安曇野の清流で笑顔あふれる川下り!遊びと学びがいっぱいの体験でした【あそびチャレンジ#07 ラフティング(清流川下り)編】

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【あそびチャレンジ#07 ラフティング(清流川下り)編】

夏らしい暑~い日々が続いた今年の夏休み。やっぱりお出かけするなら、水遊びができるスポットに行きたい!ということで、小学4年生の風花(ふうか)ちゃんと4歳の陽花(はるか)ちゃん姉妹はお母さんと一緒に長野県の安曇野へ。今回は親子でラフティングに挑戦するんです!

「ラフティングってちょっと激しいイメージがあるじゃないですか。陽花はまだ無理だな…って思っていたんですけど、“清流川下り”というものを見つけて。いろいろな水遊びを楽しみながら、ゆったり川を下っていくそうなので小さい子どもでも安心して楽しめそうなんですよ」と、3人そろって川下りができることにお母さんもうれしそう!

2人は川遊びが大好きで、おばあちゃんの家に帰省したときやキャンプに行ったときなど、たびたび川に親しんできたそう。風花ちゃんは東京都の奥多摩でいかだ下りの経験もあり、またやってみたいと思っていたのだとか。

陽花ちゃんはまだアクティビティツアーの経験はなし。もうすぐ5歳になることもあって、本格的な川遊びの楽しさを知ってほしいとツアーを探していたそう。選んだのは、長野県安曇野市で開催されている「あめんぼう」の清流川下りツアーです。

「湧水が多い安曇野は清流が多く、緑も豊か。いつか安曇野で川下りがしたいと思っていたんです」とお母さん。いくつもの急流を下るラフティングのツアーは、参加条件が小学生以上のものがほとんど。しかし「あめんぼう」のツアーは、“清流川下り”として流れが緩やかな区間を下るので、1歳から体験できるんです。子どもの川下りデビューにはぴったりのツアーですよね!

ボートの揺れにテンションUP!天然のアトラクションを満喫

集合場所である「あめんぼう」のベースで水着に着替えたら、ガイドさんが選んでくれたライフジャケット、ヘルメットを装着し、パドル片手にバスへ乗車。スタート地点まで移動します。

バスで移動した後は、ボートの準備ができるまで「安曇野わさび田湧水群公園」で待機。園内で底まで見渡せるほどきれいな湧水を見つけた2人は、水にふれたくて仕方がない様子です。

「全身で入るのは禁止されているけど、手でさわるくらいは大丈夫だよ」そんなガイドさんの言葉を聞くと、待ってましたとばかりに風花ちゃんも陽花ちゃんも水に手を浸します。「うわ、冷たい〜!」「気持ちいい!」8月後半のこの日、最高気温が30℃を超えた安曇野市は夏らしい暑さ。湧水の冷たさがとても心地良かったみたいです。

「誰かに水をかけるならパドルで水面を叩くといいよ!」と、イタズラの方法をガイドさんに聞いた風花ちゃん。ニヤリと微笑むと、お母さんに狙いをつけてパドルをばしゃり!初めてなのにうまく命中しました。

お姉ちゃんの一撃を見て、陽花ちゃんもマネをします。あちこちで水しぶきと笑い声が上がり、ウォーミングアップは上々。テンションも上がってきたところで、いざボートへ!

乗船する前に、ガイドさんがパドルのTグリップの握り方、ボートの座り方など、丁寧に教えてくれます。「前漕ぎ、後ろ漕ぎ、つかまる、ジャンプ、ハイファイブ、今日はこの5つのアクションを覚えてもらいますよ〜!」パドルを使ったことのある風花ちゃんは前漕ぎ、後ろ漕ぎを試しますが、初めてパドルを持つ陽花ちゃんは「?」の表情。

そんな陽花ちゃんに、ガイドさんが近くで摘んできた花をヘルメットに挿してくれました。「かわいい!『はなかっぱ』みたいだね」とお母さん。にこにこの陽花ちゃん、張り切ってボートに乗り込みます。

