【徹底解説】到津の森公園の魅力とは! 動物園と遊具の自然公園の基本情報や見どころなど

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福岡県北九州市にある「到津の森公園」は、市民と自然を結ぶ窓口となっている公園です。園内では動物をできるだけ自然な環境で飼育し展示するような工夫が凝らされています。遊具もあり、休日ともなると、子どもたちの元気な声が響きます。さらにはデートスポットとしても人気。今回は北九州市民に親しまれている到津の森公園の中でも、ぜひ見ておきたいすすめスポットを紹介します。また、お出かけの参考になるように、料金やアクセスなどの各種の情報も掲載しています。

到津の森公園とは?

北九州にある到津の森公園は、動物園と遊園地の要素を含んだ公園です。園内には約100種類500もの動物が暮らしています。かつては、西日本鉄道が経営する「到津遊園」でした。到津遊園は経営難のために2000年に閉園が決定します。しかし、閉園を知った北九州市民は存続のために動き、26万人もの人々から到津遊園を存続してほしいという要望が市に寄せられました。「到津遊園を残して」という多くの声に押されて、市議会は全会一致で存続を決議します。用地を買収して経営を引き継いだ北九州市は「自然・動物・人にやさしい施設づくり」を方針として整備しました。そして、2002年に「到津の森公園」が開園したのです。

到津の森公園の特徴は、単に珍しい動物を展示する動物園ではなく、自然環境をより深く知るための施設であること。そのため、できるだけ自然に近い動物の姿が観察できるような工夫が見られます。例えば、周辺の自然を活かし、それぞれの動物の生息環境に合わせた飼育空間を作ることなどです。また鉄のオリではなくガラスを使って展示する方法が多く使われていることも特徴。このために、迫力ある動物の姿を間近で見られるようになりました。

また、いろいろな人が訪れやすいように設備のバリアフリー化が進められ、園路の勾配を低くしたりエレベーターを設置したりしています。なお、友の会や動物サポーター制度によって、一般市民が積極的に支援することも可能です。到津の森公園は、まさに、北九州市民から愛される施設だといえるでしょう。

草原の世界

「草原の世界」は、シマウマなどの草食動物とライオンなどが暮らしているアフリカのサバンナ(熱帯草原)を再現したゾーンです。一般的な動物園では、動物のオリを横に並べているだけのことが多いのですが、ここでは、飼育する場所の配置や柵の工夫によって、動物が重なって見通せるようにしています。例えば、ミーアキャットの背後をシマウマやキリンが歩いているように見えるところなどがあります。ライオンの向こうを草食動物が歩いている様子を見ると、まるで、本当のサバンナに行ったような錯覚を抱くほどです。

またライオンは、一般的な動物園ではオリに入っていることが多いのですが、到津の森公園ではガラスビューが採用されています。透明のガラス越しに見るライオンの姿は迫力満点。ライオンの気が向いたら、来園者のすぐそばまで出てきてくれることもあります。実は、ライオンの運動場の中にある岩の中には、ヒーターが入っており冬は温かくなるのです。そのため、来園者は岩の上でライオンが身体を横たえて休んでいる姿を観察できます。

さらにキリンの展示場は、冬以外の季節には草が茂って自然の草原になります。植えられた樹木も成長しています。アフリカのサバンナの風景を想像しながらキリンを眺めましょう。展示の工夫として、キリンのエサ場を見下ろすような高い位置に通路が作ってあります。したがって、キリンが長い舌を器用に使ってエサを食べる様子をじっくりと観察できるのです。

林床の世界

「林床(りんしょう)の世界」では、池や川、林の中で生活する動物の姿を再現しています。熱帯雨林をイメージして、たくさんの草木を植えているため、動物が茂みに隠れて見えにくいこともあります。しかし、自分の姿はできるだけ隠しているのが本来の野生の動物です。姿を隠した動物を探しながら、自然に近い動物の生活空間を感じましょう。また、植物を植えることで、人工的なエサだけでなく、動物たちが好む植物を自由に取って食べられるようにしています。動物の幸せを考慮した施設作りが試みられているのです。

トラの展示場には、トラの姿を隠すかのように植物が植えられています。トラを見せるだけなら、何もないコンクリートの床にすればいいでしょう。しかしここでは、トラの縞模様には姿をカモフラージュする働きがあることを理解してもらうために、あえて森林をイメージして運動場が作られました。

