夏休みの自由研究にもおすすめ!桧原村の里山探検で自然のアートをいっぱい見つけてきました【あそびチャレンジ#22 裏山アート探検隊 みっけるん編】

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あそびチャレンジ#22 裏山アート探検隊 みっけるん編

「よく家族でキャンプに行くものの、自然をまじまじと探索するようなことはしたことがないんです。今回はいつもとは違ってしっかり自然と向き合い、その魅力などを子どもに知ってもらえればいいな…と思い、ツアーに参加してみました」

そう話すお父さんと一緒に、裏山探検のツアーに参加することになった小学4年生の翔太(しょうた)くんと年長さんの朱音(あかね)ちゃん。

探検の舞台となるのは、東京都の西部に位置する檜原村。緑豊かな山々に囲まれたエリアで、村の約9割が森という東京とは思えない自然豊かな里山です。

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今回チャレンジしたコースは、小さな子どもでも気軽に参加できる“川と里山コース”。用意されたガイドブックを見ながら、カメラや望遠鏡、ルーペといった探検セットを使って、里山に隠されたアートを探すワクワクの内容です。

「よし、隊長は翔太。あっちゃんは副隊長だ。がんばろうね!」と、お父さんに任命され、点在するアートポイントを探す旅がスタートしました。

子どもが主役となるこのプログラムは、ガイドの先導はありません。地図を見ながら、自由にコースを組み立てられるのが特徴です。
「どこから行こうかな。今がここだから~、うん!こっちから行こう!」と、頼もしい翔太隊長のリードに従って歩き始めます。

最初のポイントは苔の観察。「うわ~、とってもふかふかしてるね。ねえ、父もさわってみて!」と朱音ちゃん。ちなみに朱音ちゃんも翔太くんも、お父さんのことを父(ちち)と呼んでいます。

「ほんとだ、クッションみたいだね。よし、あっちゃん、ルーペで観察してみよう」と、お父さんが探検セットからルーペを取り出し、ふたりに手渡します。

「えっ!ふかふかなのに、これで見るとトゲトゲしてるよ!なんだかサボテンみたい」と朱音ちゃん。
「目で見るのと全然違うね~。こんな形してるんだ。あ、こっちの苔はまた違う形しているよ!」と翔太くんは新しい発見に夢中です。

遠目には同じ緑の絨毯のように見える苔ですが、ルーペで観察すると、さまざまなな種類があることがわかり、その違いを見つけるのが楽しそう。

この日はとても暑い日でしたが、暑さをもろともせず、軽快な足取りで探検を続ける翔太くんと朱音ちゃん。その健脚ぶりに驚かされましたが、なんと家族全員トライアスリートというスポーツ一家なのだそう。翔太くんはレースに備え、水泳や陸上のスクールでトレーニング。朱音ちゃんも、今年初めてトライアスロンにチャレンジしたのだそうです。

「次は川に下りてみよう」という翔太隊長の言葉に従い、みんなで河原に降ります。ここでは、カラフルな石をバランスよく組み立ててオブジェを作ることと、川にいろんな石を投げて、その音を聞くのがミッションです。

「あ、バッタがいるよ!」という朱音ちゃんの声に瞬時で反応し、目を輝かせて追いかける翔太くん。おうちでカナヘビを飼っているふたりは、生きものが大好きなんです。

「あ、ほら、あそこにシジミチョウもいるよ! おっ、こっちにはカマキリもいる!」と昆虫に詳しい翔太くんは、アートそっちのけで大興奮!「どこどこ~!」と、あかねちゃんも後を追って走り回ります。

「連れて帰れないから、捕まえちゃダメだよ~!」というお父さんの言葉に頷き、ふたりでイロイロな生きものを楽しそうに見つけていました。

虫探しもひと段落し、ふたりは再びアート探しへ。きれいに積み上がった石の塔を見つけ、探検セットの中からインスタントカメラを取り出します。このツアーでは、ひとり10枚ずつ好きな写真を撮ることができ、この日の思い出をしっかりカタチで残せるのが大きなポイントです。

早速、石の塔にカメラを向けてシャッターを切る翔太くん。

「え!なんか出てきたよ!?なんだろうコレ」と不思議そうな表情を浮かべて、朱音ちゃんと見つめ合います。

「あっ!そうか。ふたりともインスタントカメラは初めてだったんだ」と苦笑いするお父さん。
そう、スマホやデジカメでの撮影が当たり前の時代に生まれたふたり。撮ってすぐに写真が出てくるインスタントカメラなんて知るはずもありません。

「これはインスタントカメラといって、その場で現像ができるカメラなんだよ。今は真っ白だけど、しばらくしたら色が出てくるから」

「あ~! ほんとだ、だんだん写真になってきたよ、見て見てあっちゃん!」、「わぁ~きれい!色がついてきたよ。すごいね!!」と、初めて使ったインスタントカメラの楽しさに大さわぎです。

