新江ノ島水族館(えのすい)の見どころは?親子で楽しめるイベントや展示を一挙に紹介!

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えのすいに広がる個性豊かな海の世界

ほかにはない個性的な生態展示を楽しめるえのすい。今回は全14ゾーンの中から、注目の展示をピックアップして紹介します。

 

・迫力の波と大型水槽に感動する「相模湾」ゾーン

展示の入口に一歩足を踏み込むと、目の前には豪快に波が打ちつけられる相模湾ゾーンの大水槽が迎えてくれます。

こちらはえのすいに欠かせない相模湾の生き物たちを紹介する場所で、メインの展示エリアになります。相模湾は、富山湾・駿河湾とともに日本三大深湾と呼ばれ、深いところで1,000m以上の水深がある湾なのです。

左側の水槽には波がなく、とても静か。静と動のコントラストがはっきりしていることで、さらに波の迫力を感じられる配置になっています。

ちなみに左側の水槽には、複数の種類のウミヘビがいます。砂に埋もれた黒いタイヤチューブのように見える物体も、実はウミヘビ。一見わかりにくい場所にいる生き物を見つけるのも、水族館の楽しみでもありますね。

大きな水槽の奥には、えのすいオリジナルキャラクター「あわたん」と一緒に写真を撮れるフォトブースがありました。えのすいを象徴する映えスポットで、記念撮影にはぴったりです。フォトフレームやキーホルダーも購入できます。

江の島海岸の岩礁を再現した「岩礁水槽」では、コブダイが海藻の間から顔を出していました。

さらに進んだ先にある「海岸水槽」では、江奈湾(三浦市)、長井のアマモ場(横須賀市)、逗子沖サンゴ(逗子市)、湘南港(藤沢市)など、相模湾の各地域に存在する海岸の様子をできる限り再現したエリアがあります。

神奈川県三浦市にある江奈湾の干潟を再現した水槽では、カニなどの小さな生き物たちが暮らしています。磯で暮らす生き物たちを上から観察できる展示で、ずっと見ていても飽きないつくり。子どもから大人まで、立ち止まって覗き込む人たちの姿であふれていました。

「相模湾キッズ水槽」は、低い位置にいくつもの小窓がある展示水槽。子どもでも見やすい高さで、小さな生き物たちの暮らしを覗き見できます。

ひとつ覗いてみると、黄色いオニオコゼ(写真右側、左側は通常のオニオコゼ)を発見しました。黄色いオニオコゼの飼育は難しいそうですが、えのすいではすくすくと育っています。

壁から天井までガラス張りのトンネル型水槽では、2匹のエイが仲良く泳いでいます。ちなみに目のように見えるのはエイの鼻。エイの目は体の反対側についています。

トンネル型水槽の側面はカーブを描いているため、手を伸ばしても壁にたどり着けず、そのまま海に入ってしまいそうな感覚を味わえます。海との一体感を楽しめるスポットなので、ぜひ手を伸ばしてみてください。

さらに進むと、累代繁殖にも成功した世界初のシラス展示「シラスサイエンス」があります。カタクチイワシの赤ちゃんであるシラスは、少しでも環境が変わると弱ってしまう繊細な生き物。ここでは生まれたばかりのシラスから、食卓に出るまでの成長過程を楽しめます。

薄暗いシラスエリアを進んだ先、パッと視界が開けるのが「相模湾大水槽」です。この水槽は、展示館の入口前で見た波のある水槽とつながる、えのすいのメイン展示。相模湾を代表する魚種のひとつであるマイワシ約8,000匹の群泳をはじめ、浅瀬から海底までに生息する約100種・20,000匹の魚を楽しめます。

高さは9m、水深6.5m、底面積144平方メートル、容量1,000トンの巨大な水槽で、厚さ41cmのアクリルガラスでつくられています。運が良ければ、えのすいトリーターと魚たちがふれあうパフォーマンスに遭遇できるかもしれません。

ちなみに相模湾ゾーンの魚たちが食べるエサは、魚の口の大きさに合わせてそれぞれ用意するそうです。底の方に棲んでいる魚には、えのすいトリーターがダイバーとして潜り、直接エサをあげる場合もあるそうです。

