にも珍しい「おさかなショー」も開催

おさかなショーは魚津水族館の名物なので、訪れた際は必見です。ショーの時間が近づくとアナウンスでお知らせがあるので、開始前に会場に向かいましょう。ショーの会場には小さな水槽が3つあり、そこでそれぞれの魚が特技を見せてくれます。例えば、イシダイが旗引きをしたり、クイズに答えたり、ウマヅラハギが輪くぐりを披露したりと健気に頑張っている姿を見られます。

これは魚の習性や学習能力を利用したちょっとしたショーですが、小さな魚でもこんなことができるんだ!と初めて知る人が多く、ショーの終了後は魚たちに向けて温かい拍手が送られます。特に、ウマヅラハギのショーは世界でもここだけでしか見られない貴重なものです。ウマヅラハギは魚津の名産で、平成20年にブランド化されました。魚津産の可愛らしい小さな魚が一生懸命に魚津のPRをする姿は、見ていて心温まります。小さな子供から大人までみんなが楽しめる、ほのぼのとしたアットホームなショーです。おさかなショーは1日に5回も行われているので、短時間の滞在でも見学できるチャンスがあります。

水族館の人気者、ペンギンやアザラシにも会える!

魚津水族館にはフンボルトペンギンとゴマフアザラシがいて、可愛い姿に癒されます。アザラシのお食事タイムは1日に2回行われるイベントで、その際には得意技も披露してくれます。技のレパートリーは10~20種類もあり、その日によって違う技を見られます。ゴマフアザラシのショーはとても人気のイベントなので、時期や曜日にもよりますがショーの時間になると会場には人だかりができ混雑します。アザラシを見るためのスペースは小さめで、柱もあるため場所によってはショーが見えづらくなります。ショーが始まる前に早めにショーの会場に到着するのが賢明です。

さらに、フンボルトペンギンも1日2回のお食事タイムイベントがあり、餌を食べる可愛い姿が見られます。歩く姿はよちよちと不器用そうなペンギンですが、水中では高速で泳ぎ機敏な動きを見せます。また、ペンギンには換羽期という全身の羽が生え代わる時期が1年に1回あり、換羽期のペンギンは餌をあまり食べず水にも入らず静かに過ごします。羽がボサボサになって一見元気がなさそうに見えるのは換羽期の特徴です。フンボルトペンギンの場合は7月~8月頃が換羽期に当たるので、ペンギン本来の元気な姿を見るならば換羽期以外の時期に見るのがオススメです。

魚津水族館はバックヤード見学もOK!いつでも水族館の裏側が見られる

限定的なイベントとしてバックヤードを見せる企画を行っている水族館はありますが、バックヤードが通常展示として常時解放されている水族館は珍しいです。気軽に水族館の裏側に潜入し、富山湾大水槽を上から見学したり、ダイバーの出入り口を見たりもできます。中でも、おさかなショーに向けて練習している様子が紹介されている展示は微笑ましいです。

魚津水族館の周辺にはさまざまな観光スポットも充実

魚津水族館のすぐ向かいにある海側には「ミラージュランド」という遊園地があり、巨大な観覧車がランドマークとなっています。埋没林博物館や海水プールは魚津水族館との共通入場券もあり、別々にチケットを買うよりも安く入館できます。また魚津市は富山湾の海上に神秘的な蜃気楼が見られることでも有名な場所です。季節や気象条件が整っていて運が良ければ、幻想的な蜃気楼を見られる可能性があります。

魚津水族館の料金

入館料

  • 一般(高校生以上):750円
  • 小学生・中学生:410円
  • 幼児(3歳以上):100円

年間パスポート

  • 一般(高校生以上):2,060円
  • 小学生・中学生:1,030円
  • 幼児(3歳以上):260円

水族館回数券(11枚1冊)

  • 一般(高校生以上):7,500円
  • 小学生・中学生:4,100円
  • 幼児(3歳以上):1,000円

埋没林博物館共通券

  • 一般(高校生以上):1,030円
  • 小学生・中学生:540円
  • 幼児(3歳以上):100円

海水プール共通券

  • 一般(高校生以上):1,530円
  • 小学生・中学生:630円
  • 幼児(3歳以上):200円

魚津水族館の割引クーポン

魚津市内の中学生以下割引

魚津市内の中学生以下は無料で入館できます。

  • 中学生:通常410円→0円

団体割引

20名以上の団体は水族館入館料に割引料金が適用されます。

  • 一般(高校生以上):通常750円→610円
  • 小学生・中学生:通常410円→330円
  • 幼児(3歳以上):通常100円→80円

20名以上の団体は海水プール共通券に割引料金が適用されます。

  • 一般(高校生以上):通常1,530円→1,220円
  • 小学生・中学生:通常630円→510円
  • 幼児(3歳以上):通常200円→160円

魚津水族館の営業時間

通常営業時間

  • 9:00~17:00
    ※入館は16:30まで

休館日

  • 12月1日から翌年の3月15日までの月曜日(月曜日が祝休日に当たるときは、翌平日が休館日)と年末年始(12月29日~1月1日)
    ※臨時休館する場合あり

魚津水族館のアクセス

公共交通機関を利用する場合

  • あいの風とやま鉄道「魚津」駅からタクシーで約10分
  • 富山地方鉄道「電鉄魚津」駅からタクシーで約7分
  • 富山地方鉄道「西魚津」駅から徒歩約20分
  • あいの風とやま鉄道「東滑川」駅から徒歩約20分
  • 魚津市コミュニティーバス停「水族館前」からすぐ

車を利用する場合

  • 北陸自動車道「魚津IC」から約15分
  • 北陸自動車道「滑川IC」から約15分

駐車場詳細

  • 名称:魚津水族館駐車場
  • 住所:富山県魚津市三ケ1390
  • 営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 駐車台数:大型バス50台、普通乗用車1,500台
  • 料金:無料
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