滝登りや滝壺ダイブまで!初めての川遊びで奥多摩の渓流を大冒険しちゃいました【あそびチャレンジ#05 シャワークライミング編】

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【あそびチャレンジ#05 シャワークライミング編】

渓谷で水しぶきを思いっきり浴びながら楽しむアクティビティ「シャワークライミング」。よく似たアクティビティに「キャニオニング」がありますが、キャニオニングが渓流を下っていくのに対し、渓流を登って行くのがシャワークライミングです。

途中でロープを使って段差を登ったり、傾斜が緩やかな滝をウォータースライダーのように滑ったり、大きな岩の上から滝壺に飛び込んだりと、さまざまな体験を通じて思う存分に川遊びが楽しめます。そんなシャワークライミングに、小学5年生の仁智(じんち)くんと1年生の心晴(みはる)ちゃん兄妹が初挑戦!

仁智くんは、小学1年生から続けている少林寺拳法に夢中の元気な男の子。宿泊学習で初めてカヌーを体験し、今回のシャワークライミングに興味を持ったとのこと。心晴ちゃんはなわとびが大好きで、いつも公園で元気に外遊びするアクティブな女の子です。

 

「2人とも海で泳いだことはあるのですが、川で泳ぐのは初めて。興味はあったのですが、川はちょっと危険なイメージがあってこれまで連れて行ったことがないんです」とお父さん。でもシャワークライミングは、安全なコースを2人のガイドさんと一緒に歩くと知って、初めての沢登りにチャレンジしようと思ったそう。シャワークライミングは、ウエットスーツ、ヘルメット、ライフジャケット、そして水の中でも歩きやすい専用シューズを着用するので、泳ぎが不得意な子どもでも体験しやすいんです。

歩いてさわって水音を聞いて。五感で感じる大自然!

ガイドさんによるとコースは数パターンあり、その日の参加者の熟度や年齢、川の水量などを考慮して適正なコースを選ぶのだそう。この日は前日に雨が降り、水量がやや多かったので、短めのコースをゆっくり楽しむ内容となりました。ベースで装備を整えて、ガイドさんの運転する車で沢に出発! ツアーのスタート地点に着いたら、ガイドさんから歩き方のコツを習います。

「ぐらぐらと動く石と動かない石があるので、必ず動かないことを足で確かめて、足を上から置くように歩くのがコツです」とガイドさん。沢の石は苔が生えているものも多いので、滑らないように苔の石を避けるのが大事とのこと。また、体の重心はあまり前傾にさせずまっすぐ立つように歩く方が、水に流されずにしっかり歩けるそうです。歩きにくいところは岩につかまったり、危険を感じたら水のない岸を歩いてもOK。自分の体力や川の状況を見ながら、臨機応変に歩いてみましょう。

シャワークライミングは流れに向かって歩くので、なかなか体力を使います。それだけに、少し歩くと体がポカポカしてきました。「心晴、ほらっ! 気持ちいいだろ~」と、仁智くんが心晴ちゃんに水をかけると「冷たくて気持ちいい~!」と心晴ちゃんも大喜び。最初は冷たかった水が、だんだん心地良くなってきます。

「おっ! 深いところは浮いたり泳いだりした方が前に進みやすいぞ」と仁智くんが発見しました。膝上くらいの深さになると、水の抵抗も大きくなるので、しゃがんで水につかって浮力を利用し、岩につかまって進むとスイスイ前進できるんです。

新たな発見にテンションがアップした仁智くんは、どんどん前へ進んでいきます。「お兄ちゃん、待って~」と寂しそうな声を出す心晴ちゃんに、「ほら、心晴も一緒に行こう。心晴は泳ぎが得意だから、大丈夫だよ!」とお父さんに励まされ、肩まで水に入りました。ウエットスーツとライフジャケットのおかげで、沈むことはありません。泳ぎが得意な心晴ちゃんは、コツをつかんだようで水流を浴びながら、気持ち良さそうに泳ぎだしました。

仁智くんは、すっかり沢歩きをマスターした様子で、機敏な動きで前に進んでいきます。岩に登ったり、強い流れにドーンとぶつかっていったり、もうシャワークライミングの楽しさに夢中です。最初はお父さんの手をぎゅっと握っていた心晴ちゃんも、途中からはひとりで歩き始めました。

「心晴、手を離して大丈夫?」「うん、平気! ちゃんと岩をつかんで歩けば大丈夫だよ」と心配するお父さんに元気に答えます。ガイドさんによると、身軽な子どもの方が大人よりコツをつかむのが早く、ほとんどの参加者が短時間で沢歩きをマスターするのだそうです。

水しぶきを上げて豪快に流れる滝登りにチャレンジ!