さあ、いよいよ実践です。陸上でやるのと、実際に川にパドルを入れて漕ぐのとでは大違い。特に後ろ漕ぎはブレード(パドルの先端の水をとらえる部分)に水圧がかかり、ぐっと力を入れる必要があります。「無理〜、できないよ~」まだ手が小さい陽花ちゃんはTグリップをうまく握れず、力を入れて漕げません。そのぶん風花ちゃんががんばります。

パドリングに慣れてきたころ、ガイドさんがちょっとしたお楽しみを仕掛けてくれます。最初に下る万水川(よろずいがわ)は川幅も狭く、ゆったりとした川ですが、ところどころ白く泡立つ落ち込みが…。

「パドルを置いて、ロープにつかまって!」というガイドさんの掛け声にワクワクする2人。次の瞬間、ボートは横向きになって泡立つスポットに突撃です!

ボートが大きく揺れて2人は大喜び!さらに次は、橋脚にわざとボートをぶつけます。「すごい揺れたね!楽しい〜!!」風花ちゃんはもちろん、陽花ちゃんもとびっきりの笑顔。予想のつかないボートの動きに、2人のテンションは上がりっぱなし。体にかかる水しぶきも気持ち良く、爽快感が全身を満たしていきます。

ときには落ち込みに合わせてお尻を何度もバウンドさせる“ジャンプ”にも挑戦。乗り越えたあとは、ガイドさんの「ハイファイブ!」の掛け声に合わせ、みんなでブレードを頭上で合わせて「イエーイ!!」この一体感もラフティングの醍醐味です。

ボートから降りて水遊び!学びが多かった未知の生き物との遭遇

万水川を下る途中で立ち寄ったのが、「大王わさび農場」の風車小屋。黒澤明監督の映画『夢』に登場したという趣ある風車小屋の前で記念撮影です。

人気の観光スポットなんですが、子どもたちは興味なし!「もう入ってもいい!?」「まだ入れないの~!?」と、早く川に入りたくてうずうずしています。

ガイドさんがボートから降ろしてくれると「うわっ!冷たい〜!!」と大騒ぎ!実は風車小屋の前を流れる蓼川(たでがわ)は湧水が多く、透明度抜群な代わりに水温も低いんです。

「よし、じゃあ川に浮いてみようか!」ライフジャケットを装着しているので、仰向けになって力を抜けば自然と水面に浮かびます。これが、体だけで川を下るボディラフティング!初めはうまくできなかった陽花ちゃんも、ガイドさんのサポートでリラックスして川に漂う気持ち良さを味わえました。

水車小屋のあとに待っていたのは水遊びタイムです。川岸にボートを泊め、川幅の広い犀川(さいがわ)へ。ガイドさんがみんなに水鉄砲を手渡し、水の掛け合いのスタートです!「ガイドさんを狙えー!」と風花ちゃん。ガイドさん目がけて水鉄砲をプシュプシュ!お母さんも童心に返って水鉄砲を構えます。

陽花ちゃんも何度も水を補給しながら応戦します。こういうときって、子どものほうが容赦がありませんよね。

「犀川でも流れてみようか!」ガイドさんが風花ちゃんを連れていきます。先ほどボディラフティングをした蓼川と比べ、犀川はずっと川幅が広く開放的な雰囲気。ガイドさんが手を離すと、すい〜っと自然に流れていきます。これがとっても爽快!

「冷たいけど、楽しかった〜!!」と風花ちゃん。視線の先には青い空と白い雲。耳には川の音がダイレクトに響き、美しい自然と自分だけ、そんな世界を堪能していたのかもしれません。

浅瀬には小さな魚がたくさん泳いでいました。「これはウグイの稚魚だね」とガイドさんが教えてくれます。生き物探しが大好きな風花ちゃんと陽花ちゃん。「これもウグイ?」「うーん、ヤマメかもしれないね」石を持ち上げてみるとまた新たな生き物が見つかり、興味が尽きません。「ほら、とれたよ!」と風花ちゃん。手のひらには小さな魚が動いています。

「稚魚は動きが速くてなかなかつかまえられないんだよ。すごいね!」とガイドさん。しかし、水の中で生きる魚を温かい手でつかまえることは、魚がやけど状態になることを教えてくれました。「知らなかった!すぐ戻してあげないと」水の中にそっと魚を戻してあげます。

