「多摩動物公園」で必見の生き物や上手な回り方のコツは?ライオンバス以外にも見どころがいっぱい!

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東京都日野市にある多摩動物公園は、約300種の生き物が飼育されている広大な動物園。ライオンの姿を間近で観察できる「ライオンバス」が大人気ですが、そのほかにも見どころが数多くあります。今回は1日で回るのが難しい広大な園内で、とくに見逃せない生き物を各エリアごとにピックアップしました。子ども向けのサービスや上手な回り方、おすすめのグルメも併せて紹介します。

多摩動物公園とは?

多摩丘陵のほぼ中央に位置する「多摩動物公園」は、総面積52.3haの広大な敷地に約300種の生き物が飼育されている日本有数の動物園です。

園内はアジア園、アフリカ園、オーストラリア園、昆虫園の4つのエリアに分かれ、豊かな自然を活かした広い展示施設で、生き物本来の姿を観察できます。

多摩動物公園が開園したのは1958(昭和33)年。日本で初めて柵のない展示を行ったことで有名です。以来、世界初のライオンバスや昆虫生態園など、ほかの動物園にはない画期的な展示を生み出しています。

さらに、園内には公益財団法人 東京動物園協会の野生生物保全センターが設置されており、希少動物の保全にも積極的に取り組んでいます。

京王線、多摩都市モノレール「多摩動物公園」駅を降りたら目の前という好立地にあり、子どもたちや写真愛好家など、いつも多くの人が訪れています。

 

多摩動物公園の見どころは?人気の動物&展示を厳選して紹介

とにかく広い多摩動物公園。約300種の生き物をじっくり見て回るには、1日ではとても時間が足りません。ある程度見たい生き物を絞って出かけるのが、上手な回り方です。すべての生き物が魅力いっぱいなのですが、今回はとくにおすすめの生き物をピックアップして紹介します。

健康管理上の理由で観覧時間が決まっている生き物もいるので、お目当ての生き物は最初に時間をチェックしてから出かけましょう。

※健康状態や天気、飼育管理の都合上、観覧が中止になる場合もあります。

 

・「アジア園」で注目の生き物

「アジア園」では、ノウサギやタヌキ、モグラなど日本の里山にいる生き物や、トラやモウコノウマなど、アジア各地に生息する生き物が飼育されています。

 

レッサーパンダ

多摩動物公園にいるシセンレッサーパンダは、中国南西部、インド東北部の高地の森林に生息しており、数は推定で2,500〜1万頭ほど。国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に分類されている希少な動物です。

たくさんの樹木が植えられた飼育場の中で、元気に木登りする様子が見られます。眠っている姿もかわいらしくてとても印象的でした。タイミングがあえば、2022(令和4)年7月に誕生した双子のレッサーパンダ、「フジマル」「ランマル」に出会えるかもしれませんよ。

 

ボルネオオランウータン

カリマンタン(ボルネオ)島に生息しているボルネオオランウータン。現地の言葉で「森の人」を表すオランウータンという名前の通り、1日の大半を樹上で過ごし、森の中を移動するときは、長い腕で枝から枝へ渡っていくのが特徴です。

見どころは、2005(平成17)年に完成した「スカイウォーク・タワー」。オランウータン舎と約150m離れたオランウータンの森をワイヤーで繋いだ展示で、器用に長い手をのばして渡って行く様子を観察できます。運が良ければ、頭上をオランウータンが通って行く様子を観察できるかも?

複数のオランウータンが同居している動物園は珍しく、年齢による違いや個体同士の関わりなどにも、ぜひ注目してください。

 

ユキヒョウ

ユキヒョウは、中央アジアなどの山岳地帯をはじめ、世界で最も高いところに生息するネコ科の動物です。寒さに適応するためのふわふわな毛並みが特徴。長くて太い尻尾は、バランスをとりながら急な斜面を移動するのに役立っているそうです。

岩場から颯爽と地面に飛び降りる姿には、見学していた人たちから大きな歓声があがっていました。

2023(令和5)年2月、神戸市立王子動物園からオスのフブキが来園。多摩動物公園のユキヒョウは6頭となり、ユキヒョウの飼育数国内最多となりました。

 

シフゾウ

頭はウマ、ツノはシカ、体はロバ、ひづめはウシに似ていますが、それらのどの動物でもないことから「シフゾウ(四不像)」と呼ばれるようになったといわれる動物。実際はシカ科シフゾウ属に分類されるシカの仲間です。

