はじめて見る熱々でやわらか~いガラスにびっくり!5歳の女の子がガラスカップづくりに挑戦してきました【あそびチャレンジ#20 吹きガラス体験編】

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あそびチャレンジ#20 吹きガラス体験編

幻想的でどこかぬくもりが感じられるガラス工芸。江戸切子体験やサンドブラスト体験など、さまざまな体験がありますが、やっぱり気になるのは吹きガラス体験。水飴のように溶けた熱~いガラスを風船のようにふくらませ、伸ばしたり丸めたりして好きな形を作る様は、プロっぽくて憧れちゃいますよね。

 

「家族旅行のときなどに、吹きガラス体験を開催している店舗を見かけることはあったのですが、子供にはちょっと難しいのかな…と。やってみたかったものの、諦めていたんです。でも最近、うちの5歳の娘でも体験できる工房があることを知って、今回参加してみました」
そう話すお父さんに連れられて、東京・中野のガラス工房「ガラス教室なかむら」にやってきた5歳の悠月(ゆづき)ちゃん。この工房では、5歳から参加できる吹きガラス体験が開催されています。

「公園で遊ぶのが大好き。すべり台が一番好き!」と、はじける笑顔が印象的な悠月ちゃんは、いつも明るく元気いっぱい。体を動かすことが大好きで、休みの日は、家族でプールや川遊び、スキーやスケート、キャンプに出かける活発な女の子です。

「わっ、火が燃えている!温かいね~。これでガラスを溶かすの?」と、工房に入ると同時に溶解炉の火が赤々と燃えるようすに興味津々の悠月ちゃん。キャンプで焚き火をしたことがあるので、火に対しての恐怖心はあまりなさそうです。

 

「今日はカップを作ります。まず、色と形を決めましょう!」
先生から色ガラスの見本を見せてもらう悠月ちゃん。キラキラ輝く見本のかわいらしさに、本人の目もキラキラ輝きます。

「うわ~きれいなガラス!この色になるの?不思議だね、とと(お父さん)。どれにするか迷っちゃうね。ピンクと赤、黄色もいいな。あ、オレンジもかわいい~」と、悩みに悩んだ末、赤、オレンジ、金赤、紫、黄、青紫の6色を使うことに決めました。形は取っ手がついたカップに決定!

「では早速作っていきますが、その前に準備をしてください」
そう言って先生が、ガラス工芸用のエプロンと腕を保護するスリープ、耐熱手袋、保護メガネを用意してくれました。

「見て見て~とと!かわいいでしょ!!」
普段着ることがない装備を身につけて、大喜びの悠月ちゃん。

「おお~、悠月かわいいよ!保護メガネがサングラスっぽいし、ママにも見せないと!」
いつもと違う悠月ちゃんの姿にお父さんも夢中。スマホで何枚も写真を撮っていました。

 

「吹きガラスは、熔けたガラスを吹き竿に巻き付け、竿の反対側の先から息を吹き込んでガラスをふくらませます。まずは吹く練習をしてみましょう。吹き竿をくわえて、強く吹いてみてください」。
いよいよ吹きガラス体験がスタート!

「フーッ!」と力いっぱい息を吹き込む悠月ちゃん。
「上手だね!じゃあ、実際にやってみましょう」と、先生は溶解炉の中から熔けたガラスを吹き竿に巻き取ります。

「すご~い!飴みたいに溶けているよ。ねえ、とと、真っ赤だけど、これがガラスなの?」
悠月ちゃんは、はじめて見る溶けたガラスを不思議そうに見つめます。

「そうだよ。これが冷えると透明なガラスになるんだよ」
そんなお父さんの説明を聞いても、信じられないようすです。

「1200度の高い熱で溶かしています。とても熱いので近づかないように気をつけてね」と、慣れた手付きでガラスを巻き取る先生。そのまま吹き竿を悠月ちゃんに手渡します。ガラスの熱さが顔に伝わる中、ドキドキしたようすで竿を受け取る悠月ちゃん。

「悠月がんばれ!思いっきり吹くんだ!」
ガラス以上に熱いお父さんの声援が飛びます。

一度大きく息を吸ったあと「フーッ!フーッ!」と力強く息を吹き込むと、少しずつガラスがふくらんできます。声は出せないものの目が大きく開き、悠月ちゃんはその様子に驚いているよう。

竿を返したあとも、先生が再びガラスを溶解炉に差し込むのをあ然とした表情で見つめていました。

 

今度は水をふくませ折りたたんだ新聞紙を使って、ふくらんだ熱々のグラスの形を先生と一緒に整えます。「竿をくるくると回してね」と先生にサポートしてもらいながら、器用に竿を回す悠月ちゃん。

「うわああ、顔が熱い。ガラスってこんなに熱いんだね。わあ、形がどんどん変わっていく。おもしろい~」
今までさわったことがない熱々のガラスに戸惑いながらも、しっかり楽しんでいるようです。

さらに、専用のトングのような道具「ジャック」を使った作業にも挑戦。あとで竿からガラスを外しやすいように、ジャックで挟んで細いくびれを作っていきます。

先ほどよりも大きく形が変わる作業のためか、無言のまま真剣な表情で挑む悠月ちゃん。先生のサポートを受けながらも、しっかりくびれを作るのに成功です。

「悠月、緊張しているの?」というお父さんの呼びかけに、
笑顔を取り戻しながら「難しいんだよ。これでギュッってするの」と答えていました。

形を整えたあとは、悠月ちゃんが選んだ色ガラスを付けて再び溶解炉の中へ。「あ~、色ガラスの色が変わったよ。全部、赤くなっちゃうのはなんで~?」

せっかく色を選んだのに、全部同じ色になったのを心配しているようすの悠月ちゃん。
「高い温度の中に入れると色がわかりにくくなるけど、大丈夫。冷やすとちゃんときれいな色になるよ」と先生。