これだけの魚がいると、マイワシのような小さな魚は、ホシエイなどに狙われる場合もあるのだとか。ほかの魚を満腹にさせることで、外敵から身を守れるように配慮しているそうです。

・日本初の潜水船展示に大興奮!深海の世界を覗き見できる「深海I・Ⅱ」

水深200m以上で、太陽光がほとんど届かない深海。えのすいでは、世界の海の95%を占める深海の不思議な世界を紹介・展示しています。

えのすいは、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)と協力し、深海に棲む生き物の長期飼育法に関する共同研究を行っています。「深海I」では、実際の研究成果や様子を詳しく公開。憧れの深海魚について知りたい人には、かなり興奮するゾーンとなっています。

深海Iとは少し離れた場所にある「深海Ⅱ」では、JAMSTECが所有する日本初の本格的な有人潜水調査船「しんかい2000」の実物が常設展示されています。

全長9.3mで、最大潜航深度は2,000m。操縦者2名、観測者1名の計3名乗りの調査船です。1982年から20年以上にわたって1,411回もの潜航を行った船体だけあり、迫力があります。

実はこの「しんかい2000」は、自走での長距離移動には向かない母船搭載式調査船です。全長67.4mの支援母船「なつしま」などに搭載されて世界中の海域へ出向し、目的地で調査に挑んできました。

調査時は、船体の前方に装着されたアーム「マニピュレータ」を船内の操縦席から動かし、海底の泥や岩石、生物などを掴んで採取します。

船体の前方上部は突出した形状となっており、対象物を真上から認識して調査できます。たとえ調査中に上部から障害物が落ちてきたとしても、対象を守れる形状になっています。

突出部分には多くのフックが付いていて、マニピュレータでは掴めない砂や、傷つきやすい生き物を吸い込む吸引機、ライトなどを装着可能。調査対象や状況によって装備を変化できる仕様になっています。

またえのすいでは、水中ドローンを使った海底調査を、漁師さんの協力を得て実施しています。

2022年の冬には、小学生向けイベント「水中ドローンが見た!江の島沖の深海生物」を開催予定。実際に参加すれば、不思議な深海世界をより身近に感じられるはずです。

・世界一のクラゲも楽しめる!幻想的な「クラゲの世界」

幻想的なクラゲを楽しめるゾーンは、「クラゲファンタジーホール」と「クラゲサイエンス」の2ヶ所に分かれています。なかでも、クラゲの体内を思わせる半ドーム式のクラゲファンタジーホールの美しさは格別です。

中央にある球型水槽「クラゲプラネット(海月の惑星)」に魅了されているうちに、美しい海の世界を巡る旅がスタート。壁面には大小13の水槽があり、世界で一番大きなクラゲのひとつとして知られるシーネットルをはじめ、常時約14種類のクラゲを楽しめます。

現在のクラゲファンタジーホールは、1988年、前身である江ノ島水族館時代に作られたクラゲファンタジーホールを進化させたもの。60年以上のクラゲの飼育研究と、展示手法で培われた経験、そして「世界一美しいクラゲ展示を目指す」という展示へのこだわりが詰まった空間です。ここからは、興味深いクラゲを少しだけ紹介しましょう。

クラゲファンタジーホールの正面で漂う「パシフィックシーネットル」。カリフォルニアのモントレー湾など、北太平洋~北米太平洋沿岸に生息する大型のクラゲです。傘は濃い黄色で、赤褐色の長い触手が特徴的。独特な存在感を放っています。

クラゲファンタジーホールの正面右隣りで見られるのが「ミズクラゲ」。東京湾ではパッチと呼ばれる群れのような状態で見られます。触手は短く、小さな見た目が特徴。プカプカと浮遊する様子はとてもキュートです。

傘の縞模様(しまもよう)が特徴的な「パープルストライプドジェリー」。ケンカしているのか、あるいは戯れているのか、見ていて飽きのこないクラゲです。

「クリサオラ・ラクテア」は、南アフリカ大陸の大西洋岸に生息するクラゲ。ふわふわのスカートを履くように漂う姿は、まるで妖精のような美しさです。

クラゲファンタジーホールの隣りのエリアにある「クラゲサイエンス」には、その日に採れたクラゲを展示する「毎日クラゲ採集」や、トリーターがまとめたクラゲの情報を見られる「タッチパネル図鑑」などもあり、子どもも楽しめるつくりになっています。