さらに、チンパンジーの運動場には、自然な生活ができるように、果樹を含むさまざまな木々が植えられています。高さ15mものタワーも設置してあり、チンパンジーの遊ぶ姿が、ガラス越しによく見えます。クロキツネザルのスペースには、回転する遊具やロープなどが置いてあります。遊具が置いてある理由は、「動物たちを楽しませる」ため。動物の幸福を考えているのです。その他にも、カワセミのケージには水に入れるように池を造り、インコのケージには好物の花を植えて食べさせるなど、動物本来の行動を見せてくれます。植物も豊富で自然に近く、動物たちが感じるストレスができるだけ小さくなるように工夫した施設であることがわかります。

そして、ジャングルを抜けて開けた空間には、セイロンゾウがいます。ここのゾウには、エサ(100円)をやることができて好評です。ゾウは長い鼻を伸ばして、エサを来園客の手から受け取ってくれます。

樹冠の世界

サルや鳥たちが樹の上で生活しているジャングルを再現したのが「樹冠(じゅかん)の世界」です。高さ6mもある大きなケージの中では、ジェフロイクモサルやフクロテナガザルたちが自由に動き回っています。その姿は、高い場所に作ってあるウッドデッキから動物と同じ目線で眺められます。デッキに置かれた鳥かごからは、にぎやかなオウムやインコのおしゃべりが響いているのが印象的です。

マダガスカルの世界

ふれあい動物園に隣接する「マダガスカルの世界」にあるのは、アフリカのマダガスカルに生息するクロシロエリマキキツネザルとワオキツネザルの獣舎。どちらも、絶滅危惧種の珍しい動物です。ともに、運動能力が高い動物で、よく、ぴょんと跳び上がったり、何かにぶら下がったりします。高さ8mの獣舎で遊ぶこれらのキツネザルたちの姿は、1階の園路からガラス越しに眺めることも、2階の観覧デッキから見下ろすこともできます。

また、首の周りのフワフワした白い毛が特徴であるクロシロエリマキキツネザルは上下に運動するのが大好き。その様子を観察できるように、運動場の中にはタワーが作られました。2階デッキに立つと、ガラス越しにエリマキキツネザルが登ってくる姿が間近に見えます。ぜひ、デッキでその様子を楽しみましょう。さらに、ワオキツネザルは、シッポに白と黒の輪の模様があるので、「輪・尾」という名が付けられました。到津の森公園では、林床の世界と、このマダガスカルの世界の2カ所に分かれて飼育されています。小さい体ですが、3m以上の大ジャンプを見せることもあります。

ふれあい動物園

北ゲートから入ってすぐの場所にある「ふれあい動物園」では、ウサギやモルモットなどの小動物にさわれます。小さな動物に触れて、命の大切さを学ぶ絶好の機会です。ふれあいいの時間は、平日は13:00~14:30で、土曜、日曜、祝日は11:00~12:00と決まっています。また、ヤギやアライグマ、ニホンザルにはエサ(各100円)を与える楽しみもあります。人気のアライグマへのエサやりは、エサが売り切れると終了です。そのため、アライグマのエサやりを希望する人は、できるだけ早目にふれあい動物園に行くほうがよいでしょう。その他にも、体重30kgまでの人は、ロバの乗馬体験(200円)も可能です。小型でおとなしい動物ですから、心配はいりません。到津の森公園で、普段はなかなかできない体験をして癒しのひとときをどうぞ。

郷土の森林

「郷土の森林(もり)」は、森の木々が豊かな緑の木陰を作っている、散歩にも適した味わいのあるエリアです。「郷土」というだけあって、かつては日本の里でよく見られたノウサギやタヌキなどの小動物が展示されています。例えば、山の中のとんがり屋根の施設にいるのは、ムササビやカルガモたちです。また、ホンドダヌキは、日本の昔話に出てきそうな家の軒先をイメージした施設に住んでいます。どの動物も自然に近い形で展示されています。

さらに、自然の水辺の様子も再現されており、池にはメダカやドジョウ、ヒキガエルなどが見られます。その他にも、通り抜けられる施設の中をゆっくりと散歩すると、足元の茂みや頭上の木々にヒヨドリなどの日本の小鳥たちが隠れていことに気づくでしょう。野生動物が身近な存在だった時代に戻ったようで、どこか懐かしい気がします。