吹きガラスは「溶かして形を整え、また熱して形を整える」という工程を繰り返し、自分の思い描く形に近づけていきます。熱すぎるとガラスが流れて扱いづらく、また冷めすぎると割れてしまうので、一瞬の判断が大切。体験では先生がうまく調整してくれるので、小さい子でも理想に近い作品ができるのがうれしいポイントです。

悠月ちゃんも息を吹き込む作業はだいぶ慣れ、先生の指示どおりにうまく吹く強さを調整できるようになりました。

「ねえ、とと、見て見て!だんだんコップの形になってきたよ~。すごくきれい~」と悠月ちゃんはニッコニコ。真っ赤に見えていた色ガラスが少し温度が下がることで鮮やかな色を放ちます。

「ほんとだ~、色がきれいだね。悠月の選んだ色で正解だったね!」
思っていた以上に楽しんでいる悠月ちゃんを見て、お父さんもすごい嬉しそうです。

「さあ、形が整ってきたので、次にカップの底を作りましょう」と、先生はカップの底になる部分に木のコテを当てながら底を整えます。悠月ちゃんは竿をくるくる回してお手伝い。じっとその様子を見つめます。

底ができたら断熱材の上に置き、ヤスリで削って竿からカップを切り離す作業です。

「割れちゃわない?大丈夫?えっ、怖いよ~」
ヤスリの作業にも挑戦した悠月ちゃん。でも、せっかく作ったものが壊れちゃいそうで、なかなか先生にいわれたとおりに削れません。

 

ずっと心配そうな表情を浮かべていましたが、「ポン!」と軽い音を立てて、カップが竿から離れるのを見ると「わあ!取れた~。カップだよ、とと!」と大喜び。
満面な笑みを浮かべる悠月ちゃんを見て「ほんとだ、カップになったね!」とお父さんも笑顔で答えます。

 

あとは一度外したカップを逆さにして竿につけ、呑み口側の広さを調整。最後に取っ手部分を作れば完成です。

広さの調整は先生にお任せで、悠月ちゃんは取っ手づくりにチャレンジ!最初に先生が溶かしたガラスで大雑把に取っ手を作ってくれるので、悠月ちゃんは鉄の棒で自分好みの大きさに調整していきます。

「う~ん、こんな感じかな…。もうちょっと大きくしようかな…」と、取っ手の指が入る部分の穴を広げていく悠月ちゃん。ヤスリの作業と一緒でカップが割れるのを心配しているのか、真剣な表情を浮かべ、慎重に広げていきます。

「できた~!ねぇねぇ、とと!すっごいかわいいよ」
無事に取っ手がつけ終わり、カップが完成!

「このおいしそうなカップに何を入れて飲もうか?」
そんなお父さんの問いかけに、「アイスクリーム!」ととびっきりの笑顔で答えていました。カラフルで涼しげなカップで食べるアイスクリームは、いつもよりいっそうおいしく感じられそうですね。

作ったカップは一気に温度を下げてしまうと割れてしまうことがあるので、徐冷炉に入れ一晩かけながら、ゆっくり冷ましていきます。「冷ましたらおうちに届けるので楽しみに待っててね」という先生に、「ありがとうございました」ときちんとお礼を言う悠月ちゃん。お疲れ様でした!

「溶けたガラスは顔を近づけるだけで、とっても熱いのでびっくりしました。ガラスがフニャっとしたり、ビヨ~ンと伸びたりするのがおもしろかったし、風船みたいに吹いたらふくらむのも楽しかった!スイカのアイスが大好きなので、カップに入れて食べたいな~。チョコレートを入れてもかわいかも!」と、体験を振り返る悠月ちゃん。早くも使い道を考えてワクワクしているようすでした。

「熱々のガラスを怖がることなくチャレンジしてくれたのが頼もしかったです。普段は甘えん坊な一面もあるのですが、色や形を自分でどんどん決めて、先生の指導にちゃんと耳を傾ける姿を見られたのも良かったですね。また、身近なガラス製品がどのように作られているのかがわかったので、すごく良い学びになったと思います」と、はじめての吹きガラス体験はお父さんも大満足。今度は自分も一緒に挑戦してみたくなったそうです。

後日、完成したカップが届いて大喜びの悠月ちゃん。「とと~!見て見て!すっごいかわいくなってるよ」と、思っていた以上の仕上がりに大満足のようす。

はじめて自分で作ったガラスのカップは、悠月ちゃんにとってもう絶対に手放せない思い出のアイテムに。毎日、必ず使っているそうです。

 

熱いガラスを取り扱う吹きガラス体験は子供には難しいと思われがちですが、ガラス工房の先生やスタッフの協力があれば、とっても簡単。幼稚園児や小学生からでも参加できる体験教室は各地で開催されているので、ぜひ親子で挑戦してみてはいかがでしょう。
子供と一緒に作ったグラスやカップを見るたびに、楽しい思い出が蘇りますよ!

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<文=永浜敬子 写真=宮川朋久>

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