渓流をどんどん進んで行くと、目の前に小さな滝が出現!「きれいだね~」なんて眺めていた心晴ちゃんですが、この滝を登ると聞いてちょっとビックリ。「え~、この滝を登るの? そんなの無理だよ~」と困った表情を見せました。

シャワークライミングのコースには、大小の滝が4ヶ所あり、その日の参加者に合わせて、登る滝をチョイスするのだそう。この滝は短めで、比較的簡単な場所とのことですが、それでもダイナミックな水しぶきを上げて流れる滝は迫力たっぷり! 滝の上のガイドさんが下ろしてくれるロープをつかんで登っていきます。

まずは仁智くんからチャレンジ。しっかりロープを握って、岩に足を固定。ロープを手繰り寄せながら足と手を同時に動かして、見事に滝を登りきりました。「さあ、心晴もがんばってみよう! ここまで来れたんだから、滝も登れるよ!」とお父さんに励まされ、心晴ちゃんは何かを決意したように「うん」と大きく頷いて、ロープを力強く握りました。

「手を前に動かして。はい、右、左!」とお父さんの声に背中を押され、ぐいっとロープを手繰り寄せますが、水流の強さに押し戻され滝壺にボチャン!「心晴、がんばれ!」と滝の上から仁智くんも大きな声援を送ります。歯を食いしばって、ようやく登りきった心晴ちゃんの満面の笑みに、仁智くんもお父さんもニッコリ。「やったー! すごいな、心晴」と仁智くんもうれしそう。

滝の上まで来たら折り返しです。滝を下りる方法は2つ。1つは岩の上から約3m下の滝壺にジャンプ! もう1つは、スライダーのように滝を滑り下りる方法です。「ちょっと怖いけど、やってみたい。僕はジャンプする!」と勇気を見せた仁智くん。3mの高さとはいえ、崖の上に立つと想像以上に高く感じます。崖に当たらないように、勢いよく前方に飛び出すのがコツです。

心配そうに見つめる心晴ちゃんとお父さんに手を振りながら、弧を描くようにジャンプした仁智くんは、大きな水しぶきを上げて滝壺にドボン!「これは負けていられないな。よーし、やるぞ!」とお父さんもジャンプ! 「怖かったけど、飛んでしまえば楽しい!」と仁智くんはピースサインをしてくれました。

心晴ちゃんはスライダーを選びました。ガイドさんにサポートされながら滝を滑り下ります。「キャー! おもしろい~」と心晴ちゃんも、仁智くんとお父さんの待つ滝壺にドボン! 3人でハイタッチをして滝を登りきった達成感を味わいました。

帰路は流れに身を任せれば登るより楽に進めます。もう、このころになると仁智くんも心晴ちゃんも、すっかり川歩きに慣れた様子。「あ、鳥が飛んでるよ。なんていう鳥なのかな?」「あ、あそこにカニがいるよ」と2人とも景色や周囲に目を配る余裕も出てきました。

「心晴、浮かべば楽ちんだよ」と仁智くんは、川の真ん中をスイスイと流れていきます。「あ、待って~。私もやる~」と仁智くの後に続く心晴ちゃん。置いてきぼりをくらったお父さんですが、たくましい2人をうれしそうに眺めていました。

「川の流れを体感できたのが楽しかった! 流れに逆らって進むとき、流れに身を任せた方が体が動かしやすいのには驚きました。川の上流で崖から飛び込むのは、かなり怖かったです。最初はドキドキしたけど、やってみると上手くいったので、何でも思い切って挑戦することは大切だなと思いました」と仁智くん。怖そうな表情も見せず、軽々とジャンプした様子でしたが、実際はドキドキしてたのですね。

「スライダーはちょっと難しかったかな。でも、シャワークライミングは最初に思っていたより、怖くなくてとても楽しかったです。水がとっても気持ちいい。また、やってみたい!」と心晴ちゃん。

「長男が5年生になり、家族で一緒に遊ぶ機会が減ってきていたところ、みんなで力を合わせて遊べたのがとてもよかったです。シャワークライミングは、先が読めないワクワクさが楽しいですね。当初は子どものためにと思って参加したのですが、途中から自分が夢中になりました。最初、怖がって、ずっと私の手を握っていた娘が、途中からどんどん1人で先に進むのを見て、とてもうれしかったです」とお父さん自身もシャワークライミングを存分に楽しめたようです。

勢いよく流れる川に逆らってみたり、滝をロープ1つで登ってみたり、いろいろと勇気が試されるシーンが多いシャワークライミング。すべての難関を乗り越えて帰途につく仁智くんと心晴ちゃんの姿は、ツアー前よりずいぶんたくましくなったように見えました。

仁智くんが描いた思い出の1枚。奥多摩のダイナミックな自然とアクティビティの迫力がしっかり表現されています。やっぱり勇気を出して挑戦した滝壺へのダイブが印象的だったようですね。

心晴ちゃんが描いたのは、3人で楽しそうに川を探検している絵。心晴ちゃんがパパとお兄ちゃんを連れて、グングン川を進んでいます。川の流れの激しさをうまく絵で表現していますよね。

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<文=永浜敬子 写真=宮川朋久>

※掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

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