初めて鈴鹿サーキットを訪れました。東京から新幹線と近鉄を乗り継いで向かいましたが、途中の風景がどんどん広がっていくのが印象的で、旅の高揚感を感じられました。
到着すると、駅前からサーキット行きのバスやタクシーが出ており、街全体が「レースの町」という雰囲気に包まれています。少し曇り空でしたが、それもまた旅情を感じさせてくれました。

サーキット内は想像以上にファミリー向けのテーマパークとして整備されていて、「モートピア」というエリアでは子ども向けのアトラクションが充実しています。
ゴーカートやミニバイクなど、自分で運転できる乗り物が多く、幼児でも体験できるコーナーもたくさんありました。小さな子どもが目を輝かせて乗り物を楽しむ姿を見ると、こちらまで嬉しくなります。

一方で、レーストラックの本格的な雰囲気もすぐ隣に感じられるのが、この施設のユニークなところです。少し離れた場所からでもマシンのエンジン音が響いてきて、「今まさに何かが走っているんだ」という臨場感が伝わってきます。遊園地でありながら、“本物”のレースの気配が漂っているのは鈴鹿ならではです。

園内には飲食店や休憩スペースも多く、子ども連れでも無理せず回れました。
お昼はレストランで軽食を取りましたが、窓の外にピットレーンが見えて、まるで非日常の中で食事しているような感覚になります。スタッフの対応も丁寧で、子連れ客への気配りが感じられました。

天候が少し不安定だったことだけが惜しかったですが、むしろ真夏のような暑さではなかったので、体力的には過ごしやすかったです。屋内エリアや休憩所が多く、急な雨でも安心できました。

全体を通して、鈴鹿サーキットは「速さ」と「やすらぎ」が同居する不思議な場所だと感じました。
レースの世界はスピードと緊張感の象徴ですが、その隣で家族が穏やかに過ごしている光景を見ると、時間の流れがゆるやかに混ざり合っているように思えます。非日常と日常のあいだを、ゆっくり往復できるような体験でした。

帰りの電車では子どもがぐっすり眠ってしまい、旅の余韻を感じながら夫婦で静かに話をしました。小さなハプニングも含めて、すべてがいい思い出になりました。
次は晴れた日にもう一度訪れて、今度はレース観戦もしてみたいです。子どもが少し大きくなったら、きっとまた違う視点で楽しめると思います。