かつては中国に多く生息していましたが、1900年代後半に野生のシフゾウは絶滅。わずかにヨーロッパで飼育されていたシフゾウの存在がわかり、群れがいくつかの動物園に提供されました。現在は動物園で飼育されている以外に、中国保護区内で野生への復帰が進められています。

多摩動物公園でも1978(昭和53)年に初めて赤ちゃんが生まれてから、現在までに25頭のシフゾウが誕生しました。

オスのシフゾウは毎年ツノが生え変わります。片方で約2kgある立派なツノは、シフゾウ舎の前に展示されています。こちらもお見逃しなく!

 

ニホンコウノトリ

国の特別天然記念物、国内希少種に指定されているニホンコウノトリ。多摩動物公園ではアジア園に3つのコウノトリ舎を設置。「お見合いエリア」「ストックエリア」「子育てエリア」とエリアを分け、繁殖に力をいれてきました。

その努力が実を結び、1988(昭和63)年に、日本で初めてのニホンコウノトリのふ化に成功。以来、毎年のようにヒナが誕生しています。

 

アジアゾウ

アジアゾウはインド、 スリランカ、 東南アジアの森林に生息する、アジアを代表する大型の哺乳類です。2021(令和3)年に新しいアジアゾウ舎「アジアゾウのすむ谷」が完成しました。メスは群れ、オスは単独で暮らす、本来のくらしができるように工夫された施設です。

みはらしデッキからは屋外の様子を一望できますが、室内ビューエリアも必見です。天井からぶら下がったタイヤには干し草がいっぱい。長い鼻を使って器用に干し草を食べる姿に、子どもは「上手!すごい!」と、食い入るように見ていました。

実はこれ、飼育員のアイデアから作られている給餌機のひとつ。首や肩の筋肉を鍛える効果が期待できるのはもちろん、ゾウたちがストレスをためないように、板や漁業用のブイなどを加工して手づくりしているのです。ゾウ舎のいたるところにあるので探してみてくださいね。

 

・「アフリカ園」で注目の生き物

「アフリカ園」では、動物の宝庫といわれるアフリカに生息する生き物が飼育されています。ライオン、アフリカゾウ、チーター、キリンなどが展示され、まるでサバンナにいるような雰囲気を体感できるエリアです。

 

ライオン

百獣の王ライオンの姿を間近で見学できる「ライオンバス」は、アフリカ園でとくに人気が高い展示のひとつ。1964(昭和39)年に多摩動物公園が世界で初めて、広い放飼場に放し飼いにされたライオンをバスの中から見学する、サファリ形式のライオンバスの運行を開始しました。

左右どちらの席に座ってもライオンを間近で見られるように運転してくれるので、指示にしたがってゆっくり乗車しましょう。窓ガラス1枚を隔てて、目の前に迫るライオンは大迫力!子どもよりも大人が興奮してしまいます。

バスの発着所がある「ライオンバスステーション」からは、放飼場を進むバスの様子が一望できます。

ライオンバスの利用料金は、高校生以上500円、3歳~中学生・65歳以上は150円、0歳~2歳は無料です。チケットはライオンバスステーション乗車券うりばで当日9:30から販売。売り切れ次第終了となってしまうので、土日祝日や連休の時期は早めにチケットを購入しておきましょう。

 

チンパンジー

野生では、アフリカの熱帯の森に20~100頭ほどの群れで暮らすチンパンジー。表情や仕草、声で、お互いに意思の疎通をしています。

広い放飼場では、群れを作って暮らす様子が見学できます。チンパンジーの表情を描いた看板が放飼場の前にあるので、今どんな気持ちなのかを親子で想像してみるのも楽しそう。

2022(令和4)年に生まれたディルは、少し年上の子どもたちとよく遊んでいます。ほかの大人のチンパンジーもディルのことが大好き。仲の良い様子は、見ていてほっこりします。

チンパンジーの頭の良さがわかるのが、チンパンジー舎に設置されているさまざまな道具。ハンマーを使ってナッツを割る等、チンパンジーが道具を使う様子も見ることができます。特に注目したいのが自動販売機。トークイベント時、係員からもらったコインを使って缶ジュースを購入する様子は必見!(ジュースをめぐって、チンパンジーたちの心理戦がくりひろげられます。)