「よし、次は石を投げてみよう!」と、目の前の川に向かって小石を投げ込む翔太くん。そのようすを見ていた朱音ちゃんは、「さっきの石は“ポチャン”だったのに、今投げた石は“ドボン”だよ!」と、音の違いが気になったようです。

「ほんとだね、石によって音が違う。何でなんだろう?大きさかな、投げる高さかな?」と首をひねる翔太くんに、「じゃあ確かめるために、イロイロやってみよう!」というお父さんがアドバイス。ふたりでイロイロな大きさ、カタチの石を投げ始めます。

チャプン、ドボン、パシャン、ザブン、ポチャン!注意して耳を傾けてみると、投げるたびに音が違うというおもしろさ。子どもならではの観点から生まれた発見です。

「大きい石だから音が大きいというわけでもないんだね。こんなに音が違うなんてびっくり!不思議だよね」と、翔太くんの心に沸々と探究心が湧いたようでした。

自然だけでなく、時折大きな蔵や昔ながらの町並みが現れるのが里山探索の楽しさ。車の走る道を歩く場面もありますが、そんなときはさっと朱音ちゃんの手をつないだり、自分が車道側を歩くなど、妹思いの翔太くんは小さな騎士。

「翔太は上に中学生と高校生の兄がいて、兄に対しては末っ子気質なのですが、朱音に対しては“お兄ちゃんだから”という思いがあるのか、何をするときも妹優先なんです。紅一点の朱音は、わが道をゆくマイペース。何もないところでも遊びを見つけるのが上手です」と、ふたりの後ろを歩きながら、お父さんは目を細めます。

「空と山と道がきれい」と、風景にカメラを向ける翔太くん。アートポイントだけでなく周辺をよく観察し、撮影するときも、カメラアングルをイロイロ変えて工夫を凝らします。

一方、朱音ちゃんは「コレ!」と思ったら即シャッター。迷うことのない思い切りの良さが光ります。美しく計算された翔太くんの写真と瞬間の興味を映し出す朱音ちゃんの写真。それぞれの特徴がよく現れたすてきな作品がどんどん出来上がっていきます。

次のポイントは竹藪の中。ここに隠されているアートは“竹の中の空”です。
「うわっすごい!ちょっと、これはすごいよ。あっちゃんも父も早く、見て見て!」と竹藪を歩いていた翔太くんが大きな声を上げます。
そこにあったのは、まるで竹取物語に出てくるようなきれいな竹の切り株。中を覗いてみると、竹の中に水が張ってあり、その水面に頭上の竹の葉と空が映っていました。

「竹の中の空ってなんだろう?って思っていたけど、こういうことか~!」と翔太くんは大興奮。「空がちゃんと青いよ。上を見たそのまんまが映っているよ」と朱音ちゃんの鋭い観察眼が光ります。何度も代わる代わる覗き込んだふたりは、竹の中の空が大いに気に入ったようすです。

「モノクロかと思いきや、こんなに鮮やかに映るんですね。写真にはうまく映らないかもしれないから、ちゃんと心の目に刻んでおこう!」と、お父さんも感動していました。

思いがけない発見がいくつも見つかる檜原村の自然体験プログラム。ふたりとも疲れを微塵も見せずに、全アートポイントをコンプリート。自然を体いっぱいに受け止めて、すっかり村の子になった翔太くんと朱音ちゃんでした。

「普段、あまり見たことのない自然や山がたくさんあって楽しかった。最初、竹の中の空がよくわからなかったけど、角度を変えてよく見たら、その意味に気付けてすごい嬉しかったです!写真を撮るのもすごい楽しかったので、いつか自分のカメラが欲しいですね」と、探検を振り返る翔太くん。

「川の石をよく見たら、すごくきれいな石がいっぱいあっておもしろかった。イロイロな場所でアートを探したり、みんなで一緒に同じものを見るのが楽しかった。また行きたい!」と朱音ちゃんも満足したようすです。

「ガイドが同行するツアーではなく、自分たちだけでの探検がどうなるか最初は不安でしたが、ふたりともそれぞれに違った意図や疑問を持ちながら探索している姿にたくましさを感じました。用意されたコースを進むのではなく、自分で選んで発見するという内容は親としても楽しく、より家族の一体感が感じられて良かったです」と、お父さんにとっても思い出深い里山でのひとときになったようです。

今日の探検を思い返しながら、朱音ちゃんはおうちでお絵描き。緑がいっぱいで昆虫ともたくさん出会えた河原でのひとときが印象的だったみたいですね。

夏休みということもあり、翔太くんは絵日記調で今日の思い出をスケッチ。竹の中に空が見える、不思議な感覚のアート“竹の中の空”がすごく気に入ったようです。

里山を舞台に、美しい自然やそこに生息するさまざまな生きもの、そして大人にとってはどこか懐かしさを感じる風景と出会える「檜原村で裏山アート探検隊 みっけるん」ツアー。夏休みの自由研究にもぴったりなので、ぜひ家族で参加してみてはいかがでしょう。

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<文=永浜敬子 写真=中里慎一郎>

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