園地ゾーン

到津の森公園の北側は「園地ゾーン」として、子どもたちが遊べる遊具や乗り物がたくさん設置されています。一部のコイン式遊具以外は、券売機で回数券を購入する必要があります。乗り物の中でも、一番目を引くのは、芝生広場を取り囲むように走るミニモノレールでしょう。明るい色彩の木馬が回転するメリーゴーラウンドは夢がある乗り物です。その横にはサイクルモノレールや子ども汽車も動いています。そのほか、バッテリーカー、トランポリン、ボールプールなどの遊具もあり、子どもたちが元気に遊んでいます。なお、子ども列車は、車いす対応です。

動物を見るのに飽きたら、これらの乗り物や遊具で遊べます。100~200円の料金が必要ですが、ミニモノレール、子ども列車、メリーゴーラウンドは3歳以下子どもに限り無料で乗れます。ただし保護者は同伴しましょう。また、芝生公園の横の子ども広場には無料で遊べるアスレチック遊具も設置されています。芝生公園はその名のとおり、広々とした芝生のスペースです。学校や幼稚園などの遠足で来た子どもたちや、家族連れがお弁当を広げたり、走り回ったりしています。周囲にはベンチとテーブルも置かれています。

到津の森公園の料金

一般入園料金

 

  • 大人:800円
  • 中高校生:400円
  • 4歳~小学生:100円

到津の森公園の割引クーポン

割引料金

  • シニア料金(65歳以上):通常800円→400円
  • 障害者料金:一般料金の半額

団体割引(25名以上)

  • 大人:通常800円→600円
  • 中高校生:通常400円→300円
  • 4歳~小学生:通常100円→50円

到津の森公園では、動物のエサ代や公園の運営費を支援する「動物サポーター」と「到津の森友の会」の会員を募集しています。また、「到津の森公園基金」も募集中です。公園のゲートで入会の申し込みをすると、入会の口数や拠出した基金の額に応じて、年間の入園料を無料にしたり割り引いたりする「パスポート」が発行されます。どちらのパスポートも、本人のみ有効です。入会すると、会員限定のイベントへの参加や、メールマガジンサービスなどの特典も受けられます。

年間入園無料パスポート

「動物サポーター」または「到津の森友の会」に3口の入会(3,000円)をすると年間入園無料パスポートが即日発行されます。到津の森公園基金に10,000円以上を拠出しても、同様に年間パスポートが発行され、年間を通して無料で入園できるようになります。

年間団体料金適用パスポート

1~2口の入会(1,000~2,000円)で、年間団体料金適用パスポートが発行され、入園料が下のように割引されます。

  • 大人:通常800円→600円
  • 中高生:通常400円→300円
  • 4歳~小学生:通常100円→50円

到津の森公園の営業時間

通常開園時間

  • 9:00~17:00
    ※夏休み、大型連休、年始は時間が違ってきます。

休園日

  • 毎週火曜日
    ※3~5月、8月は無休

到津の森公園のアクセス

公共交通機関を利用する場合

  • 西鉄バス「到津の森公園前」バス停から徒歩約1分

車を利用する場合

  • 北九州都市高速「山路ランプ」から約15分
  • 北九州都市高速「下到津ランプ」から約5分

到津の森公園の駐車場

到津の森公園には、約600台の普通車用駐車場が用意してあります。到津の森公園北口交差点から入ると便利です。中・大型車用駐車場は予約が必要です。また、北ゲート側にも南ゲート側にも無料の駐輪場があります。

普通車用駐車場

第1駐車場(北ゲート横駐車場)

  • 住所:福岡県北九州市小倉北区上到津4丁目1−8
  • 駐車台数:80台(障害者用は3台)
  • 料金:1日600円(割引はありません)

第2駐車場(北ゲート横立体駐車場)

  • 住所:福岡県北九州市小倉北区上到津4丁目1−8
  • 駐車台数:520台(障害者用は8台)
  • 料金:1日600円(割引はありません)

中・大型車用駐車場(要予約)

南ゲート駐車場

  • 住所:福岡県北九州市小倉北区上到津4丁目1−8
  • 駐車台数:32台
  • 料金:1日1,000円
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