道具の詳しい解説やチンパンジーの習性については、「キーパーズトーク」という飼育員のトークイベントの中で行われています。(13:30~ 不定期開催)

 

アフリカゾウ

現存する陸の哺乳類の中で一番大きなアフリカゾウ。アジアゾウと比べて大きな耳が特徴です。多摩動物公園には、メスのアコとオスの砥夢(トム)の2頭のアフリカゾウがいましたが、残念ながら2022(令和4)年に国内最年長だったアコが亡くなり、今は砥夢だけとなりました。

アジアゾウと同様に、こちらにも飼育員が工夫して手づくりした給餌機があります。ブイの中にエサを入れ、回転させたり、振ってエサを取り出したり、枝の山の中にエサを隠したりと、さまざまな給餌機があるので、ぜひ探してみてくださいね。

バオバブの木の前にあるアフリカゾウの耳のレプリカも見どころ。アフリカゾウの大きさを実感できます。

 

チータ

陸上動物の中で最も速く走れるチーター。そのスピードは時速100kmにも到達するのだとか。2023(令和5)年2月、アメリカの動物園からオス2頭、メス1頭の計3頭のチーターが来園し、現在はオス5頭、メス5頭の10頭のチーターが飼育されています(2023年9月時点)。

俊敏なチーターも、動物園ではのんびり過ごしています。大きな猫のようなかわいらしい姿を見られますよ。

 

サーバル

チーターの向かいにいるのは、近年人気が出ているサーバル。野生的な見た目にもかかわらずかわいらしい仕草をするので、こちらもお見逃しなく。ネコ科動物を見比べるのも楽しいですよ。

 

フラミンゴ

多摩動物公園のフラミンゴは、ヨーロッパフラミンゴといい、北アフリカ・インド西北部・シベリア西部・ヨーロッパの地中海沿岸などに生息している大型の美しいフラミンゴです。

約100羽以上のフラミンゴが飼育されている動物園は珍しく、これだけの数が一斉に水浴びしている様子はとても華やかです。

 

・「オーストラリア園」で注目の生き物

日本の反対側、南半球にあるオーストラリアの広大な自然に暮らす珍しい固有種が飼育されている「オーストラリア園」。コアラ館では、コアラ以外にもフクロギツネやフサオネズミカンガルーなどの小動物も観察できます。

 

コアラ

見た目がかわいいコアラは、オーストラリア園随一の人気動物です。

コアラが日本に初めてやってきた1984年に、多摩動物公園でも飼育が始まりました。柵がないのでコアラの様子が見やすく、カメラで撮影しやすいのがうれしいポイント。2022(令和4)年6月には、オスの「きんとき」が誕生しました。

コアラが食べるユーカリの葉には毒があり、消化するのに長い時間がかかるため、1日に20時間も睡眠をとります。そのため、動いている姿を見るのは至難の業!

運が良ければ動いている姿を見られますが、眠っている姿もかわいいですよ。

 

カンガルー

カンガルー舎の園路からは、アカカンガルーを目の前で見られます。ジャンプする姿を見られるかと期待して入りましたが、暑い日だったせいか、みんなごろりとお昼寝中。遮るものがまったくないので、カンガルーたちをより身近に感じられますよ。

 

・「昆虫園」で注目の生き物

昆虫生態園と昆虫園本館、2つの建物からなる「昆虫園」。世界の珍しい昆虫から、カブトムシやバッタといった身近な昆虫まで観察できます。変わったところでは、珍しいゴキブリの展示もあります。嫌われものですが、相手をよく知ったら対処できるかもしれません。

 

チョウ

昆虫生態園には日本最大級のチョウの温室があります。約1000頭のチョウが飛びまわる様子はまるで自然の楽園!デートスポットとしても人気です。

日本最大級のオオゴマダラが、肩や頭にとまることがあります。温室を出るときは、チョウをつけたまま出ないよう注意してくださいね。

 

ハキリアリ

日本ではここでしか見られないハキリアリ。その名の通り葉を切って巣に運び、それをもとに菌を育てる、農業をするアリなのです。

しかも、すべてのハキリアリが葉を運ぶわけでなく、「葉を採ってくる」「その葉を適度な大きさに切る」「菌を培養する」「敵から菌の培養所を守る」など、それぞれ役割分担されています。

無数のハキリアリの姿に最初はびっくりしましたが、せっせと働いている様子を見ているうちにとってもかわいく見えてきて、気付けば長時間眺めていました。

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