なかでも毎日クラゲ採集は、クラゲ担当のトリーターが自転車で水族館周辺の海に行き採集した、新鮮な情報を得られる点が魅力です。

海の中にいるクラゲは、素人にはなかなか見つけられません。毎日クラゲに接しているトリーターだからこそできる採集記録。えのすいへ行った際には、ぜひチェックしてみてください。

・えのすい生まれのアカウミガメに会える「ウミガメの浜辺」

ウミガメたちが暮らしやすい環境を考え、種ごとにエリアを分けて飼育・展示している「ウミガメの浜辺」。ウミガメを上から覗き込んだり、水中で泳ぐ姿を眺めたりできるエリアです。アカウミガメは基本的に水底にいることが多いそうですが、撮影日はちょうど水面から顔を出してくれました。

こちらを見て、手を振っているように見えるアカウミガメ。マイペースな性格で温厚そうに見えますが、実は気性が荒い生き物。同種同士では激しいケンカをするそうです。

そのため、アカウミガメ同士がプールで顔を合わせないで済むように、入り組んだ岩場を再現した環境にリニューアルしたほど。日陰や隙間が好きらしく、岩と岩の隙間に頭を突っ込んで休んでいることが多いそうですよ。

アカウミガメは凶暴な一面があるため、ふれあい系のイベントを担当するのは、アオウミガメです。温厚なアオウミガメは、ガラス張りのプールの側面から眺められます。

そんなウミガメの浜辺で注目したいのが、8月4日に生まれたばかりのアカウミガメの赤ちゃんです。

提供画像:新江ノ島水族館

絶滅危惧種に指定されているアカウミガメは、もともと熱帯から西熱帯にかけて広く分布していた生き物。南方の地域が産卵地のため、本州沿岸では産卵しないといわれていたところ、無事えのすいで生まれた貴重な赤ちゃんです。

画像提供:新江ノ島水族館

子ガメたちが誕生するまでには、大変な苦労があったのだとか。なかなか赤ちゃんができないため、水温やエサの内容を見直したり、血液や超音波などの定期検査をスムーズに行うために受診動作訓練を導入したり…。さまざまな検査や試行錯誤を経て、5月14日未明に母親のジロウ(メス)が砂浜に上陸し、産卵したのです。

8月4日の23:15頃、10匹の赤ちゃんが卵から脱出しました。9月2日時点で、127匹の赤ちゃんの脱出を確認。脱出時の大きさは、直甲長約4cm、直甲幅約3cm、体重は約20gほど。小さな命の誕生でした。

カメはエサを海水ごと丸飲みして栄養を摂取します。赤ちゃんはうまく沈んでエサを取れないため、えのすいでは浅いパットに移して、エサを食べやすいように工夫しています。

子ガメの展示に併せて、水槽から出して日光浴を行うこともあるそうです。時折、子ガメの時期にしかやらない「前脚を甲羅にのせて水面で浮遊物に擬態する姿」を見せることもあるのだとか。偶然見られたら超ラッキーですね!

画像提供:新江ノ島水族館

ウミガメの浜辺では、ウミガメ(アオウミガメ)とふれあえるイベントも充実しています。時期によって参加できる体験や時間が異なるので、お出かけする前に公式サイトで内容をチェックしておきましょう。

【ウミガメにタッチ】

えのすいトリーターがウミガメについてやさしく解説。エサをあげたり、甲羅にタッチしたりと、ウミガメとふれあいながら間近で観察できるイベントです。

【かめらいふ】

平日限定のウミガメ解説パフォーマンス「かめらいふ」は秋頃から再開予定。えのすいトリーターがウミガメの生態や給餌について楽しく解説してくれます。 

なお、親子で気軽に生き物とふれあいたいなら、ウミガメの水槽の近くにある「さかなのもぐもぐプール」がおすすめ。ふれあいプログラム「さかなにごはん」(200円)を実施しており、こちらはいつでも参加できます。

エサをあげるとウグイなどの魚たちが、すごい勢いで寄ってきます。子どもたちも大興奮すること間違いなしですよ!

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