ボートに戻ると、「あっ!足に虫がついてる!!」風花ちゃんの足に小さな黒い虫がくっついていました。虫を払おうとする風花ちゃんに「これはざざ虫だね。悪さはしないから平気だよ。長野の人はこれを佃煮にして食べるんだよ。昔はざざ虫が重要なタンパク源だったんだ」とガイドさん。「えー、これを食べるの!?」と陽花ちゃんはびっくり。「さわってみる?」ガイドさんの言葉に恐る恐る手を出します。

ダンゴムシやカエルは平気な陽花ちゃんも、ざざ虫との遭遇は初めて!ちょっと異様なその姿をまじまじと見つめます。川岸ではヤナギの樹液を吸うオオムラサキにも出会い、たくさんの生きもの観察ができました。

油断禁物!川遊びは楽しいけど危険と隣り合わせ

「ここでちょっと川の流れについて話したいと思います」と、真剣な表情のガイドさん。「岩があるところ、深いところでは流れが強くなり、ライフジャケットを装着していても100%安全ではありません。特に渦巻いて白くなっているところは空気が多く、ライフジャケットの浮力は半減してしまいます。巻き込まれたら出られない。川で遊ぶときはライフジャケットを着けた上で、浅くて流れがゆっくりの場所を選んでください。そしてお父さんお母さんは絶対にお子さんから目を離さないことが大切です」

川での救助講習の経験も踏まえた詳しい説明に、「ライフジャケットを着けていても安全じゃないというのは衝撃でした。これまで以上に気をつけたいと思います」とお母さん。風花ちゃんも「ガイドさんって救助の練習もしてるんだね。すごい!」と感心したようす。ガイドさんが万一に備えて救助の訓練もしているからこそ、安心で安全なツアーを催行できているということを実感できたひとときでした。

再びボートに乗ってラストスパート。万水川、穂高川、高瀬川の3つの川が合流する地点へ突入します。川の色が異なる2色の川が接しながら流れる珍しい光景に「川の色が違うよー!」と陽花ちゃん。先ほど遊んだ犀川に合流すると川幅がぐんと広くなり、ゆったりとした流れで進むリラックスタイムがやってきました。

風花ちゃんと陽花ちゃんはボートのへさきに座り、風を浴びています。「気持ちよくて眠くなってるんじゃない?」お母さんが2人の顔をのぞきます。おしゃべりな2人が黙っているなんて、よっぽど心地良かったのでしょう。

ボートの揺れでスリルを味わったり、初めて見る生きものに目を輝かせたり、川の怖さを理解したり。遊びと学びがいっぱいだった約8kmの清流川下りツアーもこれで終わり。どうだった?と声をかけると「波でボートが揺れるのが楽しかった!ざざ虫にはびっくりしたけど…。またやりたいな!」と風花ちゃん。陽花ちゃんも「ボートがボヨンボヨンってなるのが楽しかったよ〜。水鉄砲でみんなにいっぱい水かけちゃった!」とご満悦。

「激しい流れがなく、4歳の娘がいても終始安心して楽しめたのがとても良かったですね。陽花はパドルで漕ぐよりボートに乗ること自体を楽しんでいたようで、本人の好きなスタイルで楽しませてくれたガイドさんに感謝です」とお母さん。子どもの特性をつかんで接してくれるガイドさんに2人はすっかり心を開き、全身で川遊びを楽しめたようです。

夏の大切な思い出を絵に残した風花ちゃん。水鉄砲で楽しく遊んだ雰囲気が伝わってきます。川底に水草が揺れるようすも描かれており、澄んだ清流の光景が印象的だったよう。水面から顔を出した川鵜の姿もありますね。

陽花ちゃんもボートに乗ったようすを描いていますが、ハートやキラキラした装飾が思い出の楽しさを物語っているようです。自分だけパドルを持っていないのも、ツアー中の状況をしっかり覚えているみたい。次に体験するときは、パドルで漕ぐことにもチャレンジできるといいですね。

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<文=松尾ちはる 写真=恩田拓治>

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